Course Title |
Introductory Seminar on Legal and Political Studies |
Course Overview |
This class is regard to historical development of Civil Societies focused on concept and situations. |
履修条件 |
特にありません |
授業の目的 |
【法政基礎演習の共通目標】 この授業科目はゼミ形式により、2年次から始まる高度な学習に向けての橋渡しの教育を行うことを目的としています。具体的には以下の三点を目的としています。 @リサーチ・分析能力、 Aディスカッション・プレゼンテーション能力、 Bレポート・論文作成能力、 これらの能力は、受講者が将来いかなる進路に進んだとしても必ず要求される能力です。これらの能力を身につけ、伸長することを目指します。
【本演習の到達目標】 本演習では上記の共通目標を踏まえて、以下の内容を習得することを目標としています。 @社会科学の基本的な用語の歴史的背景と専門研究における使用方法について理解を深める 「市民社会」という用語は社会科学において重要な概念となっています。今日において「市民社会」は政治、経済から独立した市民の共同体と理解されています。この「市民社会」の理解には様々な歴史的背景を持ち、時代によって意味するものが異なりました。本演習を通じて社会科学において使用される用語が複雑な歴史的背景をもつことを理解し、学術研究における専門用語の使用方法について学ぶことを目指します。
A学術的な議論と文献の読解方法を身に着ける 日本語という言語の特徴から、誤解・誤読を生まないような言語化には適切な技術が必要となります。これは他者と議論し他者の文献を読み解く際にも必要な技術となります。本演習においては、文献の輪読や議論、レポートの書き方の指導を通じて、こうした学術的技術を習得していくことを目指します。
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授業の概要・計画 |
【授業の概要】 今日、様々な場面において「市民社会」が特に政府に対抗するものとして理解される場合があります。例えば、日本においても2015年に安保法案改正に反対する学生たちのグループ、シールズに対してこうした呼称が使用され、健全な民主主義の再生が叫ばれる場面が存在しました。このように現代において「市民社会」とは自律的な市民の共同体として評価され、健全な民主主義にとって必要なものであると理解されています。しかし、こうした「市民社会」の理解は歴史的な変遷の中で形成されたものであり、日本における「市民社会」の議論が、新自由主義的な「市場主義」の発想から展開される時代も存在しました。 そこで本講義においては「市民社会」という社会科学においても重要な概念の歴史的な形成過程を探り、現代における「市民社会」について議論していきたいと思います。具体的には植村邦彦『市民社会とは何か―基本概念の系譜―』(平凡社、2010年)を輪読します。その際に、「市民社会」という言葉に与えられてきた意味の変遷に注目し、その歴史的意義を理解することに努めていきたいと思います。また、現代の「市民社会」のモデルの一つになった東欧の民主化における市民運動グループについて、特に東ドイツにおける市民運動グループの活動についての文献を輪読します。ユルゲン・コッカ著、松葉正文・山井敏章訳『市民社会と独裁制―ドイツ近現代史の経験―』(岩波書店、2011年)や井関正久『戦後ドイツの抗議運動「成熟した市民社会」への模索』(岩波書店、2016年)を使用して、その実態について議論していきます。それぞれの文献を読んでいくにあたり、著者が引用する文献を参照し、資料の引用の適切さや評価の妥当性についても検討することで、批判的に文献を読み解くことにも挑戦していきます。 最後に日本における政治・社会的な問題について参加者各自にテーマを設定してもらい、そのテーマに沿ったレポートを3000字程度で書いてもらい提出してもらいます。
【授業の計画】 第1回 オリエンテーション 第2回 教員による、模擬ゼミとレジュメの作成についてのレクチャー 第3回〜第9回『市民社会とは何か』の輪読 第10回 レポートの書き方 第11回・第12回・第13回 東ドイツにおける「市民社会」の展開 第14回・第15回 レポートの構想発表
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授業の進め方 |
演習を進めるにあたり、初回のオリエンテーションの際に各回の報告者2名とコメンテーター1名を選出したいと思います。報告者は自分の担当個所について簡潔なレジメを用意してもらい、報告してもらいます。加えて、報告者には担当個所の内容についてのコメント・疑問点を提示してもらいます。コメンテーターは報告者が提示した論点について意見を述べてもらい、その後参加者全員で内容についての議論を行いたいと思います。 演習は基本的に@報告者による内容の報告(20分程度)A内容についての質疑応答(15分程度)Bコメンテーターと報告者の質疑応答(15分程度)C報告者のコメントに対する参加者全員での質疑応答、という流れで行う予定です。 第2回の演習では、『市民社会とは何か』の序章と第1章の内容を教員がレジュメにまとめ報告し、ゼミにおけるレジュメの作成方法と注意事項についてレクチャーを行います。 第3回から第9回までは『市民社会とは何か』の各章を、担当する報告者に報告してもらいます。 第10回の演習においては全演習終了後に提出してもらうレポートの作成方法についてレクチャーを行います。レポート作成にあたっての、文章構成、書式などの注意事項について学習します。 第11回から第13回の演習では、教科書を含めた東ドイツにおける市民運動グループの活動に関する文献を通常の演習形式に沿って報告してもらいます。使用する文献については第9回の演習の際に配布し、担当者は第10回の演習の際に決定します。 第14回、第15回の演習では提出するレポートについて参加者各自が、何について書くかを発表してもらい、その内容について、お互いにコメントを出し合います。
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教科書・参考書等 |
【教科書】 ・植村邦彦『市民社会とは何か―基本概念の系譜―』平凡社新書、2010年。 ・ユルゲン・コッカ著、松葉正文・山井敏章訳『市民社会と独裁制―ドイツ近現代史の経験―』岩波書店、2011年。 ・井関正久『戦後ドイツの抗議運動「成熟した市民社会」への模索』岩波書店、2016年。 ※コッカ、井関の書籍については教員が必要な個所をコピーして配布します。 【参考図書】 ・山口定『市民社会論―歴史的遺産と新展開―』有斐閣、2004年 ・斎藤純一『公共性』岩波書店、2000年。 ・ユルゲン・ハーバーマス著、細谷貞雄、山田正行訳『公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探求―』未來社、1994年。 ※その他、重要な参考図書については教員が適宜紹介します。
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成績評価の方法・基準 |
試験は実施しませんが、全演習終了後に、現代の政治と社会に関する、3000字程度のレポートを課します。 成績は平素の演習への参加姿勢や提出レポートから総合的に判断します。
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その他(質問・相談方法等) |
講義内容に関する質問は授業中、授業後いつでも受け付けます。また研究室(法学部第3研究室)に直接来ていただいてもかまいません。研究室に来る場合には事前に下記のメールアドレスにご連絡をお願いします。 la2myu[アットマーク]gmail.com
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事前/事後学修 |
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