知的財産法演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
知的財産法演習
標準年次
3・4
講義題目
知的財産法の現代的諸相
開講学期
通 年
担当教員
寺本・小島 (寺本振透・小島立)
単位数
4単位
教  室
207
科目区分
展開科目
履修条件
知的財産法に関する講義については、履修済みであるか、または演習と並行して履修することが望ましい。
授業の目的
法的思考能力を養うことに加え、
(1)自分の力で調査および報告に必要な文献資料を見つけ出し、
(2)それらを適切に理解した上で報告内容を簡潔にまとめ、
(3)限られた時間内において、人前で分かりやすく発表する力を培う、
ことによって、就職および就職後における学生諸君の戦力を向上させることをも目的とする。
授業の概要・計画
1.概要

本演習では、知的財産法の重要な論点およびトピックを検討する。前期については2名の担当教員で指導を行うが、後期については寺本が指導を行う予定である(小島が後期から在外研究を予定するため)。

2.前期

前期は、知的財産法の基本的な論点を中心に、主に重要な判例の検討(場合によっては論文の講読)を行なう。検討対象となった判決等について、グループで事前に調査および検討を行い、グループによる報告の後に、参加者全員で討議を行う。

3.後期

後期は、前期の学習を踏まえ、知的財産法の現代的な論点について掘り下げて研究する。前期における学生諸君の能力開発の状況を見つつ、適切なテーマを与える。ちなみに、2011年度後期は、図書館とユニバーサル・デザインをテーマとした。

毎回、少人数の報告者(各報告につき、1〜2名)がテーマを割り当てられ、事前に報告準備を行い、ゼミ当日は、報告の後に、参加者全員で討議を行う。この作業を通じて、ゼミ参加者の「情報収集能力」、「内容文書構成能力」および「プレゼンテーション能力」を飛躍的に高めることを狙う。
授業の進め方
1.概要

毎回、少数の判例、論文、報告書等を掘り下げて検討する。事前に、主として扱う判例や論文、参考判例、参考文献等を決定する。

報告者(前期はグループ、後期は1〜2名)が報告を行い、それに引き続き参加者全員で議論を行う。

報告者は、指定された判例(最高裁判決を検討するのであれば、その下級審も当然含まれる)や論文等はもちろんのこと、それ以外に報告に必要と思われる参考判例、判例評釈、関連する論文等を自分の力で選択および収集し、報告準備をすることが求められる。なお、前期においては、グループのうち1名は、報告およびその後の議論の進行役を務めること。

そして、議論が充実したものとなるために、参加者全員が目を通すべき文献についても、事前に報告者からの紹介がなされるべきである。

2.報告の進め方

優れた「判例評釈」や「書評」のスタイルを参考にされたい。すなわち、課題として扱う判例や論文等の意義が何であるか、従前の判例および学説または実務慣行との関係がどうなっているか、当該判例や論文等の記述が論理的に成り立つものであるかどうか、そして当該判例や論文等が検討し遺した課題が何であるか、等を検討するとよい。その際、なるべく多くの視点から検討すべきである。

3.議論の進め方

報告を行なわない参加者も、予め指定または紹介された判例や論文、参考文献等を必ず予習し、主体的かつ積極的に議論に加わっていただきたい。

報告者、参加者双方とも、指定された判例や論文の内容を鵜呑みにせず、関連判例や参考文献等を参照しながら、批判的な態度で、検討および議論に参加することを期待する。
教科書・参考書等
演習開講前に、中山信弘『マルチメディアと著作権』(岩波新書(赤426)、1996年)に目を通すことをお勧めする(この本は、残念ながら絶版となっているが、図書館には配置されている)。

また、知的財産法の判例のエッセンスを簡易に眺めるために便利なものとして、大渕哲也ほか『知的財産法判例集〔補訂版〕』(有斐閣、2010年)、小泉直樹ほか『ケースブック知的財産法〔第2版〕』(弘文堂、2008年)を挙げておく。

それ以外の参考文献は、演習開講時および随時、紹介する。
成績評価の方法・基準
成績評価は、平常点(出席状況、報告内容、議論への参加態度等)による。
その他(質問・相談方法等)
毎回、報告および議論に、それぞれ45〜60分程度を想定する。時間延長もあり得る(午後7時頃に終了することも珍しくはない)。

また、コンパや合宿など、ゼミの時間以外の活動も積極的に行なえれば、と考えている。

本演習に関して不明な点があれば、寺本(sterra[アットマーク]law.kyushu-u.ac.jp)、または小島(kojima[アットマーク]law.kyushu-u.ac.jp)まで、ご遠慮なくお尋ねいただきたい。
過去の授業評価アンケート