刑法演習

最終更新日:2021年3月10日

授業科目名
刑法演習
標準年次
3・4
講義題目
刑法学の総合演習
開講学期
通 年
担当教員
井上 宜裕 (INOUE T.)
単位数
4単位
教  室
D108
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Criminal law seminar
Course Overview
This seminar will discuss and examine various issues in Japanese criminal law.
履修条件
1 刑法学に興味を有していること
2 刑法T(刑法総論)を履修済であること
3 刑法U(刑法各論)を履修済であること
4 毎回出席すること
授業の目的
1 刑法の基本原則に関する理解を深化させること
2 事例分析を通じて、刑法学を総合的に把握すること
3 個別論点の分析を具体的事例に応用できる力を養うこと
授業の概要・計画
 論点学習をいくら積み重ねても、いざそれを具体的事例に当てはめようとすると迷ってしまい答えが出せないことがある。具体的事案の解決には、各論点の相互関係や、各論点の背後に存在する基本原理等、刑法の総合的理解が不可欠である。

 本ゼミの目標は、実践的に応用可能な知識の習得、及び、その知識を実際に活用できる能力の獲得である。基本書等を読んだだけでは辿り着けない高みを目指す。

 本ゼミでは、刑法の諸論点を組み合わせた事例問題をあらかじめ配布するので、参加者には、各回、論点抽出、論点分析及び結論の導出という作業をしてもらう。

 この作業を行い、参加者全員で討論を繰り返すことにより、個別の論点学習だけでは把握困難な刑法学の全体像が見えてくるはずである。

 前期は、ウォーミングアップを兼ねて、刑法総論の論点を中心にした事例を扱う。その中でも、往々にして躓きがちな重要論点に的を絞って検討する(因果関係と実行行為性、択一的競合と重畳的因果関係、条件関係と刑法上の因果関係、不作為犯と作為犯の区別、誤想過剰防衛と誤想過剰避難、防衛行為と第三者、自己危殆化への関与、原因において自由な行為、不能犯と錯誤、中止の理由と中止犯の成否、共同正犯の成立範囲等)。

 後期は、刑法各論固有の難解な論点(名誉毀損罪、各種財産罪等)、及び、刑法総論・各論双方に関係する事例で、錯誤・共犯が絡んだ若干複雑なもの等を扱う予定である。

 場合によっては、司法試験の論文式問題のレベルを凌駕するものも含まれるが、心して取り組んでほしい。
授業の進め方
 あらかじめ配布された課題について、各回、数名に報告してもらい、それを手かがりに参加者全員で討論を行う。

 なお、参加者の希望に応じて、ゼミ合宿、刑事施設見学を実施する。
教科書・参考書等
 特に指定しない。

 必要に応じて、参照文献を示すことがある。
成績評価の方法・基準
 以下の基準による。

出席:20%
報告:40%
質疑応答:40%

※無断欠席者、遅刻常習者には、その後の履修を許可しないことがある。
その他(質問・相談方法等)
 授業終了後、質問を受け付ける。その他、メールによる質問も受け付ける。
事前/事後学修 教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習。各回4時間相当。