履修条件 |
日本外交に関心のある方 |
授業の目的 |
本授業は、日本外交の歴史過程を考察し、現代の日本外交に対する理解を深めることを目的としている。現在、日本外交をめぐっては、日中関係や日韓関係といったアジア外交、日米関係のあり方、および北方領土問題など多くの論点がある。それらの論点は過去の日本外交と国際政治の延長上にあるため、現代外交を理解するためには、過去の日本外交の内容を分析することが重要となる。現代外交がどうあるべきかを考えるためには、過去にどのようなことがあったかを正確に知る必要があると言えよう。このことを踏まえながら授業では、日本外交史の重要局面に焦点をあてていくことにしたい。
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授業の概要・計画 |
授業では、日本外交に関する以下の重要局面と争点・論点を中心に取り上げ、検討する。前半部分では、江戸時代末期から第二次世界大戦までの時期を取り上げ、後半部分では、第二次世界大戦後の日本外交を取り上げる。最後にポスト冷戦期の日本外交について論じる。授業では、日本外交に影響を及ぼした、各時代の国際政治状況と国内の政治状況についても論及する。
(1)日本外交史における目的と分析 (2)近代の東アジアの国際環境と日本 (3)明治国家の形成――近代日本外交の出発 (4)日清戦争・日露戦争 (5)第一次世界大戦とワシントン体制の成立 (6)アジア太平洋戦争 (7)講和交渉――戦後外交の基本路線の決定 (8)日ソ国交回復――残された北方領土問題 (9)安保改定――日米の対等性のあり方をめぐって (10)池田政権期の日本外交――経済外交の展開と日本の先進国入り (11)沖縄返還交渉 (12)日中国交正常化 (13)デタントと日本外交――大平正芳の外交構想 (14)中曽根外交の展開――冷戦期の日本外交の帰結点 (15)冷戦終結と日本――湾岸戦争は何をもたらしたのか (16)ポスト冷戦期の日本外交 (17)現代外交の争点――「何があったか」から「何があるべきか」へ
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授業の進め方 |
授業で配布する資料に基づき、授業を進める。 |
教科書・参考書等 |
【参考図書】 五百旗頭真編『戦後日本外交史 第3版補訂版』(有斐閣、2014年)。 国分良成・添谷芳秀・高原明生・川島真『日中関係史』(有斐閣、2013年)。 川島真・服部龍二編『東アジア国際政治史』(名古屋大学出版会、2007年)。 中島琢磨『現代日本政治史3 高度成長と沖縄返還 1960-1972』(吉川弘文館、2012年)。 中島琢磨『沖縄返還と日米安保体制』(有斐閣、2012年)。 そのほか参考図書については授業の中で紹介する。
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成績評価の方法・基準 |
授業中に実施する論述試験と、出席点から評価する。 |
その他(質問・相談方法等) |
日程:8/7(木)〜8/8(金),8/11(月) 12/24(水)〜12/26(金) |
過去の授業評価アンケート |
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