中国法演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
中国法演習
標準年次
3・4
講義題目
華僑・華人の法と社会
開講学期
通 年
担当教員
西 英昭(NISHI H.)
単位数
4単位
教  室
307
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
LAW-LAW3911J
Course Title
chinese law seminar
Course Overview
Main purpose of this seminar is to study about oversea Chinese around the world.
履修条件
・九州大学法学部学生(3年生以上)であること(他学部生、留学生は申し訳ありませんがご遠慮ください)。
・中国語はできなくても構いません(もちろん、出来る方は大歓迎です)。
・本ゼミ・サブゼミ生とも全く平等です。フリーライダーはご遠慮ください。
授業の目的
 中国に関するニュースが巷にあふれ、天神を歩けば中国人観光客に出くわす昨今、皆さんにとって中国は否応なく対応を迫られる相手となっています。それを反映して中国関連の情報もあふれかえっているわけですが、ともすると中国といったときに中華人民共和国しか念頭においていない、そういったことがあるのではないかと思われます。
 勿論中華人民共和国に住んでいる人々が中国人であることは疑いないのですが、広義に「Chinese」といったときには、その人たちを含めてより広い人々を指すことがあります。即ち「中華系」の人々、所謂oversea Chinese、日本語でいうところの華僑・華人の人々です。
 これら中華系の人々は世界各地に分布し、各地の政治・経済に多大な影響を及ぼしています。海外旅行経験のある方は、海外のどんな小さな町にも中華料理屋が1件はあることに気づいたでしょうし、その経験がなくても長崎や横浜の中華街を観光したことのある方は少なくないでしょう。我々がグローバルなどと言い出す遥か以前から、中国人はグローバルに展開していたことになります。
 こういう広い意味での「中国人」も含めて「中国」を考えるのでなければ、どこかしらやはり視野が狭くなってしまいます。今年はこうした華僑・華人の人々に目を向け、学んでゆく一年にしたいと思います。彼らがグローバルに展開したその「しぶとさ」を学んでみませんか。
授業の概要・計画
 ひとまずは華僑・華人に関する文献を輪読してゆくこととします。具体的なテキストとしては、
 濱下武志『華僑・華人と中華網 移民・交易・送金ネットワークの構造と展開』(岩波書店・2013)
 瀬川昌久・川口幸大編『〈宗族〉と中国社会』(風響社・2016)
 を予定しています。
 おそらく多くの学生さんにとって初めて接するテーマになると思います。多少取り組みづらいかもしれませんが、世の中皆さんにとって初めて接するテーマのほうが多いわけですから、そういうときにどこからどう手をつけていけばいいのか、その手法も学んでゆくこととしたいと思います。
 後期は、これらの議論から得たインスピレーションに基づく形でも結構ですし、他のテーマでも構いませんが、個人報告という形でゼミ論文に繋がる報告をお願いし、皆さんと議論してゆくことにします。
授業の進め方
 前期は関連文献(下記教科書及び参考図書等の欄を参照)を輪読し、皆で自由に議論したいと思います。一応報告担当者は決めますが、皆が文献を読んできた上で自分の疑問や議論したいことを述べ、追加で調べることができた場合は改めて調べた上で持ち寄り、それらに基づいて議論を行います。なので、文献1つあたり何回かかけて議論を深める形になると思います。積極的にゼミに関与したいという皆さんの気持ちが重要です。
 後期は各自興味を持ったテーマ(前期の議論の中で見つけたテーマでもよいですし、全く関係のないテーマでも構いません。ただし広い意味で「中国」に関連するものであることは必要条件です。)について、ゼミ論文に繋がる内容を発表していただき、皆で議論する形にします。
 ゼミ終了時にはゼミ論文を執筆していただき、ゼミ論集にまとめることにしたいと思います。
 また、皆さんのご要望に応じて、ゼミ旅行・ゼミコンパなどの活動も充実させていきたいと思います。行先・回数ともに皆さんの積極性次第です。ゼミをつまらなくするのも面白くするのも皆さん次第!!というわけです
教科書・参考書等
現在のところ、
 濱下武志『華僑・華人と中華網 移民・交易・送金ネットワークの構造と展開』(岩波書店・2013)
 瀬川昌久・川口幸大編『〈宗族〉と中国社会』(風響社・2016)
を予定しています。各自入手しておいてください。(古本でもよければ安価に入手できるでしょうし、生協にもいくらか入荷をお願いする予定です。)これ以外の文献については皆さんの希望により調整したいと思います。
成績評価の方法・基準
 ゼミですので基本的に毎回出席してください。病気等止むを得ない理由で欠席する際には、必ず教員あてメールするか、友人や学生係を通じて連絡を入れるなど、無断欠席のないようにお願いします。
 評価は毎回の議論へ積極的に参加しているかどうかといった平常の貢献度と、ゼミの最後に提出していただくゼミ論文の内容を合わせて評価します。
その他(質問・相談方法等)
 質問は随時受け付けます。ただ、突如研究室へ来て頂いても会議等で不在の場合もあるので、研究室を訪問して相談されたい場合は前もってメールでアポをとってください。メールはh-nishiのあとに@law.kyushu-u.ac.jpです。
事前/事後学修