政治学演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
政治学演習
標準年次
3・4
講義題目
グローバリズムとナショナリズムの政治学
開講学期
通 年
担当教員
出水 薫
単位数
4単位
教  室
106
科目区分
展開科目
履修条件
※以下のシラバス全体を、よく読んで、参加申込書の「志望理由」を書いてください。

(1)「問題」を欲している方、あるいは「問題」を適切に「かたち」にできるようになりたいという意欲をもっている方。

(2)言葉の力をたくましくしたいという意欲を持っている方。

(3)問題の「現場」を「楽し」める知的好奇心の旺盛な方。

(4)サブ・ゼミや法律系ゼミとのかけもち参加歓迎です。2012年度は2名が法律系ゼミとのかけもちでした。

(5)過去と同様に、月例で弁護士のみなさんと社会問題についての調査・討議・合宿などをおこないます。法曹志望の方、大歓迎です。

(6)単位はいらないけれど参加したいという方、大歓迎です。例年1〜3名は単位のいらない参加者です。

※また例年、21世紀プログラムをはじめとして、他学部の学生さんが参加しています。2012年度は21世紀プログラム生と文学部生、社会人の大学院生のみなさんが参加していました。
授業の目的
(1)2012年度後期から2013年度前期までのテーマは、「グローバリズムとナショナリズムの政治学」です。
 未曾有の「原発震災」は、「日本人」「日本」の言葉を溢れさせ、いわば「災害ナショナリズム」とでも呼ぶべき状況をもたらしました。このナショナリズムの突出は、すでに震災以前から強まりつつあったものです。
 なぜなら経済のグローバル化は、雇用構造などの変化をもたらし、世界規模で格差を拡大させてきました。そのようなグローバル化への抵抗は、国境の再強化を求めるという動きをもたらしました。すなわち、格差のもたらす遠心力を中和し、「国」の強調によって求心力を保とうとする勢力の動きと呼応することになったわけです。
 グローバルな市場の暴力に対抗しつつ、ナショナリズムに絡め取られないために、私たちには、どのような「道」があるのでしょうか。

(2)年度のテーマを超えて、私たちのゼミの一貫する目的は、何よりも、「世界は広く複雑で、そこには面白い人たちがいる」ということを学ぶことです。
 参考までに、2012年度に語り合った人たちは下記のような人たちです。他大学の教員と学生、弁護士(司法修習生)、自治体(元)首長、自治体議員、記録作家、新聞記者、編集者、映画監督、農家、NPO職員・・・。

(3)以上のような出会いと交流を通じて、広い意味での「政治」について議論していきます。また、そのために必要ないくつかの技法を学んでいきます。
 上記の「技法」としては、読むこと、インタビューすること、調べること、聞くこと、語ること、書くことなど、コミュニケーションのすべての局面にわたるものが含まれます。
授業の概要・計画
(1)前期は前年度(2012年度)からのテーマである「グローバリズムとナショナリズムの政治学」を引き続き学びます。前年度から参加しているみなさんで、予めテキストを選定しています。

(2)後期のテーマについては、夏休みの合宿で、翌年度前期までの一年間を対象として新たに、みんなで話し合って決めます。テキストもみんなで相談して決めます。

(3)卒業生を交えての同窓会ゼミや、弁護士や他大学の教員・学生と交流する催し物があります。
授業の進め方
(1)授業の内容はテキストの輪読と討論、現地調査の実施と討論の二つに大きく分けられます。

(2)通常のゼミでは、あらかじめフェイスブックまたはメーリングリストで共有しておいたレジュメをもとに討議します。

(3)現地調査・合宿は、その都度に幹事を決定し、幹事を中心に約束のとりつけ、宿所の確保などをおこない実施します。

(4)以上の活動に織り交ぜて、ゼミ論作成のための構想・草稿会もおこないます。

(5)毎回のゼミは以下の要領で進めます。
 ※担当する順番:報告→司会→書記
 1)全体の事務連絡(10分位内)
 2)各自の観点の確認と感想(全員一巡、40分上限厳守)
 3)報告者1による報告(20分厳守)
 4)報告者2による補足・批判(5〜10分)
 5)グループに分かれて討議(40分)
 6)全体討議(40分)
 7)各自の感想と次回の観点の確認
   (全員一巡、40分上限厳守)
  ※20時終了厳守
教科書・参考書等
前期のテキストは以下のとおりです(読む順番)。

 小熊英二『社会を変えるには』講談社現代新書
 上野千鶴子編『構築主義とは何か』勁草書房
 シーブルック『階級社会』青土社
 ベック『ナショナリズムの超克』NTT出版
 アンダーソン『想像の共同体』書籍工房早山

※副読本として、橋本努『学問の技法』ちくま新書をゼミ開始前に読んでもらいます。
ゼミ参加者は初回で、この本の感想をたずねられますので、かならず読んでおいてください。

後期のテーマとテキストは、夏合宿で話し合って決めます。

成績評価の方法・基準
(1)ゼミでの報告と質疑への参加。

(2)ゼミおよび諸行事への参加状況。

※無断欠席と無断遅刻は、大幅に減点します。欠席や遅刻は、原則として前日までに届けなければなりません。

(3)ゼミ論文:年に5回ほどゼミ論文構想検討会をおこない、計画的に作成してもらいます。また原則として11月締め切りの『学生法政論集』に応募してもらい、それを元にゼミ論を完成してもらいます。

※2010年度からゼミ論文に替えて、ゼミ・ドキュメンタリー(15分以上30分以内の映像作品)を提出することもできます。

その他(質問・相談方法等)
ゼミの相談は基本的にフェイスブックなどでもおこないます。
参加者は携帯以外のメールアドレスとフェイスブックのアカウントを持ってもらう必要があります(※gmailなども可)。
過去の授業評価アンケート