地方自治法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
地方自治法
標準年次
3・4
講義題目
地方自治法制度の概要
開講学期
前 期
担当教員
田中(孝 男) (TANAKA T.)
単位数
2単位
教  室
102
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
LAW-LAW3481J
Course Title
Local Government Law
Course Overview
The purpose of this course is to understand the outline of Japanese Local Government Law.
履修条件
憲法1、憲法2、行政法1の知識を有することを前提とします(履修の有無は問いません)。
授業の目的
この科目は、地方自治法制に関する基本的な事項を習得することを目的としています。
(到達目標)
1)地方自治制度の基本的概要(地方公共団体の種類、組織、地方自治権、事務の分類、住民訴訟制度等)を知る。
2)とくに条例と法律との抵触の問題について、具体的な例に対して、最高裁の判断枠組みなどを用いながら、理論的に筋の通った解釈論を展開できる。
3)その他地方自治法の論点について積極的に問題を発見し、議論をすることができるようになる。
授業の概要・計画
第1回 オリエンテーション
第2回 地方自治権(憲法論と重なる)
第3回 地方自治の要素と地方公共団体の種類
第4回 地方公共団体の事務
第5回 地方自治権の概観(条例制定権を除く)
第6回 条例制定権(1)
第7回 条例制定権(2)
第8回 地方公共団体の機関(1)(議会)
第9回 地方公共団体の機関(2)(執行機関)
第10回 住民の権利と義務(住民監査請求、住民訴訟を中心に)
第11回 地方公共団体間の協力、道州制、特別区制度及び地方公共団体の廃置分合
第12回 国と地方公共団体及び市町村と都道府県の関係(主として関与論)
第13回 地方公共団体の財務と地方財政
第14回 残されている地方自治法上の検討テーマ
第15回 予備
*授業の進度の関係で、第12回以降の授業内容については変更があり得ます。これまでの例ですと、2回分程度遅れる可能性があります。
授業の進め方
 次により、授業を進めます。
(1)第1回授業の参加者に「出席カード」及び全授業回のレジュメ(印刷物)を配布します。出席カードには、受講される方の名前や学籍番号などをお書きください。レジュメは1人1部のみ配布とします。この日の講義に出られなかった人で受講を希望する方は、第2回講義の日のころまでに教員の研究室に来るなどして「出席カード」及びレジュメを受け取って、書いてください。
(2)各授業回にあっては、体系的な内容に関しては皆様の予習を前提として、最初に、その回の範囲に係る事項の質問等を挙げてもらったり、教科書の記述内容に対する疑問等を挙げてもらいます(指名します)。また、事前に配布したレジュメに記載の質問事項に対して、答えとその結論に至る理由を準備しておいてください。質問内容には、司法試験の問題を加工したものなどが含まれます。
(3)第2回授業以降は、出席カードを提出した方の名簿を作成して、その名簿の中から指名して、授業回の範囲に関する質問・疑問を発表してもらったり、レジュメ中の質問に対する答えと理由について発言してもらったり、重要な論点について意見を述べてもらったりします。名簿は、3年生の学籍番号の若い順からとしますので、だいたい自分が指名される場所を把握しておいてください。なお、質問事項や討論のテーマによっては、複数の方の回答・意見をきくことがあります。
(4)参加者にもよりますが、平成27年度並みの参加者であれば、受講者は、少なくとも授業の2回に1度は指名されることになります。受講者が少なければ、1回の授業で複数度指名されることもあり得ます。
教科書・参考書等
(教科書)
宇賀克也『地方自治法概説(第6版)』(有斐閣、2015)
(判例集)指定はしませんが、『地方自治判例百選』や『行政判例百選』(有斐閣)を持っているほうが、予復習には役立つでしょう。
(論文集)
田中孝男『自治体法務の多元的統制』(第一法規、2015)
 本講義における条例論などは、本書の考察を下敷きにして、事例問題などを準備しています。
(地方自治のイメージがわかない人の入門書)
村林守『地方自治のしくみがわかる本』(岩波書店(ジュニア新書)、2016)
 組織法制の説明では具体的な地方自治のイメージがわかない人は、ぜひ、講義開始前に本書を一読しておいてください。 
成績評価の方法・基準
(1)出席者が多くない場合(おおむね20人以下)は、次の基準で、授業でのやり取りなどを総合的に判断して、評価をします。
 A(質問・課題に対して、先行研究を渉猟し、その欠落事項を指摘し、これに対する独創的な私見を提示できる程度にまで、詳細な論理展開を図ることができる)
 B(質問・課題に対して、通説・多数説に対抗する反対説や関連学説等を相当程度まとめ、合理的に自説もまとめることができる)
 C(質問・課題に対して、その当否や水準は別として、一定の合理的説明をすることができる=おおむね、通説・多数説の内容をまとめることができる)
 D(教科書を読んでくるなどして不明事項を抽出して質問できる。教科書の疑問点を指摘する。ただし、インターネット等で容易に分かる事項について疑問点について解消しようとする努力がほとんどなされていない程度の浅い検討にとどまる)
 F(授業を5回以上無断欠席。授業回に指名しても事前予習の形跡がなく、例えば事前課題の答を準備していない)
(2)受講者が多い場合、無断欠席5回以上のFの人を除いて、全員で定期テストをし、相対評価により評価をします。ただし、テスト結果によると、(1)のみであれば得られる自分の評価より下になるときは、(1)の評価にとどめる予定です。
(3)テストの有無については受講者が確定した後、5月中に授業中でアナウンスします。
その他(質問・相談方法等)
・第1回の最初の20〜30分は自己紹介などにあてるため、カードはその後に配布します。
・教科書に対する質問事項について、講義の前に私に送っていただければ、準備ができます。
・適宜、私のホームページに資料などをアップし、事務連絡などをホームページやブログ上で行います。パスワードを要求するものもあります。その場合のパスワードは、第1回授業のときにお知らせします(それよりも前に問い合わせていただければ、受講者となる予定の方であるか確認したうえで、パスワードを連絡します)。
ホームページhttp://jititaihoumupark.web.fc2.com/tanaka/tanakatop.html
なお、レジュメのサンプルは、このホームページに載せているので、受講するか否かの判断の参考にしてください。
事前/事後学修