刑事訴訟法演習

最終更新日:2019年11月28日

授業科目名
刑事訴訟法演習
標準年次
3・4
講義題目
「生きている刑事訴訟法」を学ぶ
開講学期
通 年
担当教員
豊崎 七絵 (TOYOSAKI N. )
単位数
4単位
教  室
2号館1階 E-101
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Seminar in Criminal Procedure
Course Overview
This seminar will discuss and examine various issues in Japanese criminal procedure.
履修条件
 刑事訴訟法についての予備知識は問いません。
 ゼミは学生が主体となって創り上げるものなので、毎回の出席はもちろん、ゼミ仲間との議論やゼミ運営に主体的・積極的に参加することが履修条件です。

※このゼミには、毎年、多様な人が参加しています。
 法科大学院進学志望者(裁判官、検察官、弁護士になった卒業生もいます)もいれば、法学府(研究者養成大学院)志望者もいれば、公務員ないし民間企業就職希望者もいます。
 政治学系のゼミとかけもちしている人もいれば、21世紀プログラム生、転学部生、留学生もいます。
 多様な人の参加を得て、ゼミでの議論も多角的になり、深まります。

※サブゼミ生、オブザーバーも歓迎です。ただし(サブゼミ生はもちろん)オブザーバーもゼミ生と同様の活動をしてもらいます。
授業の目的
 解釈論上の基本的問題を学習しながら、実際の刑事事件にも触れることによって「生きている刑事訴訟法」をつかむ。
授業の概要・計画
 前期は、具体的な刑事事件を素材として、事件の判決や資料を読み込みながら、刑事訴訟法の基本論点を勉強したり、実際の刑事手続きの運用をめぐる問題点を洗い出したりしながら、ゼミならではの、抽象論にとどまらない、実践的な学習をしてゆきます。

 取り上げる事件については参加者と相談して決めますが、ひとつの候補としては、確定有罪判決は誤っているとして無罪を求め再審(裁判のやり直し)を請求している事件が考えられます。このような事件は、捜査に始まる一連の手続きを経ているため、必然的に、さまざまな論点を含んでいます。また日本の刑事手続きの問題点を考えるのにも、うってつけです。
 このゼミで学んだ皆さんが、大学卒業後も、一市民として、法曹として、あるいは研究者として、刑事手続きに関心を持ち続ける原点となるような、そういうゼミになることを期待します。

 後期の内容は、前期の内容や進捗状況を踏まえ、受講生と相談して決めたいと思います。
 候補としては、前期の内容の続き、判例分析、近時の刑事立法の分析、施設見学、ゼミ論発表等々が考えられます。

※ちなみに、2019年度のゼミでは、栃木・今市事件を取り上げました。この事件は、取調べの録音録画記録、自白の任意性・信用性、情況証拠論、控訴審における訴因変更など、多くの重要論点を含むもので、今後の最高裁のゆくえが注目されています。
 また2019年3月に再審無罪判決が確定した熊本・松橋事件も勉強し、6月には弁護人の方から貴重なお話も伺いました。
 11月には福岡拘置所を見学しました。
 そして2月には東京へのゼミ旅行も予定しています。栃木・今市事件や東京・小石川事件(再審請求事件)の理解を深めたり、施設を見学したりします。
授業の進め方
 検討対象となったテーマについてのグループ報告ないし個人報告を踏まえた、ゼミ参加者全員による議論。
 報告者は事前にレジュメを用意すること。報告者以外の者もレジュメを参考にして、疑問点や自分の意見を整理して議論にのぞむこと。
教科書・参考書等
 教科書等については第一回目の講義で指示する。検討対象となったテーマに関連する参考文献については適宜紹介する。
成績評価の方法・基準
 平常点(出席状況、報告内容、議論への参加態度等)とゼミ論との総合評価とする。
 無断欠席・正当な理由のない欠席は一切認めない(無断遅刻・正当な理由のない遅刻ももちろん同様)。
その他(質問・相談方法等)
 質問等については、豊崎にメールで連絡して下さい(アドレスは @law.kyushu-u.ac.jp の前に nanae を付加)。
事前/事後学修