国際政治学演習

最終更新日:2019年12月16日

授業科目名
国際政治学演習
標準年次
3・4
講義題目
グローバル・ガバナンス
開講学期
通 年
担当教員
大賀 哲 (OGA T.)
単位数
4単位
教  室
オンライン
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
International Relations Seminar
Course Overview
This seminar will discuss theories and practices of global governance in the realms of international and transnational relations. The focus will be given to research and its outputs in English. Student will decide the research theme, produce a research design, conduct research, and write and present a paper.
履修条件
(1)前期は日本語、後期は英語でゼミを行います(現時点の英語力は問いません)。

(2)サブゼミ(選択科目)としての履修を希望する場合は、2月末日までにその旨連絡ください(メールアドレスは下記「その他」欄参照)。このゼミでは、学府・学部・課程の別なく履修申し込みを受け付けています。
授業の目的
【概要】
・このゼミは「研究」をするゼミです。ゼミ生が選択したテーマについて研究計画を立て、関連研究のレビュー、問い・仮説の設定・検証、研究の新規性・重要性の評価などを行います。

【目標】
・日本語/英語で研究報告を行うこと、そのために必要なリサーチ能力、論理的思考能力、プレゼンテーション能力、議事進行能力などを修得することが目標です。

【学術的背景】
・グローバル・ガバナンスとは世界政府なき国際社会において、国家・国際機関・その他の非国家主体(企業・NGO・市民社会)による多元的な問題解決枠組み(制度化、枠組み作り、政策調整)を意味しています。この分野は、かつてはレジーム論、近年では(概ね90年代以降)グローバル・ガバナンスと呼ばれています。

・レジームとは、「明示的又は黙示的な原則・規範・ルール・意思決定過程の集合」(Krasner 1983)と定義され、ガバナンスとは「政府なき統治(governance without government)」、すなわち中央政府不在の国際社会における各アクターの相互調整・秩序形成を意味しています。

・グローバル・ガバナンスは安全保障・経済・貿易・開発・人権・環境・移民・難民など非常に多岐に亘り、政策イシューごとにレジームやガバナンスが形成されています。

・したがって、グローバルガバナンスの研究とは、個別の政策イシューにおける問題解決の枠組みが、国家や非国家主体を含めた複数のアクター間での相互調整を経て、どのように秩序化されているかを明らかにするものであると言えます。
授業の概要・計画
【前期】
・6月中旬に移民、7月下旬にビジネスと人権をテーマとした国際会議(@九大)があります。ゼミ生によるポスター発表を行う予定です(6月・7月のうちいずれかを選択)。
・7月上旬に高校生・大学生対象のExchange Debate Contest(@西南学院大学)に参加します(2019年度は3位でした)。
・東洋大学の市川顕ゼミと合同ゼミを行います。

【後期】
・後期は大学院の英語コース(CSPA)と合同授業になります。
・11月に市民社会をテーマとした国際会議(@九大)があります。ゼミ生によるポスター発表を行う予定です。
・12月にJDA九州(ディベート大会)に参加します(2019年度は準優勝でした)。
・金沢大学の中野涼子ゼミと合同ゼミを行います。
授業の進め方
2〜3名の単位でグループを作り、グループごとにプロジェクト研究を進めます。ゼミでは、プロジェクトごとに先行研究のレビュー、進捗報告などを行う予定です。

参考までに2019年度のプロジェクトには以下の様なものがありました。
- Apply to Study-Stay to Work: Japan’s Student Migration System and its Place in Asia’s Migration Network
- Should Japan maintain the Technical Intern Training Program?
- Japanese government’s perception of “foreigner
- Freedom of Re-entry of Foreign Residents in Japan Based on ICCPR
- The Analysis of the supreme court of Japan’s interpretation of international law.
教科書・参考書等
授業に際してはリーディング・リストを配布します。日本語の書籍でグローバル・ガバナンスについて学べるものとしては以下があります。春休みの間にこのうちの1冊に目を通しておくことをお薦めします(概ね難易度順に並べました)。

・山田哲也『国際機構論入門』(東大出版)
・毛利聡子『NGOから見る国際関係』(法律文化社)
・野林健他編『国際政治経済学・入門』(有斐閣)
・遠藤乾編『グローバル・ガバナンスの歴史と思想』(有斐閣)
・鈴木基史『グローバル・ガバナンス論講義』(東大出版)
・渡辺昭夫・土山實男編『グローバル・ガヴァナンス』(東大出版)
・大矢根聡『コンストラクティヴィズムの国際関係論』(有斐閣)
・西谷真規子『国際規範はどう実現されるか』(ミネルヴァ書房)
成績評価の方法・基準
ゼミ報告等についての総合評価。
その他(質問・相談方法等)
・その他質問等は、担当教員までメールでお問い合わせください(アドレスは @law.kyushu-u.ac.jp の前にtogaを付加)。
・教員のウェブサイトは以下です。
http://toruoga.net/
事前/事後学修