Course Title |
Criminal Procedure |
Course Overview |
This course provides an general overview of criminal procedure in Japan. |
履修条件 |
特にないが、刑法、刑事政策、少年法を合わせて受講するとより理解が深まる。 |
授業の目的 |
1.専門的知識・技能の観点では、@刑事手続に関する人権・法理(特に憲法31〜40条)の意義、ならびにA法解釈論(学説)、判例、立法論(改革論)の意義を理解すること。 2.態度・志向性の点では、上述@Aの理解が表面的なものにならぬよう、刑事手続をめぐる歴史と現状について認識を深めること。 |
授業の概要・計画 |
テーマとその概要(キーワード) 【序 論】刑事訴訟法学の課題、近・現代刑事訴訟法の歴史的考察、刑事手続の諸原則、日本の刑事手続の現状と改革課題
【捜 査】捜査の目的、捜査の構造、任意捜査と強制捜査、強制捜査の憲法的枠組み、未決拘禁と代用刑事施設(代用監獄)制度、被疑者取調べと黙秘権、被疑者の防御活動・弁護人の弁護活動
【公 訴】公訴の諸原則、訴訟条件、公訴権行使の抑制、検察審査会、付審判請求手続、検察官論
【審判対象】訴因と公訴事実
【公 判】裁判所、陪審・参審・裁判員制度、法曹一元、検察官(公判立会)、被告人、弁護人、訴訟行為、公判の諸原則、公判前整理手続、証拠開示、公判手続
【証拠法】証拠法の意義、証拠裁判主義、厳格な証明と自由な証明、「疑わしきは被告人の利益に」の原則と挙証責任、証明基準、自由心証主義と適正(公正)な事実認定、証拠の種類、証拠能力、証拠禁止、自白法則、伝聞法則、補強法則、自然的関連性、科学的証拠
【裁判の効力】裁判の意義と種類、確定力、一事不再理効と二重の危険禁止の法理、執行力
【確定前救済制度】控訴、上告、抗告
【確定後救済制度(1)】再審、誤判の責任と国家賠償
【確定後救済制度(2)】非常上告
【刑事補償】
【刑の執行】誤った確定有罪判決執行の違法性、執行手続の適正 |
授業の進め方 |
基本的にはレジュメに沿って進める。レジュメの入手方法については、法学部構内の掲示板もしくは第1回目の講義で告知する。 また(許された時間の範囲内で)出席者に発言を求めることもある。 なお例年ゲストスピーカーによる講義(講演)を1回入れており、できれば本年度も行いたいと考えている。趣旨は、「生きている刑事訴訟法」に触れるため、実務家や事件関係者のご経験を伺うというものである(授業の目的の2.に該当する)。
〔これまでのゲストスピーカーとテーマ〕 07年度:本木順也氏(弁護士)、中山信一氏(志布志事件元被告人) 「鹿児島・志布志事件について」 08年度:井浦謙二氏(弁護士)、櫻井昌司氏・杉山卓男氏(布川事件再審請求人) 「布川事件について」 09年度:岩田務氏(弁護士) 「飯塚事件について」 10年度:無し(産休のため非常勤講師による講義) 11年度:上田國廣氏(弁護士・本学法学研究院教授) 「刑事弁護と接見交通権」 12年度:安田好弘氏(弁護士) 「なぜ弁護は必要か 刑事弁護人の仕事を考える」 13年度:木谷明氏(元裁判官、弁護士) 「法律家(実務法曹)の仕事は面白いか」 14年度:戸舘圭之氏(弁護士) 「袴田事件から考える、刑事訴訟における『無辜の不処罰』『疑わしきは被告人の利益に』鉄則とは」 15年度:岩田務氏(弁護士) 「死刑執行後の再審請求事件・飯塚事件を考える」 16年度:櫻井昌司氏(布川事件元被告人) 「法治国家の闇 冤罪はなぜ作られるのか」 17年度:黒原智宏氏(弁護士) 「死刑事件の弁護 宮崎家族3人殺害事件の経験から」
(注)肩書きは講演当時のもの。 (注)鹿児島・志布志事件については2007年2月一審無罪判決〔確定〕。 (注)布川事件については2011年5月再審無罪判決〔確定〕。 (注)飯塚事件は再審請求事件。 (注)袴田事件は再審請求事件。 (注)宮崎家族3人殺害事件は再審請求事件。 |
教科書・参考書等 |
《教科書・参考書》 @白取祐司『刑事訴訟法〔第9版〕』(日本評論社、2017年) A井上正仁=大澤裕=川出敏裕『刑事訴訟法判例百選〔第10版〕』(有斐閣、2017年) ※それぞれの特徴について第1回目の講義で説明するので、購入はその後で構わない。 《六法》 コンパクトな六法では対応できない場合がある。具体的には第1回目の講義で説明する。 《参考文献》 適宜、指示する。 |
成績評価の方法・基準 |
定期試験(80%)、レポート(20%)を総合的に評価する。 成績評価は、「授業の目的」の欄に記している到達目標を達成できているか否かを判断して行う。 |
その他(質問・相談方法等) |
質問・相談方法は、次の通りである。 ・メールで事前に連絡を取り、アポイントメントをとる。 ・授業終了後に質問を受け付ける。 |
事前/事後学修 |
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