Course Title |
Social Security Law. |
Course Overview |
Social Security law on a life stage event. |
履修条件 |
特にありません。社会保障や社会福祉に興味関心がある学生さんならば歓迎します。専門的な法律学の概念説明よりは日本の社会保障法制についての概説が中心になります。 時折法律学的に突っ込んだ説明をすることがありますので,行政法や民法の知識は理解の手助けになりますが,受講の必須条件ではありません。 |
授業の目的 |
私たちが生まれる前から死亡した後まで,社会保障はその時々のライフステージでかかわりがあります。そして日本の国家予算規模でも社会保障の占める位置はかなり大きくなっています。このように,社会保障はミクロとマクロの両方で大きなものになっています。 これに加えて社会保障は,現金で給付するものから医療や介護のようなサービスを提供するものがあります。誰からどのような費用を徴収し,誰に給付すべきかを考えることも重要になります。さらに社会保障は歴史的な所産でもありますので,時代によって人とのかかわりがかなり大きく異なります。また,多数の当事者の利害関係の対立をどのように調整するかも考えなければなりません。この結果,社会保障制度は非常に複雑なものになってしまいます。 この講義では,現代の社会保障をライフステージごとに,権利義務関係の分析を軸に考えていくことが目的です。 A:知識,理解としては,社会保障制度の基礎的な法制度に関する知識を得て,それを法律学的思考方法で理解することが目的になります。 B:専門技能としては,どのような制度政策があるかということを知っておくことで,具体的な問題が生じた場合にどのような制度・政策を用いれば当事者が幸福になるのかといった法律学で必要となるソーシャルワーク的思考の技能を身につけることが目的になります。 C:汎用的技能としては,制度について調べて当てはめるだけでなく,それがどのような意味を持っているかを熟考していく能力を向上することが目的です。 D:態度・志向性としては,単にマスコミやSNSから得た情報を鵜呑みにして政策批判するのではなく,その前後・全体での位置付けなどについて考える受講態度を望みます。 |
授業の概要・計画 |
(昨年度までの反省から)この講義では一部のテーマを深く掘り下げるのではなく,全体を概説的に取り上げることにします。 1 私たちの暮らしと社会保障 2 貧困と生活保護 3 妊娠・出産と仕事 4 子育て・子育ちと社会保障 5 仕事をするための社会保障 6 病気やケガの治療 7 仕事による病気やケガ 8 地域の暮らしと介護 9 老齢期の年金とその財政 10 仕事と年金制度 11 家族と社会保障 12 失業・仕事探しと社会保障 13 ライフステージと社会保障の課題
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授業の進め方 |
講義形式にて行います。適宜資料を配付します。配付資料やレポート課題などはmoodleへ掲載します。 板書することがありますが,パワーポイントなどは使用しません。座席指定などは行いませんので,入退室の可能性があるときや板書の見やすさなどを考慮して適宜座席を選択して着席してください。 配慮が必要な場合には,センターを通じて合理的配慮の相談申請をしてください。講義開始後に配慮が必要となった場合などはその旨申し出てください。 |
教科書・参考書等 |
教科書として,『社会保障法令便覧[2019]』(労働調査会)を指定します。 その他参考書として下記を推薦します。 ◆笠木映里・嵩さやか・中野妙子・渡邊絹子『社会保障法』(有斐閣,2018年) ◆伊奈川秀和『<概観>社会保障法総論・社会保険法』(信山社,2018年) ◆伊奈川秀和『<概観>社会福祉法』(信山社,2018年) ◆西村健一郎・水島郁子・稲森公嘉『(新版)よくわかる社会保障法』(有斐閣,2019年予定) ◆岩村正彦編『社会保障判例百選[第5版]』(有斐閣,2016年) |
成績評価の方法・基準 |
学期末に試験を行います。 期末試験では,制度に関する基本的な知識を得て,理解しているかどうかを見ます。その上で,問題点を的確に把握しているかどうか,現実に生じた問題にどのように対処できるかを評価対象とします。 理解度測定のための小テスト・レポートを課すことがあります。これらは単元ごとの学習の理解度を確認する基準とします。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義終了時に質問を受け付けます。それ以外の時間についてはメールなどで連絡してください(marutani[at]law.kyushu-u.ac.jp) |
事前/事後学修 |
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