履修条件 |
特に条件を課さない。 |
授業の目的 |
(1)情報の集め方について学ぶこと(リサーチ能力) (2)情報の分析の仕方について学ぶこと(分析能力) (3)議論の方法について学ぶこと(ディスカッション・プレゼンテーション力) (4)自分の意見を説得的に文章にまとめる技術について学ぶこと(レポート・論文作成能力) 本セミナーでは、次のようなコンテクストで学習を進めることにより、上記の共通目標を達成する。 法というものは、二名または三名以上のアクター(actor)の相互のつながりに対して、特定の目的をもって、介入するための道具である。このような法の性格を最初に認識したうえで、本格的な法律の学習に入っていくことが、学習効果を高めるためには好ましいことである。この授業では、「道具」としての性格が明白であり、それゆえに素材として扱いやすい「知的財産権法」を利用して、法と社会ネットワークとの関係を学習する。
…...さて、と。
「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」(映画にもなりましたね。http://movie.goo.ne.jp/movies/p10969/comment.html)という言葉をご存知ですか?誰でも、世界中のほとんどの人と、六つのステップを介するだけでつながっているというおはなしです。「君→<1> 君の知り合い→<2> 知り合いの知り合い→<3> 知り合いの知り合いの知り合い→ <4> 知り合いの知り合いの知り合いの知り合い→<5> 知り合いの知り合いの知り合いの知り合いの知り合い→<6> 私」というわけです。世界中の人々が、あっちこっちで網の目(「ネットワーク」!)のようにツナガッテイルのならば、ネットワークを通じて、いろんな音楽や漫画や映画を楽しめたり、また、いろんなことを教えてもらえそうではありませんか?なのに、意外なことに、僕らは、「知り合いの知り合いの知り合いの知り合いの知り合いの...」ネットワークからは、少ししか情報をもらっていません。新しい音楽を聴きたければ、iTunes にログインしたり、CDを買ったりします。知り合いからCDを借りるにしても、君の知り合いは、CDをどこかの店で買ってきたのでありましょう。
どうしてこんなことになってるのだろうか?「知り合いの知り合い...」とか「友達の友達...」なんて無意味なのだろうか?いやいや、そうではないはず。実は、僕らのつながり方には、いろいろな種類があって、それぞれの種類がそれぞれなりの特徴と働き方をしている。そして、法律は、ある種のつながりをサポートして、情報が社会に行き渡ることを促進したりするのだ。
…...というようなことを勉強してみよう。
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授業の概要・計画 |
最初にオリエンテーションを行ったうえで、各参加者に対して、社会ネットワークと法との関係を分析するための簡単な素材を割当て、検討の結果を各回において発表していただく。
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授業の進め方 |
オリエンテーションの回を除き、学生による発表と、教員および学生全員による自由な討議とを行う。 |
教科書・参考書等 |
特に指定しない。参考になる文献は、随時、紹介する。 尚、増田直紀『私たちはどうつながっているのかーネットワークの科学を応用する』(中公新書、2007年)を読んでおくと、社会ネットワーク分析のイメージをつかむことができます。 |
成績評価の方法・基準 |
平常の議論への参加の程度、発言の内容、発表の内容により、評価を行う。 |
その他(質問・相談方法等) |
学生は、あらかじめe-mailで日時を予約したうえで、教員の研究室において、教員との議論、相談などを行うことができる。教員のe-mailアドレスは、sterra@law.kyushu-u.ac.jpまたはjshin768@gmail.comである。 |
過去の授業評価アンケート |
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