政治学史演習

最終更新日:2018年12月5日

授業科目名
政治学史演習
標準年次
3・4
講義題目
政治学の古典を読む
開講学期
通 年
担当教員
木村・島田 (木村俊道・島田英明)(KIMURA T.,SHIMADA H.)
単位数
4単位
教  室
演習室5
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Study of the History of Political Thought
Course Overview
Reading classical texts of politics and law (Machiavelli, Locke, Rousseau, Tocqueville, Weber, Arendt, Fukuzawa, Maruyama etc), this course is to examine various political problems in terms of the history of political thought.
履修条件
◆時代に流されることなく、ふと立ち止まり、「政治」や「法」の問題を深く地道に考えてみたいと思った方。
◆あるいは、一人で読むのは難しい「古典」に挑戦してみたい方、学問的な「基礎」をしっかり身につけたい方など。サブゼミ希望者やオブザーバーも歓迎します。
授業の目的
◆本演習では、政治学や法学の「古典」や「名著」と対話する作業を通じて、時代の表層に惑わされることなく、自分の頭でものを考える力をつけることを目指します。

◆あるいは、以下のような学問的な「わざ」や「アート」を磨くこと。
@現代社会における、「デモクラシー」「自由」「国家」「権力」「公共性」「法の支配」などをめぐる諸問題を深く掘り下げ、原理的に考察するための、基礎的な知識と思考力。
Aテクストの高度な読解能力、論理的な思考能力、問題発見能力、論文作成能力などの、高年次の学生に相応しいアカデミックな「型」や「技術」。
B現代を生きる市民に必要とされる、政治的な「教養」や「技芸」。

※「アカデミーというのは、まさに、学問の型をしつける場所なんです」(丸山眞男『座談』7:122)
授業の概要・計画
【古典講読】
◆デモクラシーの運営に必要な作法は何か。市民に求められる教養は何か。国家や権力の実体は何か。これらのことを考えながら、西洋と日本における政治学・法学の古典・名著を講読します。現時点での候補は以下の通りですが、いずれも、これを読まずに卒業してはいけない(と思える)クラシックなテクストです。

・ルソー『社会契約論』
・トクヴィル『旧体制と大革命』ちくま学芸文庫、1998
・ウェーバー『仕事としての学問』『仕事としての政治』講談社学芸文庫、2018
・アーレント『人間の条件』ちくま学芸文庫、1994/『革命について』ちくま学芸文庫、1995
・オルテガ『大衆の反逆』ちくま学芸文庫、1995
・福沢諭吉『文明論之概略』岩波文庫、1995
・丸山眞男『政治の世界』岩波文庫、2014

◇過去のゼミでは以下のテクストを講読しました。

・2018年度
 J. S. ミル『代議制統治論』
 丸山眞男『丸山眞男コレクション』
・2017年度
 ロック『統治二論』岩波文庫
 福沢諭吉『文明論之概略』岩波文庫
・2016年度
 トクヴィル『アメリカのデモクラシー』第1・2巻、岩波文庫
・2015年度
 ハミルトン、マディソン他『ザ・フェデラリスト』福村出版
 バジョット『イギリス憲政論』中公クラシックス
・2014年度
 マキァヴェッリ『ディスコルシ』ちくま学芸文庫
 丸山眞男『政治の世界』岩波文庫


【ゼミ論文】
◆本演習で文献講読と並んで力を入れているのが、論文の執筆とゼミ論集の発行です。ただし、サブゼミの方は、書評などのゼミ論以外の選択も可能です。

◇参考までに、昨年度のゼミ論と書評のテーマは以下の通りです。
 「ピューリタン革命におけるホッブズとハリントン」「ハーバーマスの政治理論」「世界市民法の考察」「フロムにおけるデモクラシーと個人」「デューイにおける自由主義と民主主義」「フランスのデモクラシー」「『エミール』における人間教育」「政治的無関心と個人」「『国家』の実現」「ウォルツァー正戦論」「フェデラリストと建国期のアメリカ」「カント政治哲学における抵抗論」「永遠平和とカント哲学」「民主主義における「意見の競合」」「J. S. ミルの功利主義」「デュルケーム『自殺論』」「ハイエク『隷従への道』」「J. S.ミル『自由論』」「ルソー『新エロイーズ』における女性」
授業の進め方
◇毎回テクストの範囲を決め、担当者の報告をもとに参加者全員で討論します。学期末にはゼミ論・書評の報告会を行います。

◇今年度は前期を木村(西洋政治思想史)、後期を新任の島田先生(日本政治思想史)が担当する予定です。
教科書・参考書等
【テクスト】
・授業概要・授業計画を参照。
【参考図書】
・木村俊道『文明と教養の<政治>―近代デモクラシー以前の政治思想』講談社選書メチエ、2013
・岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学−古典・名著への誘い』ミネルヴァ書房、2008
・島田英明『歴史と永遠―江戸後期の思想水脈』岩波書店、2018
 ※第40回サントリー学芸賞受賞作 
成績評価の方法・基準
@ゼミ論文(もしくは書評等)および、A通常のゼミに対する取り組み方(報告や討論への参加、ゼミ運営への貢献等)により総合的に評価します。
その他(質問・相談方法等)
・今年度は 木曜5限 E-102 で開講しています。
・政治学史基礎や政治学史、日本政治思想史、政治外国書講読を併せて受講することが望まれます。
・木村研究室(E-D-513)は随時訪問可能です。なんでも、お気軽にご相談ください。

・過去数年間のゼミ生の主な進学・就職(予定)先
九州大学法学府(7名)、九州大学法務学府(2名)、一橋大学法科大学院(2名)、同志社大学法科大学院、内閣府、総務省(2名)、国会図書館、裁判所(4名:広島、熊本、東京、福岡)、福岡県庁(6名)、沖縄県庁、長崎県警、福岡市役所(4名)、唐津市役所、大分市役所、五島市役所、 IHI、麻生、イズミ、宇部興産、NHK、鹿児島銀行、川崎汽船、九電工、神戸製鋼、山荘わらび野、JCB、商工中金、ゼネラルアサヒ、第一生命、中国新聞、TKC、テルモ、西日本鉄道、日立コンサルティング、ブリジストン、三井倉庫、三井不動産リアルティ九州、山口フィナンシャル・グループ、ヨドバシカメラ
事前/事後学修