法政基礎演習

最終更新日:2020年3月16日

授業科目名
法政基礎演習
標準年次
2
講義題目
自治体行政学への招待
開講学期
前 期
担当教員
田井 浩人(TAI H.)
単位数
2単位
教  室
科目区分
入門科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Introductory Seminar on Legal and Political Studies
Course Overview
Introduce to Public Administration and Local Government
履修条件
 特別な条件はありません。興味のある方であればどなたでも歓迎します。
 今日の日本で発生している様々な社会問題に関心のある方などには、特に参加をおすすめします。
授業の目的
【法政基礎演習の共通目標】
 この授業科目は、少人数のゼミ形式により、学部2年次から始まる高度な学習に向けての橋渡しの教育を行うことを目的としています。具体的には、以下の3点の能力を身に着けることを目的としています。
 @リサーチ・分析能力
 Aディスカッション・プレゼンテーション能力
 Bレポート・論文作成能力
 これらの能力は、受講者が将来どのような進路を選択した場合にも必ず要求されるものです。本演習を通じてこれらの能力を伸長することを目指します。

【本演習の到達目標】
 本演習では、上記の共通目標に加えて、以下の内容を習得することを目標としています。
 C自治体行政学の基本的な知識や考え方を理解する
 D現代日本の地域社会の実態を理解し、問題意識を持つ
 Eグループ・ワークのコツやヒアリング調査の方法を身に着ける
授業の概要・計画
【授業の概要】
 近年、日本社会は新たな局面に突入しつつあります。本格的な少子高齢化と人口減少、都市部への人口集中、経済的格差の拡大・固定化、価値観の多様化などを背景として、様々な問題が生じています。例えば、「買い物難民」や「空き家問題」、「待機児童問題」といった言葉を、新聞やニュースなどで見聞きしたことのある方もいるのではないでしょうか。各地域の自治体行政は、こうした諸問題に対応したり、あるいは問題の発生を未然に防いだりするうえで重要な役割を担っています。
 以上を踏まえて、本演習では、(1)自治体行政や地方自治の原理・制度・機能に関する基礎的な理解を得るとともに、(2)種々の地域問題に対して現実の自治体行政がどのように対処しているのか(あるいは対処できていないのか)を学びます。この過程を通じて、(3)自らの問題関心に基づいて問いを立て、調査し、他者に伝える力を身に着けることを目指します。
 演習の前半では、今井照『地方自治講義』(ちくま新書、2017年)を輪読し、参加者全員で議論を行います。その後、演習の後半では、参加者をいくつかのグループに分けたうえで、グループごとのテーマに沿って調べてきた内容について報告してもらいます。また、本演習が終了した後に、期末レポートを提出してもらいます。

【授業の計画】
 以下の通りに進めていきます。ただし、参加者の人数によって多少変更する場合があります。

・第1回 オリエンテーション:
 参加者および教員の自己紹介を行った後、演習の進め方について説明します。
・第2回 教員によるレクチャー:
 文献の探し方やレジュメの作成方法、レポートの書き方などについてレクチャーを行います。
・第3回 調査テーマの決定:
 参加者各自から、自身の興味のあるテーマについて簡単に報告してもらい、それに基づいてグループの割り振りと研究テーマの設定を行います。その後、ヒアリング調査の方法について説明します。
・第4回〜第9回 個人報告:
 指定図書の輪読を行います。
・第10回〜第13回:グループ報告:
 各グループが調査してきた内容について報告してもらいます。
・第14回・第15回:レポートの構想発表会:
 期末レポートの構想について、参加者によるプレゼンテーションと意見交換を行います。
授業の進め方
 本演習は、ゼミ形式による「図書の輪読を通じた個人報告」と「ヒアリング調査を通じたグループ報告」からなります。
具体的な授業の進め方は以下の通りです。

【個人報告】第4回〜第9回
 初回の授業で、報告の分担を決定します。加えて、毎回、授業のはじめに司会者とコメンテーターを選出します。各回の報告者には、指定図書の担当部分について内容を要約したレジュメを作成し、報告してもらいます。その際には、皆で議論したい論点や私見の提示をお願いします。その後、司会者の進行に従って、まずはコメンテーターから質問やコメントを出してもらい、最後は参加者全員で議論を行います。

【グループ報告】第10回〜第13回
 参加者を複数のグループに分け、グループごとに調査と報告を行います。第3回の授業で、グループの割り振りと各グループの研究テーマの設定します。その後は、それぞれのグループごとに、文献調査や関係者に対するヒアリング調査を行ってもらいます。第10回から第13回までの授業は、その結果をグループ単位で報告してもらいます。その際の授業の進め方は、個人報告の場合と基本的には同様です。

【レポートの構想発表会】第14回・第15回
 期末レポートの構想について参加者各自から発表してもらい、お互いにコメントを出し合います。レポートのテーマは、グループ報告と同じでも構いませんし、違うものでも大丈夫です。ここで受けた意見や指摘を踏まえて、レポートの作成に取り組んでください。
教科書・参考書等
【教科書】
・今井照『地方自治講義』ちくま新書、2017年。

【参考図書】
・礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『ホーンブック地方自治 [第3版]』北樹出版、2014年。
・山下祐介・金井利之『地方創生の正体――なぜ地域政策は失敗するのか』ちくま新書、2015年。
・NHKスペシャル取材班『縮小ニッポンの衝撃』講談社現代新書、2017年。
※上記以外にも、重要な参考文献については授業中に適宜紹介します。
成績評価の方法・基準
 試験は実施しませんが、期末にレポートを提出してもらいます。
 成績評価は、以下の基準によって行います。
 @出席状況(30%)
 A授業態度や報告内容(40%)
 B期末レポート(30%)

※無断欠席を行ったり、正当な理由のない欠席・遅刻が続くような場合には単位を認定できませんので注意してください。
その他(質問・相談方法等)
 授業内容や大学生活上の質問・相談については、随時受け付けます。授業後以外にも、メールや研究室への訪問による質問・相談も歓迎します。なお、教員の連絡先については初回授業の際にお伝えします。
事前/事後学修