履修条件 |
とくになし。 ただし、憲法T(統治機構論)を履修しおえていることを前提に講義するので、履修していない者はあらかじめ市販の概説書等で憲法総論、統治機構論の分野を自習しておくことが望ましい。 |
授業の目的 |
憲法学の扱う分野のうち、講学上「人権論」と呼ばれる範囲についての一通りの知識を得ることが課題であるが、この講義に毎回出席することにより、(1)90分延々と続く単調な講義を聴きながらも、何が重要であるかを判断し、それをノートにとるという、大学時代にぜひとも身につけておくべき能力を伸ばすこと、および(2)憲法をめぐる法と政治について、今後各自が考えていくための手がかりと方法とを身につけること、を目的とする。初回講義において説明を行う。 |
授業の概要・計画 |
日本国憲法の諸規定のうち、第三章「国民の権利及び義務」に定められているものを中心に講義をする。以下のような章立てを予定しているが、変更の可能性もある。細目次は講義が終わるたびに南野のHP上で公開・更新する予定である。
第一部 人権総論 第一章 「人権」の概念 第二章 権利の類型 第三章 権利の主体 第四章 権利の妥当範囲 第五章 権利の制約 第二部 人権各論 第六章 平等 第七章 精神的自由 第八章 経済的自由 第九章 社会権 第十章 手続的権利・新しい人権 |
授業の進め方 |
講義形式で進める。レジュメは配布しない。 ただし、講義目次、講義で推薦した参考文献・参照した判決等については南野のHPに掲載する予定であるので、復習をする際に役立てて欲しい。 |
教科書・参考書等 |
■教科書は指定しないが、信頼できる教科書を1冊購入し、常に熟読・参照し、「完璧なノート」を作成することを強く薦める。憲法T(統治機構論)の受講に際し購入したものとは別のものを購入するのが望ましいであろう(つまり教科書を2冊程度所有することになる)。憲法U(人権論)では、次の@〜Dを勧める。それぞれの特色等については、初回講義で簡単に説明する予定である。
@長谷部恭男『憲法〔第5版〕』(新世社、2011年) A野中俊彦ほか『憲法T〔第4版〕』(有斐閣、2006年) B高橋和之『立憲主義と日本国憲法〔第2版〕』(有斐閣、2010年) C樋口陽一『憲法〔第3版〕』(創文社、2007年) D芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法〔第5版〕』(岩波書店、2011年)
■判例解説集として、次のEは講義においてしばしば参照するので(とくに授業の後半以降は)常備して欲しい。
E高橋和之ほか(編)『憲法判例百選T〔第5版〕』(有斐閣、2007年)
■憲法学のいくつかの論点についてより深く学ぼうとする意欲的な学生には、次のFとGを薦める。
F安西文雄ほか『憲法学の現代的論点〔第2版〕』(有斐閣、2009年) G宍戸常寿『憲法 解釈論の応用と展開』(日本評論社、2011年)
■また、憲法学の諸論点について、簡潔ながらも一般的な教科書には決して書かれていないような大変興味深い記述や資料・写真等を多く集めたものとして、次のHがある。
H安念潤司ほか(編著)『論点日本国憲法』(東京法令出版、2010年)
■そのほかの参考書・参考文献については講義において適宜紹介する。
■南野が書いたもののうち、とくにこの講義を受講する学生にとって参考になると思われるものとして、次のI〜Lを一読しておくことを勧める。
I「憲法学と人権――本特集によせて」法学セミナー2008年5月号 J「違憲審査制と国法秩序」南野 森(編)『ブリッジブック法学入門』(信山社、2009年)第6章 K「近代立憲主義」法学セミナー2009年11月号 L「憲法――その意味・その特色・その目的」法学セミナー2011年4月号
なお、上記のうちI、K、Lは、「九州大学学術情報リポジトリ(QIR)」に全文PDFが掲載されている(南野のHP→プロフィール→作品一覧からも閲覧可能)。 |
成績評価の方法・基準 |
期末試験(のみ)による。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義前後等の質問を歓迎する。研究室への直接の来訪も歓迎する。また、南野のHP上に講義に関するページを作成し、受講者の感想等を掲載したり、講義目次を掲載したりすることを予定している。 受講者のMLを作り、急な連絡をしたり、講義に関する情報や学務に関する情報を流す予定であるので、受講者は是非MLに登録をしてほしい。南野のHP→南野的授業→2011年度→憲法Uのページで登録方法を説明する。なお、このメーリスは、2010年度前期法学入門の受講者メーリスと同一のものである。 |
過去の授業評価アンケート |
2010年度後期 |