Course Title |
History of Western Political Thought |
Course Overview |
This lecture deals with the history of Western political thought from ancient Greece to early modern Europe. |
履修条件 |
「政治」や「法」の基礎にあるもの、あるいはそれらの背後に潜むものを、思想・歴史・理論の観点から、じっくりと理解したい方を歓迎します。
また、本科目はEU研究ディプロマプログラム(EU-DPs)に開放されています。http://www.euij-kyushu.com/jp/home/index.html 本科目では、歴史・思想・文化など、EUに関連する内容の講義を行います。 |
授業の目的 |
(1)「型」の修得:「政治学史」あるいは「政治思想史」というディシプリンを通じて、一定水準の学問的な「型」や「わざ」を修得することを目指します【専門的技能・態度】。 (2)政治学の「稽古」:政治学の歴史や古典に関する知識を学び、西洋文明の思想的な基礎を理解するための力を養います【知識・理解】。 (3)市民の「教養」:歴史や古典によって育まれる、これからの市民に求められる政治的な教養を深めます【汎用的技能・志向性】。
※「アカデミーというのは、まさに、学問の型をしつける場所なんです」(丸山眞男『座談』7:122)。 |
授業の概要・計画 |
古代ギリシア・ローマから初期近代(16-18世紀)までを中心に、西洋政治思想の歴史を講義します。具体的には、プラトンやアリストテレス、マキァヴェッリ、ホッブズなどの思想家やテクストに加え、「デモクラシー」や「国家」などをめぐる政治的な概念や言説の展開や、政治と哲学、政治と倫理、政治と宗教などのテーマやコンテクストに注目し、西洋文明の知的基盤を多面的かつ動態的に理解することを目指します。 |
授業の進め方 |
さしあたっての授業計画は以下のとおり。
第1部 政治思想史の方法 第1講 イントロダクション/「政治学史」とは何か 第2講 政治思想史の方法 第3講 デモクラシーの思想史 第2部 古代ギリシア・ローマ 第4講 政治と哲学−プラトン 第5講 ポリスの政治学−アリストテレス 第6講 「レス・プブリカ」−共和政ローマとキケロ 第7講 「帝国」の思想史 第3部 中世キリスト教 第8講 政治と非政治−古代の終焉とキリスト教 第9講 「神の国」・「地の国」−アウグスティヌス 第10講 キリスト教共同体−トマス・アクィナス 第4部 ルネサンスと宗教改革 第11講 ルネサンスと人文主義 第12講 統治の技術−マキアヴェッリ『君主論』 第13講 ローマの再生−マキァヴェッリ『リウィウス論』 第14講 「痴愚神」と「ユートピア」−エラスムスとトマス・モア 第15講 「文明」の作法−『宮廷人』とジェントルマン教育 第16講 宗教改革−ルターとカルヴァン 第5部 17世紀の政治思想 第17講 フランシス・ベイコンと「近代」 第18講 政治と法−立憲主義と「古来の国制」 第19講 内乱の政治学−主権・思慮・個人 第20講 ホッブズ『リヴァイアサン』 第21講 ジョン・ロック『統治二論』 第6部 18世紀の政治思想 第23講 「文明社会」の政治思想@−モンテスキュー 第24講 「文明社会」の政治思想A−ルソー 第25講 「文明社会」の政治思想B−ヒュームとバーク 第26講 『ザ・フェデラリスト』 |
教科書・参考書等 |
※いずれも参考文献です。 ☆福田歓一『政治学史』東京大学出版会、1985年 ・川出良枝、山岡龍一『西洋政治思想史−視座と論点』岩波書店、2012年 ☆山岡龍一『西洋政治理論の伝統』放送大学教育振興会、2009年 ☆宇野重規『西洋政治思想史』有斐閣アルマ、2013年 年 ・ウォーリン『西欧政治思想史−政治とヴィジョン』福村出版、2007年 ・渡辺浩『日本政治思想史−17〜19世紀−』東京大学出版会、2010年
・小野紀明・川崎修編集代表『岩波講座 政治哲学』全6巻、岩波書店、2014年 ・古賀敬太編『政治概念の歴史的展開』全10巻(予定)、晃洋書房、2004- ・福田歓一『福田歓一著作集』全10巻、岩波書店、1998年 ・丸山眞男『丸山眞男集』全16巻+別巻、岩波書店、1995-7年 ☆岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学』ミネルヴァ書房、2008年 ☆木村俊道『文明と教養の<政治>』講談社選書メチエ、2013年
その他、たくさんの政治学の古典(授業の際に文献一覧を配布します)。 |
成績評価の方法・基準 |
試験とレポートによる。
試験では、論述や語句説明などの複数の観点から、「授業の目的」欄にある【知識・理解】の到達度を測ります。
レポートでは、関心のある思想家やテクスト、あるいは主題や論点について調べてもらい、それによって【専門的技能・態度】の習熟度を判定するとともに、卒業後も学びを続けるための【汎用的技能・志向性】を確かなものとすることを目的としています。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義の役割は、あくまでも、西洋文明や古典の世界に分け入るためのガイド・ブックに過ぎません。少しでも意欲を覚えた方は、講義の進行に関わらず、難易度の高い原典や研究書にどんどんチャレンジして下さい。「わからない」ことも大事です。歴史と格闘した思想家たちや古典との対話は、学問的な能力を磨くだけでなく、人格的に大きく成長するための原動力にもなるでしょう。 なお、さらに理解を深めたい方には、木村ゼミへの参加もおすすめします。 |
事前/事後学修 |
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