行政法演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
行政法演習
標準年次
3・4
講義題目
最新重要行政法判例を読む
開講学期
通 年
担当教員
村上 裕章
単位数
4単位
教  室
207
科目区分
展開科目
履修条件
行政法T(行政過程論)を受講していることが必要です(単位取得の有無は問いません)。
この演習と並行して、前期に開講される行政法U(行政救済論)を受講することを推奨します。
授業の目的
「考える力」「書く力」「議論する力」を高めることがこの演習の目的です。法律学を学ぶ上では、基礎的な概念や考え方を理解し、時には記憶することも重要なステップではあります。しかし、変化の激しい現代社会においては、大学で学んだ知識はすぐに古くなってしまいます。社会に出た後に皆さんが遭遇する様々な問題を解決するためには、いろいろな情報源から情報を収集し、分析し、自分の見解をまとめ、それを効果的にプレゼンテーションし、議論する力を、在学中に身につけておくことが重要と考えます。この演習では、行政法に関係する問題を素材に、こうした能力を伸ばすことを最大の目的としています。
授業の概要・計画
<前期>
行政法の分野においては、近時、注目すべき判決が次々と現れています。そこで前期では、最近の判例のうちから特に重要なものを取り上げて、議論したいと考えています。この作業を通してゼミ生の一人一人の「考える力」「議論する力」を高めることを目標としています。授業の計画は以下の通りです。取り上げる判例は現時点での予定で、変更する可能性があります。

第1回 オリエンテーション
第2回 専門技術的裁量:伊方原発訴訟
第3回 判断過程の統制:呉市学校施設目的外使用不許可事件
第4回 理由付記:一級建築士免許取消事件
第5回 公定力:冷凍倉庫事件
第6回 違法性の承継:東京都建築安全条例事件
第7回 行政契約:福間町公害防止協定事件
第8回 司法的執行:宝塚市パチンコ条例事件
第9回 処分性:浜松市土地区画整理事業計画事件
第10回 原告適格:小田急訴訟
第11回 差止訴訟:教職員国旗国歌訴訟(予防訴訟)
第12回 公法上の確認訴訟:在外国民選挙権訴訟
第13回 国家賠償責任の主体:積善会児童養護施設事件
第14回 規制権限不行使:関西水俣病訴訟
第15回 損失補償:都市計画制限損失補償事件

<後期>
後期はゼミ論文を執筆します。自分の興味・関心に応じてテーマ(行政法に関係するものに限りません)を選択し、様々な情報源を利用して調査を行い、自分なりの解決策をまとめていく過程で、「考える力」「書く力」「議論する力」の向上を図ります。テーマについては、学生サロンに置かれている過去のゼミ論文集を参考にしてください。
授業の進め方
担当者がテーマについて報告を行い、それを素材に参加者全員で議論します。前期はグループごとの報告、後期は個人での報告を予定しています。その他、受講者の希望に応じて、ゼミ合宿・合同ゼミ・裁判傍聴・行政機関の見学などを行うことも考えています。
教科書・参考書等
ゼミの冒頭で紹介します。さしあたり、行政法の教科書を読み返しておいてください。
成績評価の方法・基準
演習における報告・議論と、年度末に作成するゼミ論文集に掲載する論文により評価します。出席は当然の前提です。無断欠席した場合には、以降の演習への出席は認めず、単位を認定しません。
その他(質問・相談方法等)
大学時代の4年間は、人生の中でもっとも能力が伸びる時期の一つです。ゼミ論文を執筆するためにはそれなりの努力が必要ですが、書き上げることによって確実にパワー・アップすることができます。本演習の目的に共感し、大学時代で何かを達成しようと望んでいる、意欲的な諸君の参加を期待しています。
過去の授業評価アンケート