政治学史演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
政治学史演習
標準年次
3・4
講義題目
デモクラシーと教養の政治学
開講学期
通 年
担当教員
木村 俊道 (KIMURA T.)
単位数
4単位
教  室
305
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
LAW-LAW3911J
Course Title
Democracy and Culture: A Study of the History of Political Thought
Course Overview
Reading classical texts of politics and law (Machiavelli, Locke, Rousseau, Tocqueville, Lippmann, Arendt etc), this course is to examine various political problems in terms of the history of political thought.
履修条件
◆時代に流されることなく、ふと立ち止まり、「政治」や「法」の問題を深く地道に考えてみたいと思った方。
◆あるいは、一人で読むのは難しい「古典」に挑戦してみたい方、学問的な「基礎」をしっかり身につけたい方など。サブゼミ希望者やオブザーバーも歓迎します。
授業の目的
◆本演習では、古代ギリシアの時代から育まれてきた政治学や法学の「古典」や「名著」と対話する作業を通じて、時代の表層に惑わされることなく、自分の頭でものを考える力をつけることを目指します。

◆あるいは、以下のような学問的な「わざ」や「アート」を磨くこと。
@現代社会における、「デモクラシー」「自由」「国家」「権力」「公共性」「法の支配」などをめぐる諸問題を深く掘り下げ、原理的に考察するための、基礎的な知識と思考力。
Aテクストの高度な読解能力、論理的な思考能力、問題発見能力、論文作成能力などの、高年次の学生に相応しいアカデミックな「型」や「技術」。
B現代を生きる市民に必要とされる、政治的な「教養」や「技芸」。

※「アカデミーというのは、まさに、学問の型をしつける場所なんです」(丸山眞男『座談』7:122)
授業の概要・計画
【古典講読】
◆来年度は、今年度に引き続いて、「リベラル・デモクラシー」や「教養」の原像を探ることを目的として、以下のテクストを候補に考えています。いずれも、政治学のクラシックであり、これを読まずに卒業してはいけない重要な作品です。

・ロック『統治二論』岩波文庫、2010
・ルソー『社会契約論』岩波文庫他
・トクヴィル『アメリカのデモクラシー』全4冊、岩波文庫、2005-2008
・リップマン『世論』上下 岩波文庫、1987
・アーレント『人間の条件』ちくま学芸文庫、1994/『革命について』ちくま学芸文庫、1995

◇過去のゼミでは以下のテクストを講読しました。
・2015年度
 ハミルトン、ジェイ、マディソン『ザ・フェデラリスト』福村出版、新装版1998
 バジョット『イギリス憲政論』中公クラシックス、2011
・2014年度
 マキァヴェッリ『ディスコルシ』ちくま学芸文庫、2011
 丸山眞男『政治の世界』岩波文庫、2014
・2013年度
 バジョット『イギリス憲政論』中公クラシックス、2011
 トクヴィル『旧体制と大革命』ちくま学芸文庫、1999
・2012年度
 丸山眞男『丸山眞男セレクション』平凡社ライブラリー、2010
 丸山眞男『忠誠と反逆』ちくま学芸文庫、1998
・2011年度
 福沢諭吉『学問のすすめ』岩波文庫、改版1978
 福沢諭吉『文明論之概略』岩波文庫、1995
 オルテガ『大衆の反逆』ちくま学芸文庫、1995

【ゼミ論文】
◆本演習で文献講読と並んで力を入れているのが、論文の執筆とゼミ論集の発行です。ただし、サブゼミの方は、書評などのゼミ論以外の選択も可能です。

◇参考までに、昨年度のゼミ論と書評のテーマは以下の通りです。
 「ルソーの思想―個人・社会・家政」/「「偽善」から見る丸山眞男」/「マックス・ウェーバーと政治家の条件」/「ガダマーにおける言語―テクスト、対話、詩」/「ミル『代議制統治論』/「トマス・モア『ユートピア』
授業の進め方
◇毎回テクストの範囲を決め、担当者の報告をもとに参加者全員で討論します。
教科書・参考書等
【テクスト】
・授業概要・授業計画を参照。
【参考図書】
・木村俊道『文明と教養の<政治>―近代デモクラシー以前の政治思想』講談社選書メチエ、2013
・岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学−古典・名著への誘い』ミネルヴァ書房、2008
成績評価の方法・基準
@ゼミ論文(もしくは書評等)および、A通常のゼミに対する取り組み方(報告や討論への参加、ゼミ運営への貢献等)により総合的に評価します。
その他(質問・相談方法等)
【ゼミ見学】
・オープンゼミ期間以外でも随時見学可能です。毎回、19時頃までゼミを行っています(教育棟206号室)。

【その他】
・政治学史基礎や政治学史(政治理論発展)、政治外国書講読を併せて受講することが望まれます。
・研究室は随時訪問可能です。なんでも、お気軽にご相談ください。ただし、場所(第3研究棟207号室:経済学部棟東、就職情報室のあるプレハブ)が分かりにくいので、事務等で予め確認することをおすすめします。※ゼミは教育棟206演習室です!

・今年度の参加者は、14名です。
内訳は、本ゼミ生6名、サブゼミ生2名、オブザーバー4名、院生1名、OB 1名(3年生8名、4年生4名)。1名は7月からシンガポール大に留学、1名は10月より福岡県庁職員。男女比8:6。

・過去数年間のゼミ生の主な進学・就職先
九州大学法学府(6名)、九州大学法務学府(2名)、一橋大学法科大学院、内閣府、総務省、福岡県庁(3名)、沖縄県庁、福岡市役所(3名)、唐津市役所、大分市役所、五島市役所、裁判所(2名)、IHI、西日本鉄道、鹿児島銀行、商工中金、第一生命、TKC、JCB、ヨドバシカメラ、山荘わらび野、福岡県議
事前/事後学修