平和研究

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
平和研究
標準年次
3・4
講義題目
アメリカ・ユダヤ人とパレスチナ問題
開講学期
前 期
担当教員
池田有日子  
単位数
4単位
教  室
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Peace Studies
Course Overview
履修条件
 特になし
授業の目的
 近代におけるユダヤ人の国家、民族にまつわるアイデンティティや彼らが置かれた状況をフォローしつつ、彼らのパレスチナに対する対応を検証することで、パレスチナ問題発生の過程を明らかにし、紛争発生のメカニズムを理解するとともに、パレスチナ問題の構造を理解することで安定的な秩序形成のためのオールタナティブを考える。
授業の概要・計画
 本講義では、まず第一にパレスチナでユダヤ人国家を建設することを目指したシオニスト運動がヨーロッパで成立した過程を扱う。次19世紀末から1948年ユダヤ人国家イスラエル建国に至までの期間におけるアメリカのシオニスト運動を展開とそのパレスチナへの対応を検証する。アメリカを舞台とする理由は@ユダヤ人国家イスラエル建国にあたってアメリカ政府の、そしてその政府に圧力がかけたアメリカ・ユダヤ人の動向が重要であること、A民主主義といった西欧の普遍的理念をナショナリズムの根幹に据えているアメリカのシオニスト運動を対象とすることで、パレスチナ問題を西欧発の政治枠組みの問題としてとらえなおすことが可能であること、B離散の地アメリカのユダヤ人の国家、民族にまつわる複雑で錯綜するアイデンティティや立場を描くことができることであった。次にイスラエル建国によってパレスチナ・アラブ人の虐殺、難民化といったパレスチナ問題が起こり、第一次中東戦争、第二次中東戦争、第三次中東戦争、第四次中東戦争を経て、1987年にパレスチナ人の民衆蜂起であるインティファーダが起こって、中東和平プロセスが始まり、それがとん挫するまでを扱う。最後にパレスチナ問題の解決や安定的秩序形成にあたってのオールタナティブについて考えたい。
授業の進め方
 レジメに沿って、時系列的にアメリカ・ユダヤ人の動向とパレスチナ問題の発生と展開をみていくこととする。
教科書・参考書等
 参考図書:高橋和夫『新版 第三世界の政治 パレスチナ問題の展開』放送大学教育振興会、2001年。
成績評価の方法・基準
 最終日最終コマで論述形式の筆記試験を行う。
その他(質問・相談方法等)
 なし
事前/事後学修