Course Title |
Introductory Seminar on Legal and Political Studies |
Course Overview |
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履修条件 |
特にありませんが、本をしっかり読みたいという人を歓迎します。無断欠席はしないこと。 |
授業の目的 |
1.法政基礎演習の共通目標 この授業科目は、少人数のゼミ形式により、2年次から本格的に始まるより高度な学習へ向けての橋渡しの教育を行う目的で開講されるものです。具体的には(1)リサーチ・分析能力、(2)ディスカッション・プレゼンテーション能力、(3)レポート・論文作成能力、という、将来どのような進路をとっても必ず要求される能力の伸張を目指しています。
2.この演習の目的 さらに次のようなことも目的としています。(1)2年次以降の学習にとって不可欠な根気よく学術書をよむ姿勢を身につけること。(2)テキストから著者の立場や考え方を理解しその問題点について批判的に考察する力をつけること。(3)「他者」に対する一つの「思考様式」の構造とその影響について理解を深めること。 |
授業の概要・計画 |
自らとは異なる他者と何らかの関係を持つ際、その他者に対し何らかの先入観をもって行動してしまうことは誰しもあると思います。 エドワード・W・サイードの『オリエンタリズム』は、特に西洋の知識人が非西洋(例えばイスラーム世界)を前にどのような先入観(「思考様式」)をもってのぞんでいたのか、その構造とさらにその影響とを明らかにした著作です。 ティモシー・ミッチェルの『エジプトを植民地化する』は『オリエンタリズム』の議論を、エジプトに適用し、さらに発展させたものです。「思考様式」が他者の側にも内面化され、社会を変容させていく様が描かれています。 本演習ではこれらの書籍を批判的に丁寧に読んでいきます。「他者」に対する一つの「思考様式」の構造とその影響について理解を深めることは、多様な他者が共存する国際関係を理解するうえで非常に有意義なものです。
授業の進行については、初回に参加者の自己紹介とこの演習の進め方について詳しく説明します。レジュメの書き方や論文の探し方などもお伝えしますので、(自己紹介と)メモをとる準備だけはしてきてください。二回目以降はテキストの輪読を行います。参加者の人数次第ですが、まずは『オリエンタリズム』を八回程度で読み終えたいと考えたいと考えています。
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授業の進め方 |
(1)報告者(2名)が準備してきたレジュメに基づき次の事項を報告します(20-30分)。 @一人目の報告者によるテキストの該当範囲の内容「要約」 A二人目の報告者による該当範囲の内容に対する「疑問」(少し調べれば分かるようなことは不可)、「考察」 (2)報告者以外の参加者には上記Aをまとめたペーパーを毎回提出してもらいます。 (3)その後、テキストの内容、解釈、論点について報告者に対し他の参加者から質問をしてもらいつつ、全員で議論します。 (4)最後に報告者に該当範囲の内容や論点を再度まとめてもらいます。 |
教科書・参考書等 |
・エドワード・W・サイード(著)板垣雄三・杉田英明(監修)今沢紀子(訳)『オリエンタリズム(上・下)』(平凡社、1993年) ・ティモシー・ミッチェル(著)大塚和夫・赤堀雅幸(訳)『エジプトを植民地化する』(法政大学出版局、2014年) ・少なくともサイードの『オリエンタリズム』は購入してください。 |
成績評価の方法・基準 |
おおよそ以下のような基準で採点します。 出席…10% 報告…40% 議論での発言回数や発言内容…30% レポート…20% |
その他(質問・相談方法等) |
質問、相談などは授業の前後を中心に、随時受けつけます。連絡先は初回にお伝え致します。 |
事前/事後学修 |
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