刑事訴訟法

最終更新日:2020年5月3日

授業科目名
刑事訴訟法
標準年次
3・4
講義題目
刑事訴訟法の基礎
開講学期
前 期
担当教員
豊崎 七絵 (TOYOSAKI N. )
単位数
4単位
教  室
2号館1階 E109
科目区分
基盤科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Criminal Procedure
Course Overview
This course provides an general overview of criminal procedure in Japan.
履修条件
 特にないが、刑法、刑事政策、少年法を合わせて受講するとより理解が深まる。

【2020年4月25日追記】刑事訴訟法を履修する人は、受講の準備として、あらかじめ次の作業(1.と2.)をしてください。
1.Moodleで「2020年度前期・火2金4・刑事訴訟法(豊崎 七絵)」について自己登録してください。
2.BookQのレジュメ1−4頁を見ながら、Moodleの音声ガイダンス(音声ファイル)を聴いてください。

【2020年5月3日追記】履修登録が確認された人につきましては、Moodleの一括登録をしました。
授業の目的
1.専門的知識・技能の観点では、@刑事手続に関する人権・法理(特に憲法31〜40条)の意義、ならびにA法解釈論(学説)、判例、立法論(改革論)の意義を理解すること。
2.態度・志向性の点では、上述@Aの理解が表面的なものにならぬよう、刑事手続をめぐる歴史と現状について認識を深めること。
授業の概要・計画
総説
 第0講  何のために刑事訴訟法を学ぶか
 第1講  近代刑事訴訟法の歴史的展開
 第2講  日本国憲法と刑事手続
 第3講  日本の刑事手続の現状
 第4講  刑事訴訟法学の課題

捜査
 第5講  総論
 第6講  捜査の端緒
 第7講  任意捜査の限界
 第8講  強制捜査の憲法的枠組み
 第9講  証拠(物)の収集
 第10講 身体の拘束(逮捕・勾留)
 第11講 逮捕・勾留の規制
 第12講 身体拘束と被疑者取調べ/代用刑事施設(代用監獄)
 第13講 被疑者の防禦

公訴
 第14講 総論/訴訟条件
 第15講 公訴権行使の抑制
 第16講 審判の対象その1
 第17講 審判の対象その2

公判(第一審手続)
 第18講 裁判所と当事者
 第19講 公判の諸原則
 第20講 公判廷と公判準備
 第21講 公判手続の概要

証拠法
 第22講 総論
 第23講 証拠能力・証拠禁止
 第24講 自白法則・補強法則
 第25講 伝聞法則

裁判の効力
 第26講 裁判の効力

救済手続
 第27講 救済手続

刑事補償
 第28講 刑事補償

裁判の執行
 第29講 裁判の執行
授業の進め方
 レジュメに沿った担当教員による解説を主とした形態であり、時折、出席者に発言を求めながら、知識を深める。
 レジュメの入手方法については、法学部構内の掲示板もしくは第1回目の講義で告知する。

【2020年4月25日追記】毎回、講義内容に関する課題をMoodleで出しますので、復習に利用してください。課題の提出状況は成績評価に関わります。
【2020年4月25日追記】レジュメはBookQで提供します。

 なお例年ゲストスピーカーによる講義(講演)を1回入れており、できれば本年度も行いたいと考えている。趣旨は、「生きている刑事訴訟法」に触れるため、実務家や事件関係者のご経験を伺うというものである(授業の目的の2.に該当する)。

〔これまでのゲストスピーカーとテーマ〕
07年度:本木順也氏(弁護士)、中山信一氏(志布志事件元被告人)
   「鹿児島・志布志事件について」
08年度:井浦謙二氏(弁護士)、櫻井昌司氏・杉山卓男氏(布川事件再審請求人)
   「布川事件について」
09年度:岩田務氏(弁護士)
   「飯塚事件について」
10年度:無し(産休のため非常勤講師による講義)
11年度:上田國廣氏(弁護士・本学法学研究院教授)
    「刑事弁護と接見交通権」
12年度:安田好弘氏(弁護士)
    「なぜ弁護は必要か 刑事弁護人の仕事を考える」
13年度:木谷明氏(元裁判官、弁護士)
    「法律家(実務法曹)の仕事は面白いか」
14年度:戸舘圭之氏(弁護士)
    「袴田事件から考える、刑事訴訟における『無辜の不処罰』『疑わしきは被告人の利益に』鉄則とは」
15年度:岩田務氏(弁護士)
    「死刑執行後の再審請求事件・飯塚事件を考える」
16年度:櫻井昌司氏(布川事件元被告人)
    「法治国家の闇 冤罪はなぜ作られるのか」
17年度:黒原智宏氏(弁護士)
    「死刑事件の弁護 宮崎家族3人殺害事件の経験から」
18年度:鴨志田祐美氏(弁護士)
    「大崎事件から見える刑事司法の課題」
19年度:三角恒氏(弁護士)
    「松橋事件・再審無罪判決と今後の刑事司法の課題について」

(注)肩書きは講演当時のもの。
(注)鹿児島・志布志事件については2007年2月一審無罪判決〔確定〕。
(注)布川事件については2011年5月再審無罪判決〔確定〕。
(注)飯塚事件は再審請求事件。
(注)袴田事件は再審請求事件。
(注)宮崎家族3人殺害事件は再審請求事件。
(注)大崎事件は再審請求事件。
(注)松橋事件については2019年3月再審無罪判決〔確定〕。
教科書・参考書等
《教科書・参考書》
@白取祐司『刑事訴訟法〔第9版〕』(日本評論社、2017年)
※他の教科書については、BookQ掲載のレジュメとMoodleの音声ガイダンスで案内しています。
A井上正仁=大澤裕=川出敏裕『刑事訴訟法判例百選〔第10版〕』(有斐閣、2017年)
《六法》
 コンパクトな六法でよいが、手持ちの六法に掲載されていない法令があった場合には「e-Gov法令検索」などで補うこと。
《参考文献》
 適宜、指示する。
成績評価の方法・基準
 定期試験(80%)、レポート(20%)を総合的に評価する。
 成績評価は、「授業の目的」の欄に記している到達目標を達成できているか否かを判断して行う。

【2020年4月25日追記】今後の状況次第によっては、定期試験を行えないかもしれません。その場合には、レポートと各回の課題提出により、成績評価を行います。決定次第、あらためて周知します。
その他(質問・相談方法等)
質問・相談方法は、次の通りである。
・メールで事前に連絡を取り、アポイントメントをとる。
・授業終了後に質問を受け付ける。

【2020年4月25日追記】オンライン講義期間中は、メールとMoodleのチャットにて受け付けます。
事前/事後学修