労働法演習

最終更新日:2021年3月10日

授業科目名
労働法演習
標準年次
3・4
講義題目
新型コロナウイルス感染症と労働法
開講学期
通 年
担当教員
山下 昇(YAMASHITA N.)
単位数
4単位
教  室
D109
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Labor Law Seminar
Course Overview
We argue about cases of labor law by this seminar.
履修条件
 絶対条件ではありませんが、労働法の講義を履修する(履修していた)ことが望ましいのはいうまでもありません。労働法全体の基礎知識を身につけておくことにより、深い理解や活発な議論ができると思います。
 疑問に思ったことをゼミの場できちんと発言しようという意欲を持っていること。
授業の目的
 新型コロナウイルス感染症は、社会・経済に大きな影響を与え、雇用の領域でも様々な対応を迫られました。
 本ゼミでは、まず、前期において、新型コロナウイルス感染症に対する2020年2月以降の労働政策や企業での対応などについて、様々な文献や資料などから検討を深めることにします。テーマの設定や資料の収集については、ゼミ生自らが主体的に取り組むことにし、実践的な課題に対応する能力の涵養を目的とします。
 また、後期は、比較的新しい下級審の裁判例の判例研究を行うことにします。判例のセレクトは、前期のゼミの進行と並行して、新しい法律や課題に応じたものを選ぶことにします。
 将来、労働関係の公務員(労働基準監督官、厚労省職員)、労働法関係の専門職(法曹、研究者、社会保険労務士)、民間企業の人事労務担当などを志望する学生さんの参加を募ります。もちろん、それ以外に純粋に労働法を勉強したい方も歓迎します。労働法のプロフェッショナルを目指そう。
授業の概要・計画
 新型コロナウイルス感染症と労働法に関連する文献・資料を収集し、それらをゼミ生で分担して報告をし、議論をします。休業と雇用調整助成金、小学校等休業と子の面倒をみるための休暇制度、妊産婦の母性健康管理措置、重篤化リスクの高い高年齢者等の労働者の就業環境の整備、医師・看護師の労働問題など、感染症と労働法・労働政策の関連は多様であり、まずは、ゼミ生自らが問題を掘り起こす作業を行います。その上で、文献・資料を読み解きながら、問題点を議論したいと思います。
 後期は、裁判例研究というオーソドックスな内容で労働法の基礎と応用を学習することにします。判例のセレクトは、ゼミ生と相談しながら進めることにします。
授業の進め方
 前期は、毎回、授業概要・授業計画に示したようなテーマ(例えば、雇用調整助成金など)から1つを選んで、複数のゼミ生が各自でそのテーマについて自分なりに資料を探してきて、報告を行うこととします。複数のゼミ生が同じテーマを異なる視点や資料から紹介し、検討することで、多様な視点で共通テーマを議論したいと思います。
 後期は、毎回、1つの判例をじっくりと読みたいと思います。
教科書・参考書等
参考文献を挙げておきます。

@山下昇「労働法入門・事例から考え、理解する労働法」法学セミナー759号(2018年)44〜49頁
A野田進・柳澤武・山下昇『判例労働法入門(第6版)』(有斐閣、2019年4月)
成績評価の方法・基準
 出席状況、報告(レポート)内容、討論参加状況等によって、総合的に評価します。演習での学習は毎回出席することが前提となりますので、出席状況は特に重視します(無断欠席はご法度ですので、どうしても欠席せざるを得ない場合は、事前に必ず連絡してください)。毎回、報告担当者がゼミ参加者に担当テーマを講義するつもりで、しっかり準備してください。
その他(質問・相談方法等)
@オフィスアワーの時間にご質問・ご相談をお受けいたします。オフィスアワー以外でもかまいませんが、その場合、十分に時間がとれない場合があります。メールでお問い合わせいただいても結構です。@law.kyushu-u.ac.jpの前に、yamaをつけてください。
A2021年度のゼミ開始前の段階で必要に応じて連絡をとることがあります。「志望理由書」には、メールアドレス(通常の連絡が取れるもので、携帯のアドレス等)を丁寧に(わかるように)記入しておいてください。
B参考文献にあげた@を事前に読んでください。また、参考文献Aは、ゼミの際、使用します。前期開講の労働法(新屋敷先生)の受講を強くお薦めします(履修済みの4年生は除く)。
事前/事後学修 教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習。各回4時間相当。