民事訴訟制度の基礎について、判例・学説等を検討しながら学びます。 民事訴訟法は、他の法領域に比べるとやや専門的で、難解なイメージがあります。理由はだいたい、以下のところにあるのかなと推察しています。 @ 我々の日常生活とは馴染みの薄い、法廷空間を規律する法である。 A 「誰にどんな権利を認めるべきか」という価値判断には馴染みがあっても、「どんなスタイルの話し合いがよいか」という価値判断は、これまでの人生であまりしたことがない。 しかし裏を返せば、これは我々の素朴な価値観から、論理を無視して結論を先取りしたりせずに、学問的な語用の中で着実に推論することが比較的たやすい、ということでもあります。法学の勉強には、むしろ望ましいフィールドかも知れません。(なお、民事訴訟法学も、もちろんまったくの没価値的な法ではなく、我々の通常の価値判断に通じる理念をもっています。) この演習が、そういった推論の訓練になればと思っています。 |