日本法制史演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
日本法制史演習
標準年次
3・4
講義題目
江戸時代人の政治や法をめぐる思想について考える
開講学期
通 年
担当教員
植田 信廣
単位数
4単位
教  室
206
科目区分
展開科目
履修条件
標記演習テーマに強い関心を有する人という以外に、特に履修条件はありません。
授業の目的
過去の法と社会についての歴史的認識を抜きにして、現代の法や社会をよりよく理解することはできません。本演習は、日本近世(江戸時代)の政治思想史の概観、および「赤穂事件」の分析という二つの作業をつうじて、江戸時代の国家・社会・思想、および法の特質に関する理解を深めることを目的とします。同時に、参加者各自が関心を有する法制史上の興味深い諸問題の検討を通じて日本における法の歴史的特質についての認識を深めること、ひいては法を歴史的に相対化して見る見方を養うこと等も目的とします。
授業の概要・計画
@渡辺浩著『日本政治思想史──17〜19世紀』、およびA野口武彦『忠臣蔵──赤穂事件・史実の肉声』をテキストとして、江戸時代の国家・社会・思想、および法のあり方について理解を深め、さらに、議論をつうじて、近世国家の権力構造や日本の伝統的な政治思想・法思想等についての理解を深めたいと考えています。ちなみに、@の帯広告には「『御威光』の支配から文明開化まで──何が起きたのか。江戸から明治半ばの日本へと遡航し、政治をめぐる思想を斬新な視点で描き出す。歴史を知る楽しみに満ちた、刺激的なタイム・トリップ」とありますが、本書はこのキャッチコピーどおりの充実した内容で、面白いこと請け合いの著書です。Aは簡明で読みやすく、かつハイレベルな「赤穂事件」研究書として定評のあるものです。
前期は参加者各自が上記テキストの内容を分担報告し、これについて詳しく検討することを通じて、また、後期は各自が自由報告を行うことを通じて、江戸時代の法、政治および社会に関する理解を深めることを目指します。
なお、年度末にはゼミ論集を発行します。
授業の進め方
前期の第1回目に演習の主旨説明、報告の分担決め等を行います。2回目以降は、上記テキストを素材に毎回分担報告者から報告を受け、これについての議論を行います。テキストは前期で読み終える予定で、後期は、各自前期の報告時の議論をもとに自ら関心を持ったテーマについて調査研究した成果を報告し、これについてみんなで討論するといった方式で進めます。
なお、ゼミの進め方についての詳細は参加者の希望を取り入れて決める予定です。
教科書・参考書等
教科書@渡辺浩著『日本政治思想史──17〜19世紀』(2010年、東京大学出版会)、A野口武彦『忠臣蔵──赤穂事件・史実の肉声』(2007年、ちくま学芸文庫)
参考文献は必要に応じて適宜指示します。
成績評価の方法・基準
年度末のレポート(ゼミ論文)および平常点により評価する。ゼミ論文提出は必須です。
その他(質問・相談方法等)
質問・相談等は適宜受け付けます。メールによる連絡、直談判いずれも可。
ゼミ旅行やコンパなどの課外活動も充実させたいと考えています。
過去の授業評価アンケート