刑事訴訟法

最終更新日:2021年4月8日

授業科目名
刑事訴訟法
標準年次
3・4
講義題目
刑事訴訟法の基礎と展開
開講学期
前 期
担当教員
豊崎 七絵(TOYOSAKI N.)
単位数
4単位
教  室
E109
科目区分
基盤科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Criminal Procedure
Course Overview
This course provides an general overview of criminal procedure in Japan.
履修条件
 特にありませんが、刑法、刑事政策、少年法を合わせて受講するとより理解が深まります。
授業の目的
1.専門的知識・技能の観点では、@刑事手続に関する人権・法理(特に憲法31〜40条)の意義、ならびにA法解釈論(学説)、判例、立法論(改革論)の意義を理解すること。
2.態度・志向性の点では、上述@Aの理解が表面的なものにならないよう、刑事手続をめぐる歴史と現状について認識を深めること。
授業の概要・計画
総説
 第0講  何のために刑事訴訟法を学ぶか
 第1講  近代刑事訴訟法の歴史的展開
 第2講  日本国憲法と刑事手続
 第3講  日本の刑事手続の現状
 第4講  刑事訴訟法学の課題

捜査
 第5講  総論
 第6講  捜査の端緒
 第7講  任意捜査の限界
 第8講  強制捜査の憲法的枠組み
 第9講  証拠(物)の収集
 第10講 身体の拘束(逮捕・勾留)
 第11講 逮捕・勾留の規制
 第12講 身体拘束と被疑者取調べ/代用刑事施設(代用監獄)
 第13講 被疑者の防禦

公訴
 第14講 総論/訴訟条件
 第15講 公訴権行使の抑制
 第16講 審判の対象その1
 第17講 審判の対象その2

公判(第一審手続)
 第18講 裁判所と当事者
 第19講 公判の諸原則
 第20講 公判廷と公判準備
 第21講 公判手続の概要

証拠法
 第22講 総論
 第23講 証拠能力・証拠禁止
 第24講 自白法則・補強法則
 第25講 伝聞法則

裁判の効力
 第26講 裁判の効力

救済手続
 第27講 救済手続

刑事補償
 第28講 刑事補償

裁判の執行
 第29講 裁判の執行
授業の進め方
≪講義の方法≫ 
 この講義は、履修登録者が100名以下の場合、対面で行います。100名を超える場合は遠隔です(法学部前期授業方法の方針に基づく)。
 いずれにしても、1回目の講義は遠隔(Zoom)で行いますので、ご注意ください。100名以下であることが判明すれば、2回目もしくは3回目の講義から対面です。
 なお状況の変化等により、途中で講義方法(対面/遠隔)を変更する場合には、改めて連絡します。
 講義必携のレジュメやZoomの案内等はMoodleで提供します。つきましては受講の準備として、Moodleで「2021年度前期・火2金4・刑事訴訟法(豊崎 七絵)」を自己登録し、内容を確認しておいてください。

≪講義の進め方≫
 講義の進め方は、レジュメに沿った担当教員による解説を主としますが、時折、学生との問答を行うこともあります。

≪ゲストスピーカーによる講演≫
 なお例年ゲストスピーカーによる講義(講演)を1回入れており、本年度も行いたいと考えています。趣旨は、「生きている刑事訴訟法」に触れるため、実務家や事件関係者のご経験を伺うというものです(授業の目的の2.に該当する)。

〔これまでのゲストスピーカーとテーマ〕
07年度:本木順也氏(弁護士)、中山信一氏(志布志事件元被告人)
   「鹿児島・志布志事件について」
08年度:井浦謙二氏(弁護士)、櫻井昌司氏・杉山卓男氏(布川事件再審請求人)
   「布川事件について」
09年度:岩田務氏(弁護士)
   「飯塚事件について」
10年度:無し(産休のため非常勤講師による講義)
11年度:上田國廣氏(弁護士・本学法学研究院教授)
    「刑事弁護と接見交通権」
12年度:安田好弘氏(弁護士)
    「なぜ弁護は必要か 刑事弁護人の仕事を考える」
13年度:木谷明氏(元裁判官、弁護士)
    「法律家(実務法曹)の仕事は面白いか」
14年度:戸舘圭之氏(弁護士)
    「袴田事件から考える、刑事訴訟における『無辜の不処罰』『疑わしきは被告人の利益に』鉄則とは」
15年度:岩田務氏(弁護士)
    「死刑執行後の再審請求事件・飯塚事件を考える」
16年度:櫻井昌司氏(布川事件元被告人)
    「法治国家の闇 冤罪はなぜ作られるのか」
17年度:黒原智宏氏(弁護士)
    「死刑事件の弁護 宮崎家族3人殺害事件の経験から」
18年度:鴨志田祐美氏(弁護士)
    「大崎事件から見える刑事司法の課題」
19年度:三角恒氏(弁護士)
    「松橋事件・再審無罪判決と今後の刑事司法の課題について」
20年度:遠山大輔氏(弁護士)
    「『事実』と手続の重要性〜Winny事件を題材に」

(注)肩書きは講演当時のもの。
(注)鹿児島・志布志事件については2007年2月一審無罪判決〔確定〕。
(注)布川事件については2011年5月再審無罪判決〔確定〕。
(注)飯塚事件は再審請求事件。
(注)袴田事件は再審請求事件。
(注)宮崎家族3人殺害事件は再審請求事件。
(注)大崎事件は再審請求事件。
(注)松橋事件については2019年3月再審無罪判決〔確定〕。
(注)Winny事件については2009年10月控訴審無罪判決〔確定〕。
教科書・参考書等
≪教科書・参考書≫
@白取祐司『刑事訴訟法〔第10版〕』(日本評論社、2021年)
※1回目の講義で、他の教科書についても案内しますので、購入はその後で構いません。
A井上正仁=大澤裕=川出敏裕『刑事訴訟法判例百選〔第10版〕』(有斐閣、2017年)
※必携です。

≪六法≫
 基本的にコンパクトな六法でよいですが、手持ちの六法に掲載されていない法令があった場合には「e-Gov法令検索」などで補ってください。

≪参考文献≫
 適宜、指示します。
成績評価の方法・基準
 定期試験(80%)、講演会レポート(20%)を総合的に評価します。
 成績評価は、「授業の目的」の欄に記している到達目標を達成できているか否かを判断して行います。
 なお状況の変化により、別の方法にする必要が生じた場合には、改めて連絡します。
その他(質問・相談方法等)
 質問・相談方法は、次の通りです。
・メールで事前に連絡を取り、アポイントメントをとる。
・メールで質問・相談する。

 状況が許す限り、例年通りの講義を行いたいと思っています。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています。
事前/事後学修  教科書・判例百選・レジュメの該当箇所の読み込みと授業後の復習を行ってください。各回4時間相当です。