履修条件 |
多少なりとも歴史史料に触れる意欲があること。日本史の前提知識は問いません。 |
授業の目的 |
法システムが先行き不透明な激変の渦中に置かれている現在、却ってその原点を確認する作業は重要性を増しているといえます。現代に通ずるものと通じないもの、そしてそこから学びうるものは何かについて、当時の法文や裁判記録等の歴史史料に直接触れつつ考えてみたいと思います。 |
授業の概要・計画 |
明治時代以降のいわゆる西洋近代法継受の前提となったにもかかわらず、兎角誤解されがちな江戸時代を中心に、そこから明治時代初期において、「法」「制度」「秩序」がどのように構想され、いとなまれていたのかを、裁判制度をひとつの柱として論じます。 主なテーマは以下の予定ですが、受講者の関心等により変更もありえます。 (1)法制史の課題と学説史 (2)近世〜近代初期の「律系法典」─法の存在形態と継受の諸相 (3)江戸時代の刑事裁判手続と刑罰 (4)明治初年刑事法史 (5)江戸時代の民事裁判手続 (6)近世的民事紛争解決制度の問題と近現代への展望 |
授業の進め方 |
基本的に通常の講義形式を取ります。歴史史料(こちらで準備の上配付します)にある程度じっくり触れ、史料の読解を通じて当時の人々の思考を追体験することもこの講義の大きな目的ですので、前近代の文章など凡そ見たくない、という方には、あるいは苦痛かもしれません。ただ、取り組む意欲さえあれば前提知識は問いませんし、質問は歓迎します。 |
教科書・参考書等 |
平松義郎『江戸の罪と罰』(平凡社、1988年) 旧事諮問会編『旧事諮問録(上)(下)』(岩波書店、1986年) これ以外の参考文献については授業中に紹介します。 |
成績評価の方法・基準 |
試験により評価します。場合によっては小レポートを課すこともありえます。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義終了後、及びオフィスアワーに受け付けます。 |
過去の授業評価アンケート |
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