Course Title |
Seminar on social security law. |
Course Overview |
We discuss about case law and policy about social security law. |
履修条件 |
特にありません。 |
授業の目的 |
社会保障法は私たちの生活にとって身近なものです。しかし,私たちが使うことができる社会保障法にはどのようなものがあるか,なぜそのような仕組みになっているのかを知っていることは少ないでしょう。この演習では「使える社会保障法」を目指して学習し,どのように社会保障法を使うのかを議論します。 社会保障法を使える,ということはいくつかの意味があります。まず,どのような社会保障法があるのかを正確に知っておくことは大前提です。何かの問題が生じた場合に制度を知っているかどうかは,もしかしたら調べることで足りるのかもしれません。しかしその法制度がどうしてそのような構造になっているのか,他の法制度とどのような関係があるのかを理解することが重要です。そこで第二に社会保障法の規範的意義を検討することになります。そして問題解決にあたっては,いかなる社会保障法をめぐる問題がどのように解決されたか,されるべきかを法的に熟考することが肝要です。さらに時代の変化に対応するべき社会保障の立法政策について,現実に生じている問題を把握するとともに,現理論的,解釈法学的な視点から立法政策を考えることが最終的な目的になります。 |
授業の概要・計画 |
社会保障法の基本的な考え方を正確に理解している受講生は少ないでしょう。前期では最初に法制度についてテキスト等を参考にしながら受講生が報告し,全員の知識の定着と疑問点を共有します。その上で当該法領域に関する事例問題を検討し,当事者の幸福のためにいかなる解決方法を探ることができるか,法的に結論づけられる解決方法はいかなるものかを検討します。 後期は現行法の問題点を洗い出し,その問題点に関してどのような議論があるのかを検討していかなる立法政策を講じるべきかを考えます。 |
授業の進め方 |
○前期 指定テキスト+報告者選定資料をもとに,各論的領域についての理解を深めます。 その後は教員から指示された事例を全員で協議し,当事者の幸福のための解決策を探ります。 想定される領域と事例は次の通りです。 ・公的年金法―年金生活に入る?それとも働く? ・医療保険法―病気で仕事を辞めてお金がない。医療費をどうする? ・障害者福祉法―自宅で生活したいALS患者 ・児童福祉法―保育所落ちた! ・労働者災害補償保険法―働きすぎの医師を助けるために ・生活保護法―子どもの貧困を解決するために ・生活困窮者自立支援法―8050問題をどう解決するか?
○後期 ・近年の重要裁判例の検討 ・社会保障の財政を考える ・社会保障の担い手を考える ・社会保障と家族を考える |
教科書・参考書等 |
丸谷浩介『ライフステージと社会保障』(放送大学教育振興会,2020年) 笠木・嵩・中野・渡邊『社会保障法』(有斐閣,2018年) |
成績評価の方法・基準 |
平常の受講態度、報告内容等を総合的に考慮します。欠席する場合には必ず事前に連絡してください。 |
その他(質問・相談方法等) |
講義の内容やゼミの報告準備などについて質問等がある場合には、個別に連絡してください。連絡方法はゼミ内でお伝えします(おそらくLINEグループをつくります)。 |
事前/事後学修 |
教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習。各回4時間相当。 |