少年法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
少年法
標準年次
3・4
講義題目
少年法
開講学期
前 期
担当教員
葛野 尋之  
単位数
4単位
教  室
プラザ2
科目区分
展開科目
履修条件
 とくにないが、刑法、刑事訴訟法を履修したか、履修中であることが望ましい。また、刑事政策についても同じ。「望ましい」というのは、絶対履修していないと駄目だ、という意味ではない。
授業の目的
 少年法の基本的な考え方や制度、手続について理解すること。それをもとに、反対意見にも配慮しつつ、少年法をめぐる現代的問題について、自己の見解を形成すること。その見解を、他者が理解できるように伝達すること。
授業の概要・計画
前半4日(各日5コマ)は、講義形式の授業を基本とする。
 1日目 少年法の基本的性格、歴史、少年法の目的、「非行」概念、少年非行の概況、捜査・発見手続
 2日目 家裁の調査・観護措置、家裁の審判、保護処分の決定、保護処分
 3日目 少年冤罪事件の構造、適正手続の保障、適正手続をめぐる諸判例、被害者配慮と被害者参加
 4日目 弁護士付添人の役割、少年の刑事裁判と刑罰、少年事件報道

 後半2日(各日5コマ)は、3つの意見の対立する重要テーマについて、受講者を割り振り、ミニ・ディベイトを行う。予定しているテーマについては、「4.授業の進め方」を参照。
 5日目 各グループに分かれて、ミニ・ディベイトの準備
 6日目 ミニ・ディベイト、最終試験
授業の進め方
 前半1〜4日は、講義形式の授業を基本とする。適宜、視聴覚教材を活用する。

 前半4日終了時、ミニ・ディベイトの担当テーマを決めて(賛否いずれのグループに入るかは決めない)、後半開始までに、そのテーマについて、各人、リポートを作成する。リポートの要領は授業中に伝達するが、(1)テーマの整理・確認、(2)自己の結論、(3)その論拠、(4)反対意見とその論拠、(5)それに対する反駁、(6)結論の確認、という構成とする。
 ミニ・ディベイトについて予定しているテーマは、(1)少年審判の被害者傍聴・意見陳述制度の是非、(2)行為時16歳以上の少年の故意犯罪による被害者死亡事件について原則刑事処分とすることの是非、(3)少年事件について実名・顔写真など本人推知報道を禁止することの是非、である。

 後半の5日目には、各人のリポートをもとに、グループごとに、ミニ・ディベイトの準備をする。
 6日目には、ミニ・ディベイトを実施し、担当グループ以外のグループが「判定」を行う。その「判定」にも理由を付ける。最終時間に筆記形式の最終試験を行う。出題は、ミニ・ディベイトのテーマからの選択とする予定。

 このような進め方をするので、授業に毎回出席する人に履修してもらいたい。一部出席できない事情のある人は、事前に、または授業初日に相談してほしい。もちろん、病気欠席などを認めないということではない。
教科書・参考書等
 教科書は使用しない。講義形式の授業については、レジュメを配布する。
 資料を適宜配布し、また指示する。
 法学セミナー連載の武内謙治「少年法の基礎」、斉藤豊治=守屋克彦編『コンメンタール・少年法』(現代人文社、2012年)を参照書とする。
成績評価の方法・基準
ミニ・ディベイトのテーマについての中間リポート:40%
ミニ・ディベイトへの貢献その他平常点:20%
最終試験:40%
その他(質問・相談方法等)
日程:9/8(月)〜9/11(木) 9月22日(月),9月24日(水)
過去の授業評価アンケート