Course Title |
|
Course Overview |
|
履修条件 |
予習等は特にありません。 ただし,本ゼミは,主として,法学部を早期卒業後に法科大学院への進学を希望している学生に対する演習としての位置づけを有することから,相応に学修意欲を有することが望ましいと考えます。 前期の法政基礎演習と異なり,本ゼミでは,論文作成(の練習)を行っていきますので,途中で心折れることなく,努力し続けることができる学生を求めます。したがって,勉強をすること自体(基本書通読は当然の前提として,ゼミで取り扱う参考判例や参考論文等を自ら収集して読むこと)が苦ではない者が望ましいと思います。 また,今年度前期ゼミ受講者には少しお伝えしましたが,我々弁護士の仕事では,自分で考え,発見する力,というものが求められます。その意味では,他者から言われて動く人,他者の発言を待つ人,ではなく,自分で考える人,のほうが望ましいと思います。
|
授業の目的 |
●本ゼミでの目標● 本ゼミでは,主として,法科大学院,司法試験,ひいては法律実務家を視野に入れて学修を希望する方に対して,法律の存在意義,判例の存在意義,判例の理解の仕方等の初歩的な部分を学んでもらいたいと考えています。また,今期以降本格的に始まる法律専門科目の講義と並行して,自身が学ぶ法的思考を具体的事例に適用し,それをある程度の書面にまとめるためにはどうするのかということを意識して学修してもらいたいと思っています。 さらに,本ゼミは,専らゼミ形式を想定していることから,受講生がこのゼミの履修を通じ, ・判例を検索し,あるいは文献を調査する能力 ・判例・文献等を要約し,端的にレジュメとしてまとめあげる能力 ・レジュメとしてまとめたものをゼミ生及び教員に対して説明する能力 ・毎回のゼミの報告内容を的確に理解し,事案の問題点を踏まえた上で自分の意見や考え方を相手に伝える能力
の習得及び伸張を目指します。 なお,私自身,法科大学院在学中に,ある法律実務家教員から言われたことですが,法律実務家の根本は,法律(条文)と(最高裁)判例です。もちろん,裁判の中で,学説を駆使して書面を書くこともありますが,やはり,中心は,条文に何と書いてあるのか,判例は何と言っているのか,ということになります。条文の趣旨,条文の要件,判例の意義等,受講者には,今後の学修の中心が何であるのか,ということを少しでも理解していただきたいと思います。
|
授業の概要・計画 |
第1回 オリエンテーション 第2回 条文の読み方講座(条文というものをどのように読むべきかの手法を学ぶ) 第3回 手元におくべき教科書とは何か−基本書とは?参考書とは?− 第4回 判例の読み方講座(判例百選を読むことが判例の理解になることと直結しないことが極めて多いことを理解し,判例を理解する手法について学ぶ) 第5回 民法総則(民法110条関係で答案を書く!) 第6回 民法物権総論(民法177条関係で答案を書く!) 第7回 民法総則(民法96条&民法94条関係で答案を書く!) 第8回 刑法総論(実行行為性の認定関係で答案を書く!) 第9回 刑法総論(実行行為性の認定関係で答案を書く!パート2) 第10回 刑法総論(正当防衛の認定関係で答案を書く!) 第11回 刑法総論(共謀の認定で答案を書く!) 第12回以降は,ゼミ生と協議する予定ですが,おそらく,第4回目以降の各回が単回で終了せず,次回持ち越しになっていくのではないかと思います。
|
授業の進め方 |
本ゼミは,今期から始まる新規演習ゼミです。その関係で,担当教員としても,何をどのように進めていくか,現在も熟考しています。しかし,おおよそ,以下のような方法でゼミを運営していこうと思っています。 ・第1回目はオリエンテーション ・第2回目ないし第4回目は,担当教員(あるいは担当教員の所属する事務所弁護士)から,条文及び判例の勉強法の基礎について学修する ・第5回目以降は,毎回ゼミ生に担当分野の事例問題を出題したうえ,ゼミの1週間前までに答案を作成して提出する ・担当教員は,できるかぎり,遅くともゼミ時までに答案をすべて添削してコメントを付した上で返却する ・ゼミ時は,当該事例において参照すべき判例等について報告者に報告してもらい,まずは,判例の正確な理解が何であるか,を確認する。そのうえで,当該判例を下地とした事例問題について,どのように答案を書いていくか,ゼミ生と担当教員でディスカッションをしながら検討していく
という方法でのゼミを検討しています。 |
教科書・参考書等 |
【民事法】 特に教科書は指定しません。 むしろ,他の専門科目(民法Tないし民法V,家族法)に合わせて, 内田貴『民法T〔第4版〕』(東京大学出版会,2008年) 内田貴『民法U〔第3版〕』(東京大学出版会,2011年) 内田貴『民法V〔第3版〕』(東京大学出版会,2005年) 内田貴『民法W〔補訂版〕』(東京大学出版会,2004年) を購入し,前期の間で扱う分野について通読するようにしてください。なお,内田貴先生の民法Wは,12年前の本で少し古いということもありますので,前田・本山・浦野編『LEAGAL QUEST民法Y〔第3版〕』(有斐閣,2015年)のほうがいいかもしれません。
【刑事法】 特に教科書は指定しません。今後,刑法や刑事訴訟法の講義を履修予定の方は,そちらのシラバスに掲載されている基本書や参考書を通読すればいいと思います。
そのほか,各回の参考文献等については別途指示を出す予定です。
|
成績評価の方法・基準 |
第2回目以降のゼミのために作成する答案…40% 判例等の事前準備(レジュメ作成)&報告…20% 出席状況…5% 期末試験…35% なお,期末試験は,100分で,民事・刑事の双方の論文を書いてもらうことを念頭に置いています。
|
その他(質問・相談方法等) |
前期の法政基礎演習とは一線を画し,実務家として,法律学を学ぶとは何か,ということをイメージしながら答案を書く,ということに,少しずつ慣れていく作業をしていきたいと思っています。私自身,今は偉そうにゼミで指導等していますが,学部2年生の後期など,人に読んでもらえるような答案など書けていませんでした。 最初から書ける人はそんなにいないからこそ,恥じることなく研鑽を積んで,皆さんが成長をしていく一つのきっかけになればと思います。
|
事前/事後学修 |
|