履修条件 |
このゼミでは、毎週、比較的長い論文や判決文を事前に熟読することが求められます。とくに初めのうちは丁寧な指導に努めるので、心配する必要はありませんが、「とにかく楽に単位がとりたい」という人には向いていません。うまくできるかどうかは別にして、ゼミでの報告や討論に意欲的に取り組める学生を求めます。 |
授業の目的 |
【コアセミナーの共通目的】 このコアセミナー(法政基礎演習T)は、少人数でのゼミ形式を通じて、以下の4点にわたる勉強の「型」や「フォーム」を体得することを目的としています。
(1)情報の集め方について学ぶこと(リサーチ能力) (2)情報の分析の仕方について学ぶこと(分析能力) (3)議論の方法について学ぶこと(ディスカッション・プレゼンテーション能力) (4)自分の意見を説得的に文章にまとめる技術について学ぶこと(レポート・論文作成能力)
【このゼミの目的】 下記のとおり、このゼミでは我が国における現下の政治的テーマを扱う予定です。このことが、日本を取り巻く焦眉の課題にいっそうの関心を向ける契機になればと願っています。 また、1年生にはやや難解と思われる判決文や論文も、教材として積極的に取り上げ、とりわけ「読む力」「書く力」の向上につなげたいと考えています。 |
授業の概要・計画 |
最初に、このゼミで取り上げようと考えているテーマをいくつか示してみたいと思います。(あくまで例示であり、これが全てではありません。)
■内閣総理大臣がコロコロ変わる制度的要因はどこにあると思いますか。
■「一票の格差」とは何のことか、知っていますか。
■外国人にも投票資格を与えるべきとの提案をどう思いますか。
■いわゆる「ねじれ国会」のせいで「決められない政治」が続いているとの指摘をどう受け止めますか。
■憲法9条を改正して自衛隊を「国防軍」と位置づける提案についてどう考えますか。
ここに挙げられた問いはいずれも、我が国における憲政のあり方と関わって、目下、議論の俎上に載せられているテーマばかりです。このゼミでは、かように近時の報道でしばしば目にする政治的課題を取り上げて、憲法学の観点から考察を深めるつもりです。
裁判所で争われた事例がある場合にはその判決文を読み、さらに(初学者を念頭に書かれた)論文にも手を延ばすことで、法学的な文章の読み方・書き方についても体得してもらいたいと考えています。 |
授業の進め方 |
初回は(教員も含めて)メンバーの紹介をしたうえで、ゼミで取り上げるテーマと議論の進め方を説明します。
第2回・第3回は、教員の準備した予習課題(初回のゼミで配布)に基づいて、このゼミに臨むうえでぜひとも必要と思われる憲法学の基礎的事項を確認します。
第4回以降は、報告者による発表とそれに基づく討論を軸に進めます。報告者はレジュメを作成して、問題の所在、当該問題にかんする従来の議論状況、そして報告者自身の考え方(私見)を説明します。他のゼミ生は、報告をよく聞いて、活発に意見を交換してください。各回の司会進行もゼミ生に担当してもらいます。 |
教科書・参考書等 |
教科書として、渋谷秀樹=赤坂正浩『憲法2 統治〔第5版〕』(有斐閣・2013年)を使用します。講義初日の朝には、生協文系書籍部の店頭に並ぶ予定です。 |
成績評価の方法・基準 |
・各自の報告内容および議論への参加状況を総合的に評価します。ゼミでの報告に基づくレポート課題を提出してもらうことも考えています。
・無断欠席は認められません(その後の出席を認めず、単位を認定しません)。 |
その他(質問・相談方法等) |
決して楽ではないけれど、明るい雰囲気のなかで、活発に意見を交換できるゼミにしたいと願っています。質問や相談は、メールにて受け付けるほか、研究室でも応対します。(後者の場合、事前に在室時間を確認してください。) |
過去の授業評価アンケート |
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