Course Title |
Introductory Seminar on Legal and Political Studies |
Course Overview |
Introduction of administrative law from foreigner’s problems |
履修条件 |
熱意とやる気を持っている方の参加を期待します。 また行政法や、社会問題に興味・関心がある方の参加を強く希望します。 |
授業の目的 |
●法政基礎演習の共通目標 この授業科目は、少人数のゼミ形式により、 (1)リサーチ・分析能力、 (2)ディスカッション・プレゼンテーション能力、 (3)レポート・論文作成能力、 という、将来どのような進路をとっても必ず要求される能力の伸張を目指す。
●本演習の目的 街中で、異なる外見で異なる言葉をしゃべっている外国人が気になりませんか。彼らの来日は、経済振興、人員補充等の効果をもたらしています。しかしその一方で、社会認識の相違や生活上の不安により彼らは多様な悩みを抱いており、さらに、それが原因で様々な社会問題が引き起こされ、我々の日常生活にも影響が及んでいます。これらの問題は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2018」で、就労外国人50万人の受け入れを決めた日本においては、さらに多様化・複雑化するでしょう。年々増え続ける外国人とどのように共生するかという問題が日本社会とって不可避の問題であり、まさに今直面している問題でもあります。そこで、どのようにこれらの問題を解決・予防するか、いかなる対策を講じるかについて行政法の知識が必要・不可欠となっています。例えば、外国人が出入国への認定・拒否、外国人就労者の雇用問題、外国人が日本人と同じように社会保障上のサービスを平等に享受できるかどうか、外国観光客の増加による民泊政策の当否、或は地方公共団体がどのように国の政策を受け入れるべきか等、いずれも行政法上の問題となっています。 本演習では、外国人問題を素材として、@社会においてどのような問題があるかを発見し、Aこれらの社会問題が行政法とどのようにつながるかを分析し、さらに、B行政法の目線でどのように問題を論じ、解決すべきかを検討します。 このような作業を通じて、@行政法の基本的な考え方を習得すること、A社会を認識する眼を養うこと、B判例の読み方と分析・検討の仕方を習得すること、C今後の学習に必要とされるプレゼンテーションや論点提示の仕方、議論のすすめ方、エッセイ(論文)の書き方といった基本的な力を磨いてもらうことを目的とします。 |
授業の概要・計画 |
以上の目的を達成するために、本演習は次のような計画のもと、授業を進めていきます。 行政法をまだ履修していないみなさんにとって、いきなり上記の視点で具体的な問題を考えることは難しいかと思います。そのため、本演習の前半では、指定のテキストを使って、外国人問題を考える上で必要な基礎的な知識を習得していただきます。この段階では、人数及び皆さんの意見に応じ、報告の形式か講義の形式かを決めます。 一定の基礎知識を踏まえた上で、前段階で習得した知識と技術を生かし、自ら興味のある問題について、課題の発見から結論まで報告をしてもらいます。報告をすることによって、細かい点まで深く理解する姿勢を身につけます。参加者がこの段階で単なる感想や印象論的なコメントを超えて、具体的な根拠に基づいた発言ができるようになることも目指します。報告の形式は、グループ報告あるいは個人報告にするか、人数と皆さんの意見に応じて決めたいと思います。 最後に、報告をもとに、4000字以上のレポートを作成してもらいます。レポートの作成を通じて、自己の主張を論理的に組み立てる能力を高めます。
第1回 オリエンテーション 担当教員及び参加者の自己紹介ののち、ゼミの進行についての説明、法律学の学習をする際に必要となる道具(例:六法、判決文)の説明、情報の収集・分析・プレゼンテーションの方法についての小講義を行います。 第2回 第一回で学ぶ情報収集方法等を活用し、外国人問題に関する新聞記事や雑誌記事を持参し、どのテーマで、且つどのような理由で選択したかを聞かせてもらいます。それをベースに報告課題を設定することにしたいと思います。 第3回〜第7回 指定テキストに沿って、行政法全般を概観します。 第8回〜第14回 ゼミ報告 最終回 演習全体の総括討論 |
授業の進め方 |
本演習は基本的にゼミ形式ですが、必要に応じて担当教員がレクチャーを行います。 第1回 担当教員が主導します。 第2回 第8回以降の報告の事前準備として、本演習の目的に沿って、外国人問題に関する新聞記事や雑誌記事を事前に準備し、当日持参してください。テーマ選定の動機及び理由も準備しておいてください。 第3回〜第7回 指定テキストに沿って、行政法全般を概観します。その時、第2回で皆さんが持ってきた素材が行政法とどのようなつながりがあるかを提示し、第7回以降の報告の順番を決めます。 第8回以降 決めた順番で、以下のような流れで進めていきます。 報告担当者による報告→コメンテーターによるコメント→参加者全員による質疑応答と議論→担当教員によるコメント ・毎回司会者を指定します。司会者は発表時間のチェック、議論のまとめ等をしてもらいます。 ・報告担当者はレジュメを作成し、これに基づいて報告(30分程度)を行います。その際、レジュメの最後にみんなで議論してみたい論点や私見をいくつか提示してください。 ・コメンテーターは報告者の論点に対して考えや問題点などを5分程度でコメントしてもらいます。 ・参加者全員は、教科書、判決文及びレジュメに取り上げられた文献を読んでくる必要があります。また、報告内容についての疑問点やコメントを用意して全体討論に臨んでください。その際、必ず一度は発言を行うように心がけてください。 最終回 演習全体総括討論
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教科書・参考書等 |
[教科書] 宇賀克也 編『ブリッジブック行政法』(新山社、2017年)
[参考書] 大橋洋一『社会とつながる行政法入門』(有斐閣、2017年) 畠山武道・下井康史編『はじめての行政法(第3版)』(三省堂、2016年) 手塚和彰『外国人と法』(有斐閣、2005年) いずれの文献も中央図書館で閲覧することができます。 その他参考文献については、授業中に適宜ご案内します。
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成績評価の方法・基準 |
試験は行いません。 成績評価は、出席状況、報告内容や議論への参加状況、及びレポートによって総合的に行います。 出席状況(20%)、報告内容(20%)、討論への参加状況(30%)、レポート(30%)。
なお、無断欠席を行ったり、正当な理由のない欠席・遅刻が続くような場合には単位を認定できませんので注意してください。 |
その他(質問・相談方法等) |
どんな質問でも受け付けます。演習以外の場合は、メールや研究室の相談も受けます。 教員の連絡先については初回授業の際にお伝えします。
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事前/事後学修 |
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