法政基礎演習

最終更新日:2018年3月13日

授業科目名
法政基礎演習
標準年次
2
講義題目
スポーツをめぐる諸問題から法学の基礎を学ぶ
開講学期
前 期
担当教員
田代 滉貴  (TASHIRO K.)
単位数
2単位
教  室
4研
科目区分
入門科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
  
Course Overview
履修条件
スポーツをするand/or観戦するのが好きな方、スポーツを題材に法学の基礎を学んでみたい方は、奮ってご参加ください。ただし、それなりの分量の文献を読み、また文章を書いてもらう(その意味で決して楽なゼミではない)ので、やる気と熱意のある方の参加を期待します。
授業の目的
【法政基礎演習の共通目標】
 この授業科目は、少人数のゼミ形式により、2年次から本格的に始まるより高度な学習へ向けての橋渡しの教育を行う目的で開講されるものです。具体的には、(1)リサーチ・分析能力、(2)ディスカッション・プレゼンテーション能力、(3)レポート・論文作成能力、という、将来どのような進路をとっても必ず要求される能力の伸張を目指しています。

【本演習の目的】
◆法律学の学習に必要な思考枠組・基礎知識の獲得
スポーツは、自らが楽しむものとして、あるいは鑑賞の対象として、我々の生活に欠かせないものとなっています。特に2020年に東京オリンピックを控えたわが国では、競技の別を問わず「スポーツ」をどのように盛り上げていくべきか、ということが、重要な政策課題とされているところです。しかしその一方、例えば選手のドーピング問題、力士の暴行問題、学校の部活動での事故等、スポーツをめぐってはプロ・アマチュアを問わず様々な問題が生じています。そして、これらの問題を解決する、あるいは問題を未然に防ぐためには、憲法・行政法・民法等、様々な法分野の知識の活用が必要不可欠です。
本演習では、皆さんが任意に選んだ「スポーツに関する問題」を素材として、@その問題の中にどのような法学上の論点が隠されているのかを検討し、A当該論点について現在どのような議論がなされているのかをリサーチしたうえで、B望ましい解決策を提示してもらいます(本演習では特に@、Aに重点を置きます)。以上の作業を通して「現実の問題と学問上の議論を両睨みしながら妥当な結論を導き出す」という法学の思考方法を体感すること、また法学の授業が本格的に始まる前に興味のある法分野の内容をのぞいてみること、の2点が、本演習の主たる目的です。
なお演習中には、例えば条文や判例の読み方、文献の調べ方等、これから法学を学ぶ上で必要不可欠な基礎知識を皆さんがなるべく多く習得できるよう、できる限り配慮する予定です。

◆知的生産能力の向上
皆さんが今後社会に出た際、「与えられた課題に対して適切に解答する」能力に負けず劣らず求められるのが、「自ら課題を発見・設定し、それに対応する解決策を提示する」能力です。本演習では、上述した作業を通じ、1.社会の様々な事象の中から解決すべき問題を発見する、2.関係する情報を収集し分析する、3.問題の解決策を筋道立てて考え、論理的かつ明確な表現でアウトプットする、という知的生産プロセスの各段階の手法を学ぶことで、この能力の向上を目指します。
授業の概要・計画
以上の目的を達成するため、本演習では次のような計画のもと、授業を進めていきます。


第1回 オリエンテーション
自己紹介とともに、自分が興味のある問題を簡単に説明してもらいます(レジュメの準備は必要ありません)。この説明を基に、以降の報告テーマを決定します。また、以降の報告のやり方やレポートの書き方、ゼミでの議論の仕方、文献の収集・分析方法等についても、この回に説明する予定です。

第2・3回 法学(再)入門講義/スポーツ法イントロダクション
皆さんが1年生の頃に受講した「法学入門」の内容を簡単におさらいするとともに、スポーツと法の関わりについて概略的な説明を行います。その際、皆さんが法学に対して抱いている疑問になるべく答えることができるよう、対話型の授業を行います。

第4回以降 個別報告
初回で決定したテーマに基づき、個別報告をしてもらいます。ゼミの人数にもよりますが、少なくとも一人あたり2回は報告を担当してもらう予定です。報告者の報告を踏まえ、全員で議論を行います。


最終的には、以上の報告および議論を踏まえ、自分の選択したテーマについてのレポートを執筆してもらいます。レポートの締切日は8月の中旬〜下旬を考えていますが、具体的な日時は初回授業の際に皆さんと話し合って確定しようと思います。
授業の進め方
第1回
本演習で検討したいテーマと選択理由を予め考えてきてください。可能であれば、テーマ選択のきっかけとなったニュース記事や本(小説・雑誌・漫画等なんでも可)を持参してください。
なお、教員は一応「行政法」を専門としていますが、テーマ選択の結果他分野(憲法・民法等)の検討を行うことになっても構いません。分野の区別を気にせず、自分の興味のあるテーマを選択してください。

第2・3回
予習課題を提示するので、事前に検討してきてください(授業中にランダムに指名して意見を聞くことがあります)。また、授業の内容以外でも、法学の学習について何かわからないことがあれば、この機会に遠慮なく質問してください。

第4回以降
報告者はレジュメを作成し、これに基づいて報告してください(報告時間は一人あたり20〜30分を予定していますが、ゼミの人数によって変動する可能性があります)。また、報告5日前までに報告の大まかな内容を「事前レジュメ」という形で予め周知してください。その他事前に読んできてほしい資料等があれば、併せて連絡してください。詳細は初回授業時に説明します。
また、議論の運営は基本的に司会者(毎回一人指名します)に委ねます。皆さんは恥ずかしがらず一日一発言を心がけてください。
教科書・参考書等
原田大樹『現代実定法入門――人と法と社会をつなぐ』(弘文堂、2017年)は購入の上、事前に目を通しておいてください。
また、テーマ選択に際しては、道垣内正人=早川吉尚編『スポーツ法への招待』(ミネルヴァ書房、2011年)のほか、法学教室432号(2016年)の特別企画「スポーツと法の関わり」所収の諸論文、ジュリスト1514号(2018年)の特集「スポーツビジネスと知的財産」所収の諸論文等も参照してみてください。いずれの文献も箱崎キャンパスの中央図書館で閲覧することができます。
その他参考文献については、授業中に適宜ご案内します。
成績評価の方法・基準
 報告およびレポートの内容、平素のゼミでの態度(議論への積極性等)を総合的に勘案し、評価します。なお、レポートの分量は最低5000字以上を想定しています(締切厳守)。
無断での欠席・遅刻については単位を認定せず、その後の演習への出席も認めません。やむを得ない場合はあらかじめ教員に連絡してください。
その他(質問・相談方法等)
質問は随時受け付けます(教員のメールアドレスは初回にお伝えします)。報告の方法やレポートの書き方等についてわからないこと・悩んでいることがあれば、遠慮なく相談してください。
事前/事後学修