Course Title |
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Course Overview |
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履修条件 |
とくに条件はないが、社会的実態と法制度・裁判制度との“矛盾”や“ズレ”に漠然とでも興味がある人、明治・大正期の庶民の生活や文化、社会的背景に関心がある人(日本史の知識の有無は問わない)、現在の法体系・司法制度の歴史的起源について素朴な興味を持っている人などを歓迎する。 |
授業の目的 |
現代の法体系・司法制度は、19世紀末の西洋法の継受および20世紀初頭の学説継受を起源としている。本講義は、明治初期から20世紀はじめまでの「法」の存在形態(制定法と慣習、公法・私法の未分離など)と裁判・紛争解決の具体的な様相を学び、「日本」という土壌に西洋法原理がどのように移植されたのか――どのように矛盾/対立/相克したのか――、さらにそれらの歴史過程が現代の法と裁判をめぐる問題にどのように現れているのかについて考察する。 |
授業の概要・計画 |
【概要】 日本近代法史の基礎知識をインプットしながら、19世紀末(明治初期)から20世紀初頭までの民事法と民事裁判の歴史的展開をたどることで、現行の法体系・司法制度を相対化する視点を養う。とくに、「戦前」との連続性と断続面との双方に目を向けることを重視する。また、当時を生きた人々にとっての「規範」と制定法との間の矛盾やその克服の試みについても考察を加える。
【授業計画】 1.「継受」の日本法史(制定法と「慣習」) 2.近代国家の建設と法典編纂史 3.明治初期の法@AB(律型刑法と民事法、土地所有の重層性、ムラと西洋法など) 4.明治初期の裁判@AB(法学教育の歴史、明治時代の民事裁判、勧解制度など) 5.民法典の編纂@AB(ボアソナードと旧民法、民商法典論争、明治民法など) 6.学説の継受と法社会学の誕生 7.判例法理の展開 8.20世紀初頭の立法と司法制度@A(臨時法制審議会、大正改正要綱、調停制度の登場) *その他ミニトピックとして、天皇のビジュアル化、大津事件、植民地と法と法学者、文学者と法学者、法と女性の歴史などを取り上げる予定である。
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授業の進め方 |
レジュメと資料等を配布して進める。明治期の裁判所の様子や法学者や文学者たち、人々の生活状況が分かる資料をスライド等で紹介することも予定している。 |
教科書・参考書等 |
教科書は指定しない。参考図書は単元ごとに示すが、受講前に以下の文献を参照しておくとよい。 ・浅古弘ほか編著『日本法制史』(青林書院、2010年) ・青山善光・石井紫郎ほか編『図説 判決原本の遺産』(信山社、1998年) ・青木人志『「大岡裁き」の法意識』(光文社新書、2005年)
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成績評価の方法・基準 |
3〜4コマに1回程度配布するコメントカードの提出(30%)、論述試験(70%)で評価する。 |
その他(質問・相談方法等) |
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事前/事後学修 |
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