法政基礎演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
法政基礎演習
標準年次
2
講義題目
刑事実務演習
開講学期
前 期
担当教員
高平奇恵  
単位数
2単位
教  室
307
科目区分
入門科目
履修条件
●開講前に、南野 森(編)『ブリッジブック法学入門』(信山社)の第1章から第5章まで、及び、第10章を再読すること。
●開講前に、刑事訴訟法の基本書を1冊、通読しておくこと
基本書は各自が使用するもので差し支えないが、参考図書は以下のとおり。
白取祐司『刑事訴訟法[第7版]』(日本評論社)
福井厚『刑事訴訟法 [第7版]』(有斐閣)
田中開=寺崎嘉博,=長沼範良『有斐閣アルマ 刑事訴訟法 [第3版]』(有斐閣)
田口守一『刑事訴訟法[第6版]』(弘文堂)
池田修=前田雅英『刑事訴訟法講義[第4版]』(東京大学出版会)
授業の目的
●法政基礎演習2の共通目標
 この授業科目は、少人数のゼミ形式により、2年後期から本格的に始まるより高度な学習へ向けての橋渡しの教育を行う目的で開講されるものである。具体的には、(1)リサーチ・分析能力、(2)ディスカッション・プレゼンテーション能力、(3)レポート・論文作成能力、という、将来どのような進路をとっても必ず要求される能力の伸張を目指す。
●本演習の目的
実務で問題になることの多い論点に関する判例検討を通して、実務法曹に特に必要とされる、事案分析能力、ディスカッション能力及びプレゼンテーション能力の涵養を重点的な目的とする。
授業の概要・計画
第1回はオリエンテーションとする。

第2回以降は、担当者による報告、及び、全員参加による議論を行う。

1 刑事訴訟法の目的
  刑事裁判で「真実」は明らかになるか。
2 当事者の役割
  法曹三者は刑事裁判でどのような役割を果たすか。
  ○弁護人の義務(最判平17・11・29刑集59-9-1847)
3 捜査(1)
  強制処分法定主義、令状主義
○職務質問のための実力の行使(最決平6・9・16刑集48-6-420)
○所持品検査(米子銀行強盗事件、最判昭53・6・20刑集32-4-670)
4 捜査(2)
  弁護人依頼権と接見交通権
  ○接見交通(最判平11・3・24民集53-3-514、最判平12-6-13民集54-5-1635)
5 公判(1)
  公判手続の流れ概観
  映画「それでもボクはやってない」鑑賞
6 公判(2)
  映画「それでもボクはやってない」鑑賞
7 証拠(1)
  自白
  ○約束による自白(最判昭41・7・1刑集20-6-537)
8 証拠(2)
  伝聞法則
  ○伝聞の意義(東京高判昭58-1-27判時1097-146)
 9回目以降のテーマは、受講者の希望を聞いた上で設定する。9回目以降に、福岡地方裁判所での裁判傍聴を予定している。
なお、少なくとも上記の判例を取り上げる予定であるが、証拠開示に関する最決平20・6・25刑集62-6-1886のほか、受講者に具体的に報告を希望する判例がある場合には、検討の上、取り上げることもある。
授業の進め方
演習形式で行う。
担当者が、30分程度の報告を行う(レジュメは必ず事前に提出する)。
その後、参加者全員参加による議論を行う。
司会は、報告担当者がする。

教科書・参考書等
適宜指示する。

参考図書
『刑事訴訟法判例百選[第9版]』(別冊ジュリストNo203)
『新実例刑事訴訟法T〜V』(青林書院)
『法科大学院ケースブック刑事訴訟法[第2版]』 (日本評論社)
『ケースブック刑事訴訟法[第4版]』 (有斐閣)
成績評価の方法・基準
出席状況、報告内容、及び議論への参加度によって評価する。
実務法曹としての能力を涵養することを目的としていることから、議論への参加度、発言内容を特に重視する。
その他(質問・相談方法等)
質問・相談に関しては、随時メールで受け付ける。
takahira[アットマーク]law.kyushu-u.ac.jp
※[アットマーク]は@に置き換えて送信してください。
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