国際取引法演習

最終更新日:2020年11月28日

授業科目名
国際取引法演習
標準年次
3・4
講義題目
国際取引と交渉の理論と実践
開講学期
通 年
担当教員
松井 仁(MATSUI H.)
単位数
4単位
教  室
D106
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Seminar on International Business Law and Negotiation
Course Overview
In the spring term, students study basic rules for international business transaction as well as principles for business negotiation. Students then practice mock negotiations and arbitrations. In the autumn term, students concentrate in preparation for the Intercollege Negotiation Competition held in December.
履修条件
特にありません。なお、本演習を履修しながらでよいので、民法(とくに債権法)、会社法、民事訴訟法について、自分で一定の学習をすることを勧めます。また、大学受験レベル以上の英語力は必要ありません。
授業の目的
経済がグローバル化した現在、多くの企業が国際取引に関わっています。本演習では、まず、そのような国際取引法における基本的事項(国際契約、貿易条件、M&Aや合弁事業、仲裁による紛争解決など)について深く理解します。そのうえで、実際の企業活動において必要となる交渉力や、紛争解決のための法的な議論をする能力、さらにはチームワーク力を身に着けることを目指します。
授業の概要・計画
毎年の授業計画は、ゼミ生と共に話し合って決めますが、例年以下の通りです。
 前期は、上記「目的」欄に挙げたような、国際取引法に関する基本的事項と、交渉学についての理論を学びます。あわせて、交渉力や法的な議論をする能力をつけるために、簡単な事例を使ったロールプレイを行います。前期の最後には、後述する交渉コンペティションの過去問を使った本格的な交渉練習や仲裁練習を行います。
 後期は、毎年12月(又は11月)に東京で開催されている交渉コンペティションの準備に取り組みます(20以上の日本及び外国の大学を代表するチームが、国際取引の事案をベースにして模擬仲裁と模擬交渉のパフォーマンスを競うもので、九州大学の日本語チームは当ゼミから毎年参加しています。詳しくは、http://www.negocom.jp/)。
コンペティション後の期間は、3年生はそれまで学んだことを生かして仕上げの模擬交渉に取り組み、4年生は後輩のために交渉練習題材の作成に取り組みます。
授業の進め方
 国際取引法の各分野については、基本となるテキストを素材として、ゼミ生の希望と話し合いによって個別テーマを選択して、調査・研究を分担して行います。授業においては、その成果としての発表にもとづき、全員で議論をしながら授業を進めていきます。教員は、25年以上にわたる弁護士としての実務経験も交えながら、解説を加えていきます。ゼミ生は、他人の担当分野の発表に対しても積極的に疑問やコメントを投げかけて活発な討論を展開するよう期待されています。
 模擬仲裁・模擬交渉については、前期は簡単な問題や交渉コンペティションの過去問を題材に、ゼミ内でチーム分けを行ったうえで練習をします。教員はそれを観察し、パフォーマンスに対するフィードバックを行います。後期には、10月(又は9月)に本年度のコンペティションの問題が発表されるので、それを読み込み、準備書面の作成や交渉戦略の立案など、2か月間十分な時間をかけて行い、本番に臨みます(但し、公務員等の資格試験やサークル・部活で忙しい人はそちらに注力して構いません。その場合、本番のチームメンバーを援助するサポーターとしての役割を担ってもらいます)。
教科書・参考書等
国際取引法の基本書(例えば、阿部道明「国際取引法―理論と実務の架け橋」九州大学出版会 2012)

交渉学の基本書(例えば、マルホトラ「交渉の達人」日本経済新聞出版社 2010)

論理学の基本書(例えば、野矢茂樹「新版 論理トレーニング」産業図書 2006)
成績評価の方法・基準
出席状況、プレゼンテーションの準備と発表の結果、全体討論への参加の状況、模擬仲裁・模擬交渉における自らの役割を果たすこと及びチームへの貢献などで判断します。論文作成は課していません。
その他(質問・相談方法等)
プレゼンテーション発表、模擬交渉、模擬仲裁、そのための議論など、「話す機会」が多いゼミです。コミュニケーション力を高めて将来の進路に活かしたいと思っている学生にはぴったりだと思います。また、交渉コンペティションでの入賞を目指してゼミ一丸となって努力するのは、やりがいがあって楽しいです。良きチームメイトを求めます。
質問があれば、お気軽に、matsui@fukuokakokusai.gr.jp又は092‐781-7440までお尋ねください。
事前/事後学修