履修条件 |
●履修条件はありません。 ●「アジア政治論(金2)」と「アジア政治論特殊講義(火3)」は、別々の授業です。いずれか一方だけでも、両方履修されても構いません。参考までに両講義の異同は以下の通りです。
【アジア政治論(金2)】 近現代の日本の国際社会論に着目し、日本の国際政治論・国際関係論において国際社会やアジアが如何に位置づけられてきたのか、その意義と限界を学びます(対象とするのは明治期から戦後にかけての議論です)。
【アジア政治論特殊講義(火3)】 日本だけでなく、韓国、中国、台湾、ASEAN等の事例を踏まえて東アジアにおける地域主義と市民社会を学びます(対象とするのは1990年代以降から現代にかけてです)。
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授業の目的 |
本講義では日本の国際関係認識に着眼し、とくに「国際社会」と「東アジア」をめぐって如何なる政治構想が提起されて来たのかを考察し、日本から見たアジア政治論の意義と限界を検討したいと思います。現在ではもはや疑わしい限りですが、日本は「非欧米圏で近代化に成功した唯一の国」であり、したがって日本だけが「東洋と西洋の両文明を俯瞰し、架橋することができる」、と信じられていた時代がかつて存在していました。こうした認識は、多くの場合、「欧米/アジア/日本」という驚くほど単純な文明理解に支えられていました。本講義ではこうした日本の国際関係認識の系譜を、国際社会論の一類型として捉え、日本の国際関係理解の一助としたいと思います。 |
授業の概要・計画 |
1. 西欧の衝撃と文明開化(4回)*DVD視聴を含む 【キーワード】文明化、国権論と民権論、社会進化論、経済的帝国主義 【対象】久米邦武、福沢諭吉、徳富蘇峰、中江兆民、陸羯南
2. 東西文明調和論の位相(2回) 【キーワード】東西文明調和論、東洋モンロー主義、汎亜細亜主義 【対象】内村鑑三、新渡戸稲造、岡倉天心、大隈重信、徳富蘇峰、鹿島守之助
3. 投企としてのアジア主義(3回)*DVD視聴を含む 【キーワード】殖民政策学、アジア主義と帝国主義、日本主義、天皇機関説(国体明徴運動) 【対象】矢内原忠雄、頭山満、宮崎滔天、九鬼周造、和辻哲郎
4. アジア主義の国際秩序(2回) 【キーワード】軍事的アジア主義、東亜協同体論、大東亜国際法、リアリズムと地域主義、 【対象】近衛文麿、北一輝、石原莞爾、三木清、安井郁、田畑茂二郎
5. 戦後アジア論の形成(2回) 【キーワード】抑圧の移譲、「である」社会と「する社会」、文明の生態史観、方法としてのアジア、空気の研究 【対象】丸山眞男、梅棹忠夫、竹内好、鶴見良行、山本七平
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授業の進め方 |
講義形式で、レジュメを配布します。 |
教科書・参考書等 |
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成績評価の方法・基準 |
中間レポート(50点)と期末試験(50点)を合算し、60点以上の履修者に単位を認定します。中間レポートはA4で3枚程度、期末試験は短答+論述(持ち込み可)の予定です。 |
その他(質問・相談方法等) |
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過去の授業評価アンケート |
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