政治学演習

最終更新日:2019年11月26日

授業科目名
政治学演習
標準年次
3・4
講義題目
「現場」から考える「グローカル時代」の政治:貧困・ジェンダーと自治体
開講学期
通 年
担当教員
出水 薫 (IZUMI K.)
単位数
4単位
教  室
2号館2階 第4演習室
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Seminar on Political Studies
Course Overview
This class aims to discuss variety of phenomena from point of view with political studies through reading books and social field surveys.
履修条件
※以下のシラバス全体を、よく読んで、参加申込書の「志望理由」を書いてください。

(1)「言葉の力」によって「問題」を適切に「かたち」にできるようになりたいという意欲をもっている方。

(2)問題の「現場」を「楽し」める知的好奇心の旺盛な方。様々な現場の実務家や当事者と、対話したり共同作業をする機会が多数あります。

(3)サブ・ゼミや他ゼミとのかけもち参加歓迎です。

(4)過去と同様に、月例で弁護士のみなさんと社会問題についての調査・討議・合宿などをおこないます。われわれのゼミの卒業生には弁護士がいます。法曹志望の方、大歓迎です。

(5)単位はいらないけれど参加したいという方、大歓迎です。例年1〜3名は単位のいらない参加者です。
※また例年、21世紀プログラムをはじめとして、他学部や他大学の学生さん、大学院生さんが参加しています。2019年度は西南大学の学生さんと、法学府の院生さんが参加していました。
授業の目的
(1)私たちのゼミは、2020年度で20年目を迎えます。年度のテーマを超えて、私たちのゼミの一貫する目的は、何よりも、「世界は広く複雑で、そこには面白い人たちがいる」ということを学ぶことです。
 九大法学部のみなさんは、現在の学校・受験制度のために、相対的に同質性の高い集団になっています。とても狭い「世界」しか知らない状態に陥っている可能性が高いのです。

(2)私たちのゼミは、この間一貫して「書をもって街に出る」を、合言葉にしてきました。
 「街に出る」とは、現場に出向き、「当事者」に出会うということです。現場に行かなければ分からないことがあります。しかし現場に行けば、すべてが分かるわけではありません。むしろ「現実」の複雑さに困惑し、情報に溺れてしまいがちです。
 だからこそ「書をもって」出かける必要があります。複雑な現場を適切に理解するための枠組みや観点、知識を得ることが重要です。結果として私たちは、現場と書物、具体と抽象の間を往復できる「たくましさ」を目指します。

(3)さらに、われわれのゼミは、ゼミ自体を「プロジェクト」として運営するという方針で臨みます。ゼミに参加するみなさんが「当事者」として、主体的にゼミを作り込んでいくことが期待されます。
授業の概要・計画
(1)過去3年間、ゼミの有志が、長崎県対馬市から補助金をいただき、廃校の利活用、地域における高齢者のケア環境、移住者(IUJターン)の聞き取り、などの研究調査をおこなってきました。
 2020年度も、有志で希望者は、対馬市の補助金を申請して、調査することができます。また、それ以外の方も、福岡県柳川市や飯塚市、八女市など担当教員が密接に関わっている自治体をフィールドとする研究調査をチームでおこいます。

(2)座学としてのテキストの輪読は、上記(1)の研究調査に必要な文献などからテキストを選定しておこないます。

(3)卒業生を交えての同窓会ゼミや、弁護士や他大学の教員・学生と交流する機会も例年に引き続きおこないます。
授業の進め方
(1)授業の内容はテキストの輪読と討論、現地調査の実施と討論の二つに大きく分けられます。なお調査の前には、それと関連した文献を読んで討論することになります。

(2)ゼミでは、あらかじめフェイスブックで共有しておいたレジュメをもとに討議します。

(3)現地調査・合宿は、その都度に幹事を決定し、幹事を中心に約束のとりつけ、宿所の確保などをおこない実施します。

(4)以上の活動に織り交ぜて、学術書を年間で最低12冊(毎月1冊以上)を読み続けるためのガイドとして、定期的に書評会をおこないます。

(5)毎回のゼミは以下のように進めます。
@全体の事務連絡
A各自の観点の確認と感想(全員一巡)
B報告
C討議
※おおむね1時間延長を目処に毎回おこなっています。できるだけ金曜日はバイトなどを入れないようにしてください。
教科書・参考書等
2020年度前期の最初の数冊のテキストについては、春合宿などで話し合って決めます。
参考として、今年度ゼミで読んできたテキスト(同窓会ゼミのテキストも含む)をあげておきます。

斎藤美奈子『学校が教えないほんとうの政治の話』ちくまプリマー新書
宮内泰介『自分で調べる技術』岩波アクティブ新書
橋本健二『アンダークラス』ちくま新書
今井照『地方自治講義』ちくま新書
中北浩爾『自民党』中公新書
井手英策『財政から読みとく日本社会』岩波ジュニア新書
小森・成田・本田『岩波新書で「戦後」を読む』岩波新書
小熊英二『日本社会のしくみ』講談社現代新書
加藤秀一『はじめてのジェンダー論』有斐閣
平野啓一郎『「カッコいい」とは何か』講談社現代新書
成績評価の方法・基準
講義の目的として示している観点から、自他ともに、ゼミへの参加により「変わる」ということが採点の基準です。

 具体的には、(1)ゼミでの報告と質疑への参加、(2)ゼミおよび諸行事への参加状況(※無断欠席と無断遅刻は、大幅に減点します。欠席や遅刻は、原則として前日までに届けなければなりません)などにも着目しつつ、評価します。

 以上を踏まえ以下の様な基準で採点します。
A:想定された水準を超えて、きわめて優秀
B:想定された水準を超えて、優秀
C:想定された水準を達成
D:想定された水準に満たない部分もあるが、単位は認定
F:単位を認定できない
その他(質問・相談方法等)
ゼミの相談は基本的にフェイスブックなどでもおこないます。
参加者は携帯以外のメールアドレスとフェイスブックのアカウントを持ってもらう必要があります。
事前/事後学修