Course Title |
|
Course Overview |
|
履修条件 |
特になし |
授業の目的 |
本講義は、「異質な他者」との出会いを求めて、日本の過去の思想と格闘します。「異質な他者」を拒絶するのではなく、彼らの思考の道筋を辿り、彼らとともに考える能力を身につけることを目指します。さらに、「異質な他者」の視点に立って、今、私たちが当たり前だと思っていることを見直し、思考の幅を広げることを目指します。 |
授業の概要・計画 |
日本は、後進国として先進国の文明を輸入し続けてきました。しかし、外来の思想を理解することは必ずしも容易ではなく、様々な軋轢や反発を伴い、そこから新たな思想も産み出されて行きます。江戸時代から幕末維新期の知識人たちが、中国の儒学・朱子学や近代西洋の思想とどのように知的に格闘したのか、考えます。 授業のおおよその予定は以下の通りです。但し、変更はありえます。
(1)序論 「後進国」の政治学―「日本語」を手掛かりに (2)「まつりごと」「おおやけ」「わたくし」―日本の伝統的「政治」観 (3)「政は正なり」―儒学・朱子学の「政治」観(1)徳治・礼治・法治 (4)「政は正なり」―儒学・朱子学の「政治」観(2)「理」と「気」 (5)徳川政権のクレデンダとミランダ―「天下太平」の秘訣 (6)反朱子学の政治思想―伊藤仁斎と荻生徂徠 (7)国学と古の理想世界―妄想と実証 (8)近世日本の外交関係―華夷秩序と主権国家体制 (9)近世後期の思想と西洋―後期水戸学と幕末の朱子学 (10)近代国家の形成と江戸思想―「文明civilization」をめぐって (11)「国民nation」の創出―ナショナリズム (12)立憲主義の導入(1)「公議輿論」と明治憲法 (13)立憲主義の導入(2)明治憲法とデモクラシー (14)武士なき「武士道」の成立 (15)まとめと試験
|
授業の進め方 |
教科書は使用しません。資料を配付して講義します。講義中に資料の朗読や意見を求める場合があります。その際は快く応じて下さい。 |
教科書・参考書等 |
概説的・教科書的な参考図書を挙げておきます。その他の文献は講義の際に紹介します。 渡辺浩『日本政治思想史[十七〜十九世紀]』東京大学出版会、2010年 原武史『日本政治思想史』放送大学、2017年 田尻祐一郎『江戸の思想史 人物・方法・連環』中公新書、2010年 米原謙(編)『政治概念の歴史的展開・第9巻 「天皇」から「民主主義」まで』晃洋書房、2016年 米原謙(編)『政治概念の歴史的展開・第10巻 「まつりごと」から「市民」まで』晃洋書房、2017年
|
成績評価の方法・基準 |
最終日に論述式の試験を行います。また、講義の際、適宜、コメント・ペーパーを提出してもらい、成績評価の際に加味します。 |
その他(質問・相談方法等) |
質問などがあれば気軽に声を掛けて下さい。 |
事前/事後学修 |
|