政治学史演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
政治学史演習
標準年次
3・4
講義題目
デモクラシーと教養の政治学
開講学期
通 年
担当教員
木村 俊道
単位数
4単位
教  室
206
科目区分
展開科目
履修条件
◆時代に流されることなく、ふと立ち止まり、「政治」や「法」の問題を深く地道に考えてみたいと思った方。
◆あるいは、一人で読むのは難しい「古典」に挑戦してみたい方、学問的な「基礎」をしっかり身につけたい方など。サブゼミ希望者やオブザーバーも歓迎します。
授業の目的
◆本演習では、古代ギリシアの時代から育まれてきた政治学や法学の「古典」や「名著」と対話する作業を通じて、時代の表層に惑わされることなく、自分の頭でものを考える力をつけることを目指します。

◆あるいは、以下のような学問的な「わざ」を磨くこと。
@現代社会における、「デモクラシー」「自由」「国家」「権力」「公共性」「法の支配」などをめぐる諸問題を深く掘り下げ、原理的に考察するための、基礎的な知識と思考力。
Aテクストの高度な読解能力、論理的な思考能力、問題発見能力、論文作成能力などの、高年次の学生に相応しいアカデミックな「型」や「技術」。
B現代を生きる市民に必要とされる、政治的な「教養」や「技芸」。

※「アカデミーというのは、まさに、学問の型をしつける場所なんです」(丸山眞男『座談』7:122)
授業の概要・計画
【古典講読】
◆今年度は、「リベラル・デモクラシー」や「教養」の原像を探ることを目的として、以下のテクストを候補に考えています。いずれも、政治学のクラシックであり、これを読まずに卒業してはいけない重要な作品です。

・ロック『統治二論』岩波文庫、2010
・ルソー『社会契約論』岩波文庫他
・ハミルトン/ジェイ/マディソン『ザ・フェデラリスト』岩波文庫、1999
・トクヴィル『アメリカのデモクラシー』全4冊、岩波文庫、2005-2008

◇過去のゼミでは以下のテクストを講読しました。
・2014年度
 マキァヴェッリ『ディスコルシ』ちくま学芸文庫、2011
 丸山眞男『政治の世界』岩波文庫、2014
・2013年度
 バジョット『イギリス憲政論』中公クラシックス、2011
 トクヴィル『旧体制と大革命』ちくま学芸文庫、1999
・2012年度
 丸山眞男『丸山眞男セレクション』平凡社ライブラリー、2010
 丸山眞男『忠誠と反逆』ちくま学芸文庫、1998
・2011年度
 福沢諭吉『学問のすすめ』岩波文庫、改版1978
 福沢諭吉『文明論之概略』岩波文庫、1995
 オルテガ『大衆の反逆』ちくま学芸文庫、1995
・2010年度
 トクヴィル『旧体制と大革命』ちくま学芸文庫、1999
 J.S.ミル『自由論』岩波文庫

【ゼミ論文】
◆本演習で文献講読と並んで力を入れているのが、論文の執筆とゼミ論集の発行です。ただし、サブゼミの方は、書評などのゼミ論以外の選択も可能です。

◇参考までに、昨年度のゼミ論と書評のテーマは以下の通りです。
 「アレントにおけるギリシア悲劇とポリス」/「キムリッカの多文化主義」/「オルテガにおける大衆と暴力」/「ハイエクの議会改革論」/「クリックの政治哲学とシティズンシップ教育論」/「ロックの自然権思想」/「ルソーにおける政治と孤独の関係」/「佐久間象山と西洋技術」/「ウェーバーの官僚制論」/「自由の本質と主体性の限界」/「リップマン『幻の公衆』」/「ベッカリーア『犯罪と刑罰』」

授業の進め方
◇毎回テクストの範囲を決め、担当者の報告をもとに参加者全員で討論します。
教科書・参考書等
【テクスト】
・授業概要・授業計画を参照。
【参考図書】
・木村俊道『文明と教養の<政治>―近代デモクラシー以前の政治思想』講談社選書メチエ、2013
・岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学−古典・名著への誘い』ミネルヴァ書房、2008
成績評価の方法・基準
@ゼミ論文(もしくは書評等)および、A通常のゼミに対する取り組み方(報告や討論への参加、ゼミ運営への貢献等)により総合的に評価します。
その他(質問・相談方法等)
【ゼミ見学】
・オープンゼミ期間以外でも随時見学可能です(19時頃まで)。

【その他】
・政治学史基礎や政治学史(政治理論発展)、政治外国書講読を併せて受講することが望まれます。
・在室時は随時訪問可能です。なんでも、お気軽にご相談ください。
過去の授業評価アンケート