中国法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
中国法
標準年次
3・4
講義題目
現代中国法概論
開講学期
前 期
担当教員
西 英昭
単位数
4単位
教  室
302
科目区分
展開科目
履修条件
 特にありません。講義は日本語で行いますので、中国語はできなくても問題ありません。逆に中国語を母語とされる方で参加を希望される場合は、十分な日本語能力を身につけた上でご参加ください。
 なお、今年度(2014年度)は開講しますが、来年度(2015年度)についてはお休みさせていただく予定です。各自の履修計画の参考にしてください。
授業の目的
 過去最悪とも言われる昨今の日中関係ですが、このような状況下であるからこそ皆さんが気をつけなければならないことは、中国についてまず「正しく知る」ことです。無知であることが疑心暗鬼を生み、負の言説が増加するという悪循環からまずは距離を取らなければなりません。我々にとって中国を正確に理解することは日に日にその重要性を増しています。他方でその正確な理解がこれほどまでに困難な国もありません。
 講義では中華人民共和国法を中心に見てゆくことにしたいと思います。中華人民共和国法は日本法とは全く異なる諸前提の下に展開する法制ですので、日本法を学んだ感覚で「まあ似たようなもんだろう」と無防備に踏み込むと大ケガをします。中国という地域を見てゆくにあたっての様々な「お約束」についてきちんと学び、中華人民共和国という我々とは全く異なる法制の基礎を身に着けることを目的とします。
授業の概要・計画
 中華人民共和国の主要な法制度について解説を行います。日本とは社会体制を全く異にする中華人民共和国法については、その前提である社会主義という言葉や、ここ半世紀の中国の歴史が全く身近ではない世代の皆さんにとって、相応の時間をかけて話を聞かなければ全く分からない、というものでもあろうかと思います。これについては相応の時間を割いて丁寧に解説したいと思います。
 また中国法の各分野についても、基本的な情報を整理し、特有の理念については詳しく解説したいと思います。対象は様々な法分野に及びます。日本法で対応する法分野の講義をまだ履修していないので基本知識がなくて心配だという方にもわかりやすいように説明をしたいと思います。
 また現代中国法についての初歩的なリサーチ方法についても紹介し、初歩的な調査なら独力でできる程度の水準を身につけてもらいます。中国法務に興味のある方にはきっと役立つことでしょう。実務についてもその初歩を確認しておきたいと思います。
 講義ではもちろん法律に関する話が中心にはなりますが、合わせてその法の背後にある中国社会を理解するための「小話」もなるべく多く取扱いたいと思います。
 なお過去の講義では台湾法をあわせて扱ってきましたが、中華人民共和国法に関する情報は年々増加しており、4単位で両方を扱うのが困難になりつつありますので、今年は中華人民共和国法のみを扱う予定です。台湾法について興味のある方が一定数あるようであれば別途対応を考えたいと思いますので遠慮なくお知らせください。
授業の進め方
 レジュメ・参考資料などは配布します。通常の講義形式をとります。なお講義の中で数回アンケートをとり、質問や希望を受け付けます。特にこの分野の話を重点的に聞きたいという希望のある方はこのアンケートを通じて、または講義の中で申し出ていただければ、可能な限り応じます。なるべく双方向的な授業を行いたいと思いますので、希望はどしどし出してください。
教科書・参考書等
 教科書として特に指定するものはありませんが、関心のある方のために以下の書籍を掲げておきます(購入しなければならないということではありません)。なお必ず最新版を手に取るようにしてください。これ以外の参考文献については講義の中で適宜紹介します。

 木間正道・鈴木賢・高見澤磨・宇田川幸則『現代中国法入門〔第6版〕』(有斐閣・2012)
 小口彦太・田中信行『現代中国法〔第2版〕』(成文堂・2012)
 射手矢好雄・石本茂彦『中国ビジネス法必携2012』(ジェトロ・2012)
成績評価の方法・基準
 試験により評価します。
その他(質問・相談方法等)
 質問のある方は講義終了後に受け付けます。また研究室を訪ねて下さっても構いませんが、不在の場合もあるので事前に連絡をいただければ幸いです。メールアドレスはh-nishiのあとに@law.kyushu-u.ac.jpです。
過去の授業評価アンケート