グローバルなパワーシフトが昨今、議論されてきているが、その焦点は2つある。1つは冷戦後のアメリカ一極集中の時代を経て生じてきている、国家間のパワーバランスが変化している事実。もう1つは、パワーが国家アクターによって独占されるものではなく、非国家アクターへとパワーが分散してきている状況。パワーシフトを語る上で、アジアの展開を無視するわけにはいかない。 本講義は、国際政治経済論をベースに、アジア太平洋の地域としての構造について、国家間の経済連携や地域協力の文脈でアプローチするものである。日本は、アジアの中でどのような位置にいるのか。アジアにおける中国の存在はどのようなものになってきているのか。APECはどのような役割を果たしてきたのか。あるいはAPECは既に機能不全に陥っているのか。ASEAN+3や東アジアサミットはどう動いてきているのか。TPPはアジア太平洋地域の構造にどのような影響を与えるのか。 具体的な授業計画については、授業の冒頭で説明する。
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