Course Title |
Seminar in Criminal Procedure |
Course Overview |
This seminar will discuss and examine various issues in Japanese criminal procedure. |
履修条件 |
刑事訴訟法についての予備知識は問いません。 ゼミは学生が主体となって創り上げるものなので、毎回の出席はもちろん、ゼミ仲間との議論やゼミ運営に主体的・積極的に参加することが履修条件です。
※勉強したことがないのに「訴訟法は難しそう」と思う人もいるようですが、それは予断偏見です。 裁判官、検察官、被疑者・被告人、弁護人、捜査機関といった、さまざまな人・機関の具体的な動きによって展開してゆく「生きている刑事訴訟法」は、大変興味深い学問対象です。 また、刑事訴訟法は刑法や刑事政策・少年法の隣接科目(刑事法)というだけではありません。 刑事手続きのあり方は憲法31条以下に規定されている点で、刑事訴訟法と憲法とは切っても切れないつながりがあります。時の刑事判例・刑事立法が意味するものを探っていけば、現代日本の社会・統治のあり様を考えずにはいられません。 また証拠評価の場面では、鑑定などを通して、医学・工学などの応用化学や心理学とも関連するのであり、実際「法と心理学会」という学際的な学会もあります。 九大法学部生には、表面的な印象論ではなく、刑事訴訟法を取り巻く広い世界を知ってもらいたいと思います。 ※このゼミには、毎年、多様な人が参加しています。法科大学院進学者(その後、裁判官、検察官、弁護士になった人もいます。2017年は3名の卒業生が司法試験に合格しました)もいますが、公務員や民間企業、大学院(研究者志望)に進む人もいます。政治学系のゼミとかけもちしている人もいます。21世紀プログラム生、転学部生、留学生もいます。多様な人の参加を得て、ゼミでの議論も多角的になり、深まります。
※サブゼミ生、オブザーバーも歓迎です。ただし(サブゼミ生はもちろん)オブザーバーもゼミ生と同様の活動をしてもらいます。
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授業の目的 |
解釈論上の基本的問題を学習しながら、実際の刑事事件にも触れることによって「生きている刑事訴訟法」をつかむ。また、現代の刑事手続が直面している立法ラッシュが何を意味するか、理解を深める。 |
授業の概要・計画 |
【前期】 刑事訴訟法の重要な判例を取り上げて、議論する。この作業を通して、自分の頭で考える力、人と議論する力を身に付けながら、刑事訴訟法の基本・応用を学ぶ。以下の判例は現時点での候補であり、変更する可能性もある。
@強制処分と任意処分の限界(最三小決昭和51・3・16刑集30巻2号187頁) AGPS捜査(最大判平成29・3・15裁判所Web) B接見交通(最大判平成11・3・24民集53巻3号514頁) C秘密交通権(福岡高判平成23・7・1判時2127号9頁) D公訴権の濫用(最一小決昭和55・12・17刑集34巻7号672頁) E訴因の特定・明示(最一小決平成26・3・17刑集68巻3号368頁) F情況証拠による事実認定(最三小判平成22・4・27刑集64巻3号233頁) G取調べ手続の違法と自白(東京高判平成14・9・4判時1808号144頁) H犯行状況等の再現結果を記録した実況見分調書(最二小決平成17・9・27刑集59巻7号753頁) I違法収集証拠排除法則(最二小判平成15・2・14刑集57巻2号121頁) J量刑判断の方法(最一小判平成26・7・24刑集68巻6号925頁) K袴田事件再審開始決定(静岡地決平成26・3・27判時2235号113頁)
【後期】 2016年刑事訴訟法改正の内容と運用について検討する予定であるが、参加者と教員とで協議の上、内容を決定する。
※刑事訴訟法講義の講師をゲストに招き、特別ゼミを行うことがある。 ※前期・後期を通して、学生の希望により、施設見学、他大学との合同ゼミ、ゼミ合宿等を行うことがある。 ※夏休みに論文を執筆し、後期にブラッシュアップし、ゼミ論文集に掲載する。
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授業の進め方 |
検討対象となったテーマについてのグループ報告ないし個人報告を踏まえた、ゼミ参加者全員による議論。 報告者は事前にレジュメを用意すること。報告者以外の者もレジュメを参考にして、疑問点や自分の意見を整理して議論にのぞむこと。
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教科書・参考書等 |
教科書等については第一回目の講義で指示する。検討対象となったテーマに関連する参考文献については適宜紹介する。 |
成績評価の方法・基準 |
平常点(出席状況、報告内容、議論への参加態度等)とゼミ論との総合評価とする。 無断欠席・正当な理由のない欠席は一切認めない(無断遅刻・正当な理由のない遅刻ももちろん同様)。 |
その他(質問・相談方法等) |
質問等については、豊崎にメールで連絡して下さい(アドレスは @law.kyushu-u.ac.jp の前に nanae を付加)。 |
事前/事後学修 |
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