行政法演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
行政法演習
標準年次
3・4
講義題目
行政情報法を学ぶ
開講学期
通 年
担当教員
村上 裕章
単位数
4単位
教  室
209
科目区分
展開科目
履修条件
行政法T(行政過程論)を受講していることが必要です(単位取得の有無は問いません)。この演習と並行して、前期に開講される行政法U(行政救済論)を受講することを推奨します。
授業の目的
「考える力」「書く力」「議論する力」を高めることがこの演習の目的です。法律学を学ぶ上では、基礎的な概念や考え方を理解し、時には記憶することも重要なステップではあります。しかし、変化の激しい現代社会においては、大学で学んだ知識はすぐに古くなってしまいます。社会に出た後に皆さんが遭遇するさまざまな問題を解決するためには、いろいろな情報源から情報を収集し、分析し、自分の見解をまとめ、それを表現し、相手に対して説得的に説明し、議論する力を、在学中に身につけておくことが重要と考えます。この演習では、行政法に関係する問題を素材に、こうした能力を伸ばすことを最大の目的としています。
授業の概要・計画
<前期>
行政法Tで学んだように、現代社会においては、情報公開や個人情報保護の重要性がますます高まっています。最近でも、番号制度、特定秘密保護法、ビッグデータの活用などが激しい議論の的となっています。そこで前期には、行政情報法(情報公開・個人情報保護)に関する重要問題を取り上げて、議論したいと考えています。この作業を通してゼミ生の一人一人の「考える力」を高めることを目標とします。具体的な計画は以下の通りです(参加人数によっては変更の可能性もあります)。

第1回 オリエンテーション・模範報告
第2回 情報公開と個人情報保護の関係
第3回 個人情報
第4回 法人等情報
第5回 国家安全情報・公共安全情報
第6回 審議検討情報・事務事業情報
第7回 部分開示・文書不存在
第8回 存否応答拒否・権利濫用
第9回 情報公開争訟
第10回 情報公開法の改正
第11回 特定秘密保護法
第12回 本人情報の開示請求
第13回 本人情報の訂正請求
第14回 住基ネットと番号制度
第15回 ビッグデータの活用と個人情報保護

<後期>
後期はゼミ論文を執筆します。自分の興味・関心に応じてテーマ(行政法に関係するものに限りません)を選択し、さまざまな情報源を利用して調査を行い、自分なりの解決策をまとめている過程で、「考える力」「書く力」「議論する力」の向上を図りたいと思います。テーマについては、学生サロンにおかれている過去のゼミ論文集を参考にしてください。
授業の進め方
担当者がテーマについて報告を行い、それを素材に参加者全員で議論します。前期はグループごとの報告、後期は個人での報告を予定しています。その他、受講者の希望に応じて、ゼミ合宿・合同ゼミ・裁判の傍聴・行政機関の見学などを行うことを考えています。
教科書・参考書等
ゼミの冒頭で紹介します。さしあたり行政法の教科書の情報公開・個人情報保護の箇所を読んでおいてください。
成績評価の方法・基準
演習における報告と、年度末に作成するゼミ論文集に掲載する論文により評価します。出席は当然の前提です。無断欠席した場合には、以降の演習への出席は認めず、単位を認定しません。
その他(質問・相談方法等)
大学時代の4年間は、人生の中でもっとも能力が伸びる時期の一つです。ゼミ論文を執筆するためにはそれなりの努力が必要ですが、書き上げることによって確実にパワー・アップすることができます。本演習の目的に共感し、大学生活で何かを達成したいと望んでいる、意欲的な学生の参加を期待しています。
過去の授業評価アンケート