履修条件 |
民法に関心があり,民法を学ぶ意欲があること。 |
授業の目的 |
この演習の目的は,財産法の重要判例を検討することを通して,これから始まる法律学の学習に必要となる能力を修得することです。判例はその時々の社会の実態を反映する「生きた民法」と言うことができますが,@判例はなぜそのように判断しているのか,A学説はその判例をどのように評価しているのか,それを批判しているとすればそれは何故なのか,といった問題について全員で考えることで,判例の読み方や法解釈の基礎作法を修得するとともに,民法学の面白さや奥深さを感じてもらいたいと考えます。 |
授業の概要・計画 |
【授業の概要】 民法典は1044の条文からなる非常に大きな法典です。しかし,その施行から既に百年以上が経過しており,制定当時には想定されていなかった新たな問題が次々と発生しているため,法律家は常にそれらの問題に対処することを迫られています。そこで,本演習では,民法の財産法分野の重要判例とそこで扱われている論点に詳細な検討を加えながら,判例と学説のそれぞれの役割について考えていきます。
【授業の計画】 〇第1回 参加者全員が自己紹介を行った後,各回の報告を担当する班を作成し,報告する判例を決定します。その後,必要な資料の探し方やレジュメの作り方をはじめとする報告に際して必要となる技術について担当教員が講義します。なお,判例は,教科書欄に掲げている民法判例百選I・IIに収録されているものから選択し,全員に少なくとも2回の報告を担当してもらう予定です。
〇第2回〜第15回 担当班による報告の後,参加者全員で報告されたテーマについての検討を行います。
〇夏期休業中 報告と議論の結果を踏まえて,報告したテーマに関するレポートを参加者全員に提出してもらいます。
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授業の進め方 |
(1)報告の準備 各回の担当班は,報告日までに,判例及び関連する文献を収集してそれらを精読し,報告レジュメを作成してください。報告班以外の演習参加者も,当該判例,及び,任意の教科書の関連部分を読んでおくようにしてください。
(2)演習日 最初に,報告班が判例の内容や関連する法制度について説明し,何が問題となっているのかを明らかにして下さい。その後,その問題について全員で考えながら,問題を深く掘り下げていきます。報告内容を理解するために必要な知識等については,適宜,担当教員が補います。なお,毎回,報告班以外から司会者を指名しますので,事前の予習を怠らないでください。
(3)夏期休業中 各自が報告したテーマに関する五千字程度のレポートを提出してもらいます。
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教科書・参考書等 |
【必携】 ・潮見佳男・道垣内弘人編『民法判例百選T 総則・物権 第7版』(有斐閣,2015) ・中田裕康・窪田充見編『民法判例百選U 債権 第7版』(有斐閣,2015) ・六法(小型のもので構いません)
【参考図書】 ・南野森編『ブリッジブック法学入門〔第2版〕』(信山社,2013年) ・南野森編『法学の世界』(日本評論社,2013年) ・池田真朗編『判例学習のAtoZ』(有斐閣,2010)
※必要な文献については適宜指示します。
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成績評価の方法・基準 |
・成績評価は以下の割合で行い,それぞれ,括弧内の要素を重視します: 受講態度30%(議論に積極的に参加しているか) 報告内容30%(準備を入念に行っているか) レポート40%(十分な数の文献を参照しているか,引用方法は適切か) ・やむを得ない場合を除いて,無断で演習を欠席した場合には単位を認定しません。
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その他(質問・相談方法等) |
・質問等はメールで随時受け付けます。 ・面談を希望する場合には,事前にアポイントを取ってください。
【科目コード:LAW-LAW1911J】
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過去の授業評価アンケート |
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