履修条件 |
・政治と人間の問題を、「歴史・思想・哲学」の視点から、深く、地道に考えてみたい方。サブゼミ希望者やオブザーバーも歓迎します(ただし、近年ゼミ参加者が増えているため、人数が20名を超える場合は選抜を行います)。 |
授業の目的 |
・プラトンやアリストテレスをはじめとする過去の思想家のテクストは、現代の視点からは見えにくい「時代の背中」を映し出す、歴史の知恵の宝庫です。 本演習では、政治学の「古典」や「名著」との対話を通じて、移りゆく時代に流されず、現代社会で「善き生」を営むために必要とされる、以下のような「わざ」を磨くことを目的とします。
@「デモクラシー」「自由」「国家」「権力」「公共性」などの政治概念の系譜に関する学問的な知識と歴史的な洞察力 Aテクストの高度な読解能力、論理的な思考能力、論文作成能力などの、高年次に相応しい学問的な「型」や「わざ」。 B現代を生きる市民に必要とされる「教養」や「実践知」
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授業の概要・計画 |
【古典講読】 ・政治学においては近年、とくに市民育成の観点から、その教育や教養のあり方が議論され始めています。とりわけ、震災後に見えてきた政治的諸問題の原因の一つは、ディーセントな市民社会の基盤となる、広い意味での「教養」や「想像力」の欠如にあるのかもしれません。 本演習では、「古典」や「名著」との対話を通じて、古代ギリシアやローマ、あるいは中国に由来する「教養」の実像を明らかにします。この作業を通じて、現代を生きる市民に必要とされる、政治的な知の所在が見えてくるはずです。
今年度は、★西洋政治思想史における「憲政論」の展開★をテーマにします。テクストとしては、現在のところ、バジョット『イギリス憲政論』、ジョン・ロック『統治二論』、モンテスキュー『法の精神』、ハミルトン、ジェイ、マディソン『ザ・フェデラリスト』などを考えています。
【ゼミ論文】 ・本演習で文献講読と並んで力を入れているのが、論文の執筆とゼミ論集の発行です。ゼミ論は、1年間の勉強の成果を示すだけでなく、とくに卒業年次の方にとっては大学生活の総決算となります(昨年度のゼミ論集は180頁になりました)。 具体的な作業としては、夏休みの合宿での構想発表、年度末の最終報告と原稿の提出が課せられます。ただし、サブゼミの方は、書評などのゼミ論以外の選択も可能です。
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授業の進め方 |
・毎回テクストの範囲を決め、担当者の報告をもとに参加者全員で討論します。
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教科書・参考書等 |
【テクスト】 ・バジョット『イギリス憲政論』中公クラシックス、2011 ・ジョンロック『統治二論』岩波文庫、2010 ・モンテスキュー『法の精神』(上中下)岩波文庫、1989 ・ハミルトン、ジェイ、マディソン『ザ・フェデラリスト』岩波文庫、1999
【その他】 ・木村俊道『文明の作法−初期近代イングランドにおける政治と社交』ミネルヴァ書房、2010 ・木村俊道「実践知としての政治思想史」(関口正司編『政治における「型」の研究』風行社、2009所収) ・岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学−古典・名著への誘い』ミネルヴァ書房、2008 ・九州大学政治哲学リサーチコア編『名著から探るグローバル化時代の市民像』花書院、2007 ・古賀敬太編『政治概念の歴史的展開』全四巻、晃洋書房、2004-
【過去に読んだテクスト】 ・2012年度 丸山眞男『丸山眞男セレクション』平凡社ライブラリー、2010 丸山眞男『忠誠と反逆』ちくま学芸文庫、1998 ・2011年度 福沢諭吉『学問のすすめ』岩波文庫、改版1978 福沢諭吉『文明論之概略』岩波文庫、1995 オルテガ『大衆の反逆』ちくま学芸文庫、1995 杉田敦『デモクラシーの論じ方』ちくま新書、2001
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成績評価の方法・基準 |
@ゼミ論文(もしくは書評等)および、A通常のゼミに対する取り組み方(報告や討論への参加、ゼミ運営への貢献等)により総合的に評価します。 |
その他(質問・相談方法等) |
【ゼミ見学】 ・オープンゼミ期間以外でも随時見学可能です(第2研究会室)。 ・1月18日(金)は、臨時ゼミとして、午前10時30分から6時頃までゼミ論報告会を開きます。先輩達の研究成果をぜひ見に来て下さい。
【その他】 ・政治理論発展(前期・展開)や政治理論入門(後期・基盤)、政治外国書講読(前後期)を併せて受講することが望まれます。 ・在室時は随時訪問可能です。なんでも、お気軽にご相談ください。 |
過去の授業評価アンケート |
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