履修条件 |
行政法T(行政過程論)を受講していること(単位取得の有無は問いません)。 この演習と並行して,前期に開講される行政法U(行政救済論)を履修することが望ましい。
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授業の目的 |
「考える力」「書く力」「相手を説得する力」を高めることがこの演習の目的です。
法律学を学ぶ上では,基礎的な概念や考え方を理解し,時には覚えることも重要なステップではあります。しかし,変化の激しい現代社会においては,大学で学んだ知識はすぐに古くなってしまいます。社会に出た後にみなさんが遭遇するさまざまな問題を解決するためには,いろいろな情報源から情報を収集し,分析し,自分の見解をまとめ,それを表現し,相手に対して説得的に説明する力を在学中に身につけておくことが重要と考えます。この演習では,行政法に関係する問題を素材に,こうした能力を伸ばすことを最大の目的としています。 |
授業の概要・計画 |
<前期> 行政法を真に身につける上では,個別法分野(参照領域)の法的なしくみを学ぶことが最も有効な方法であり,環境法には行政法の理論的課題を具体的に考えるための新鮮な議論素材が豊富です。そこで前期は,行政過程論の復習を行った後,環境法に関連する現代的なテーマをいくつか取り上げて議論したいと考えています。この作業を通してゼミ生ひとりひとりの「考える力」を高めることを目標とします。具体的な計画は以下の通りです。 ○第1回 オリエンテーション・報告グループの決定 ○第2回〜第3回 行政過程論の復習 ○第4回 環境法と環境政策の基礎(教員による説明) ○第5回〜第14回 ゼミ生による研究報告 5つのグループに分け,各グループが2回ずつ報告します。1回目はテーマ報告,2回目はそのテーマに関係する重要な判例を取り上げて報告します。研究報告の現段階でのテーマ候補は次の通りです(変更の可能性があります)。 ・循環管理(リサイクル)法制と廃棄物処理問題,紀伊長島町水道水源条例事件(最判2004(平成16)年12月24日) ・景観法制と建築紛争,国立マンション訴訟(東京地判2001(平成13)年12月4日ほか) ・エネルギー法制と地球温暖化問題,伊方原発訴訟(最判1992(平成4)年10月29日) ・環境メディア法制と公害紛争,国道43号訴訟(最判1995(平成7)年7月7日) ・生物多様性保護と自然公園法制,自然公園法の不許可補償(東京地判1990(平成2)年9月18日ほか) ○第15回 予備日
<後期> 後期はゼミ論文を執筆します。自分の興味・関心に応じて様々な情報源を利用して調査を行い,自分なりの解決策をまとめていく過程で,「考える力」「書く力」「相手を説得する力」の向上を図りたいと思います。テーマの選択については、行政法演習のホームページ(http://quris.law.kyushu-u.ac.jp/~ohashisemi/)が参考になります。 |
授業の進め方 |
担当者がテーマについて報告を行い,それを素材に参加者全員で議論します。前期はグループごとの報告,後期は個人での報告を予定しています。
その他,受講者の希望に応じて,ゼミ合宿・裁判の傍聴・行政機関の見学などを行うことも考えています。 |
教科書・参考書等 |
ゼミの中で紹介します。さしあたり,現在出版されている環境法・環境政策関連の基本書等として例えば以下のようなものがあります。
大塚直『環境法[第3版]』(有斐閣・2010年) 北村喜宣『環境法』(日本評論社・2011年) 北村喜宣『自治体環境行政法[第5版]』(第一法規・2009年) 北村喜宣『現代環境法の諸相』(放送大学教育振興会・2009年) 倉阪秀史『環境政策論[第2版]』(信山社・2008年) 大塚直=北村喜宣編『環境法ケースブック[第2版]』(有斐閣・2009年)
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成績評価の方法・基準 |
演習における報告と,年度末に作成するゼミ論集に掲載する論文により評価します。無断欠席した場合には,以降の演習への出席は認めず,単位を認定しません。 |
その他(質問・相談方法等) |
大学時代の4年間は人生の中で最も能力が伸びる時期の一つです。ゼミ論文を執筆するためにはそれなりの努力が必要ですが,書き上げることによって確実にパワー・アップすることができます。本演習の目的に共感し,大学生活で何かを達成したいと望んでいる意欲的な学生の参加を期待しています。 |
過去の授業評価アンケート |
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