民事訴訟法特殊講義U

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
民事訴訟法特殊講義U
標準年次
3・4
講義題目
人事訴訟法・家事事件手続法
開講学期
後 期
担当教員
本間靖規  
単位数
2単位
教  室
104
科目区分
展開科目
履修条件
民事訴訟法(判決手続)を受講していることが望ましい。
【学務委員会より】
本科目は、2009年度以前入学者の内、民事紛争処理入門を修得していない者については「民事紛争処理入門(入門科目)」として単位認定を行う。履修済みの者については、「民事訴訟法特殊講義U」として単位認定を行う。いずれの科目で単位認定を希望するのか良く確認の上、履修登録を行うこと。本件に係る質問は「学生第三係」まで。
授業の目的
 離婚、離縁、親子関係、遺産分割、遺留分などをめぐる家事紛争については、家族が社会の構成要素の重要な一部分であることに鑑み、またその後も継続的に関係の続く血縁関係のある者同士の紛争であることもあって、解決方法については、財産を巡る紛争とは異なった考慮要素が働く。一定の事件類型については、調停前置主義がとられているのもそのためである。本講義では、家事事件の紛争解決のあり方を人事訴訟法、家事事件手続法を通して、調停、審判、判決といった家事事件特有の裁判手続をみながら概観し、その理論的、実務的問題点を探ることを目的とする。なお、家事事件手続法については、平成25年1月1日施行に予定になっていることもあって、実務がこれから始まることになるが、その際の実務の手続の注意点などを解説する予定である。
授業の概要・計画
 まずは、家事事件の類型に従って、手続の流れを概観する。調停から始まり、審判に移行する手続、訴訟に移行する手続を区別して、その特徴を明らかにする。その際、講義担当者の家事調停委員としての経験や人事訴訟法制定の際の法制審議会委員として見聞した議論の経過などを詳しく解説する予定である。さらには、検討の対象が訴訟事件と非訟事件にわたる関係で、それぞれの審理のあり方、審理原則、手続保障の発現の仕方の違いなどを考察する。最後に家事事件紛争における解決方法全体を考察して、人間関係調整と裁判手続の結びつき、人間関係に関する深い洞察力の必要性などについて考える機会を提供したい。
授業の進め方
 教科書としては、一応、徳田和幸=梶村太市編『家事事件手続法(第2版)』(有斐閣)を用いるが、家事事件手続法については、施行前であることもあって、適当な教科書が存在しない。そこで担当者のレジュメに従って、丁寧に解説をしていくつもりである。
教科書・参考書等
徳田和幸=梶村太市『家事事件手続法裁判例集』(有斐閣)

※『家事事件手続法(第2版』』(有斐閣)のテキスト指定は取りやめる。家事事件手続法裁判例集のみ用意すること。
成績評価の方法・基準
 筆記試験を行う予定である。
その他(質問・相談方法等)
 担当者と受講生との授業での双方向の積極的なやりとりに期待している。
過去の授業評価アンケート