法政基礎演習

最終更新日:2019年3月20日

授業科目名
法政基礎演習
標準年次
2
講義題目
行政学・地方自治の入門
開講学期
前 期
担当教員
鄭ハナ  (Jung HANA)
単位数
2単位
教  室
演習室1
科目区分
入門科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Introductory Seminar on Legal and Political Studies
Course Overview
Introduction to Administration and Local Government
履修条件
演習は、基本的に受講者の主体的な報告とそれをめぐるディスカッションによって成り立つので、報告の準備に熱意とやる気を持っている方の参加を期待します。
また、行政学や地方自治に興味がある方、少子高齢化社会を背景として発生しているさまざまな問題に関心を持っている方を、歓迎します。
授業の目的
○法政基礎演習の目的は、@リサーチ・分析能力、Aディスカッション・プレゼンテーション能力( 自分が調べてきた内容や自分の見解を他人に分かりやすく伝達できるようになる。)、Bレポート・論文作成能力( 自分の見解を論理的に構築し、文章化できるようになる。)を身に付けることにあります。

○上記の法政基礎演習に共通した目的に加え、本演習では、次の2点についても目標とします。
C行政学・地方自治論の基礎知識を身に着け、多様な観点から行政・地方自治を理解できるようになる。
D現地調査の仕方やコツを身に付ける。
授業の概要・計画
○授業の概要
本演習では、近年の日本において、少子高齢化の進行、人口減少社会の進展や産業構造の変化によって生じているさまざまな問題とそれに関する国・自治体の取り組みを事例として扱います。 そうした諸問題をめぐっては、背景と原因をめぐる研究や分析が行われ、その結果に基づいて、さまざまな対応策が提言されています。そして、そうした提言を参考にしつつ、全国の自治体――特に問題が深刻とされている地域を中心に――では、当該地域の特性を考慮した多様な方策が実施されています。国も、「地方創生」という形で、自治体をバックアップしようとしています。
本演習では、上記の内容と関連する、教科書や参考文献を読んでいくことを予定しています。その際に、少子高齢化の進行、人口減少社会の進展や産業構造の変化による問題と、それに対する国・自治体の取組みから読み取れる行政学・地方自治論に関する知識や考え方を理解を深めることを目指します。同時に、自分の見解を構築し、それを他人に分かりやすく伝える方法を、プレゼンテーションや小論文を通じて習得することを目指します。
〇計画
第1回: ガイダンスと自己紹介
第2回: 演習の準備(文献や資料の収集・レジュメ作成・プレゼンテーション方法)
第3回〜第8回:個人報告
第9回〜第12回:ヒアリング調査のグループ報告
第13回:小論文の書き方
第14回〜第15回:小論文の構想発表

授業の進め方
○講義形式:練習
○本演習は、「本の輪読」と「ヒアリング調査」と「それに基づく報告と議論」からなります。いずれの場合も、あくまで受講生の主体的な取り組みが求められます。
以下、具体的な進め方です。
第1に、6月中頃までは、「本の輪読」を行います。報告者による報告とそれに対する質疑応答を通じて行われます。
 (事前に決められた)報告者は、報告の準備をしてもらいます。「報告の準備」とは、担当箇所の要約、問題提起(=私見)をレジュメの形で用意することを指します。問題提起をするには、テキストを読むだけでなく、それに関連した文献をプラスアルファで読んだり、新聞等の検索を通じて、さまざまな関連情報を集める必要があります(そうした方法についても、お伝えしたいと思います。)。
 報告者以外の授業参加者全員が、自分がその報告のコメンテータになったつもりで、報告を聞きながらメモなどを取りつつ、報告に対するコメントを用意します。報告の後は、自由にディスカッションしますので、その際に、その用意したコメントを発言してもらいます。
 なお、授業を始まる前に当日の司会者を決めます。司会者は、報告が順調に進められ、議論が活発になるよう、報告者の論点を分かりやすく整理し、参加者に投げかけ、議論を進めます。
 第2に、5月下旬から6月上旬にかけて、いくつかのグループに分かれ、「ヒアリング調査」を行ってもらいます。これは通常の演習時間以外の時間を使って行ってもらいます。
 第3に、6月下旬から、各グループごとの結果報告をしてもらい、それに対する質疑応答を行います。基本的に授業の進め方は、「本の輪読」の場合と変わりません。
 第4に、演習が終わったら、小論文(5000字以上)を提出してもらいます。演習の後半は、各自諸論文のテーマを決め、どのような問題意識のもとで、どのような内容を考えているのかを報告し、みんなの意見ももらいます。それに基づいて、小論文を書いて提出してもらいます。

教科書・参考書等
○教科書
増田寛也『地方消滅』(中央新書、2014年)
その他、場合によって、関係する本の一部分や論文を追加で扱う予定です。

○参考文献
礒崎初仁ほか『ホーンブック 地方自治(第3版)』(北樹出版、2015年)
山下祐介『地方消滅の罠―「増田レポート」と人口減少社会の正体』(ちくま新書、2014年)
山下祐介=金井 利之『地方創生の正体―なぜ地域政策は失敗するのか』(ちくま新書、2015年)

成績評価の方法・基準
@出席(40%):本授業は、毎回、授業への報告及び議論の参加で成り立っているため、出席しないと、評価もできません。出席は評価される機会とも直結します。

A報告及び議論の内容(30%):(A)行政学・地方自治論の基礎知識を身に着け、多様な観点から行政・地方自治を理解できているかどうか、(B)自分が調べてきた内容や自分の見解を他人に分かりやすく伝達できているかどうか(=プレゼンテーション能力)、(C)他者の意見を的確に理解し、建設的な議論をできているかどうか(=ディスカッション能力)、(D)現地調査の仕方やコツを身に付けているかどうかを評価します。

B期末のレポート(30%):リサーチ・分析能力およびレポート・論文作成能力を身に着けられいているかどうかを評価します。

その他(質問・相談方法等)
授業内容を含め、質問や相談事があれば、いつでも受け付けます。メールでの質問や(事前にメールで連絡をいただいた上での)研究室への訪問も歓迎します。

事前/事後学修