地方自治法

最終更新日:2021年2月25日

授業科目名
地方自治法
標準年次
3・4
講義題目
地方自治法の概要
開講学期
前 期
担当教員
田中(孝 男)(TANAKA T.)
単位数
2単位
教  室
E109
科目区分
展開科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Local Government Law
Course Overview
The purpose of this course is to understand the outline of Japanese Local Government Law.
履修条件
憲法1、憲法2、行政法1の知識を有することを前提とします(履修の有無は問いません)。また、行政法2についても履修されていること(3年生の方は、並行して行政法2を履修されていること)を前提として、授業を組み立てています。
授業の目的
この科目は、地方自治法制に関する基本的な事項を習得することを目的としています。
(到達目標)
1)地方自治制度の基本的概要(地方公共団体の種類、組織、地方自治権、事務の分類、住民訴訟制度等)を知る。
2)とくに条例と法律との抵触の問題について、具体的な例に対して、最高裁の判断枠組みなどを用いながら、理論的に筋の通った解釈論を展開できる。
3)その他地方自治法の論点について積極的に問題を発見し、議論をすることができるようになる。
授業の概要・計画
第1回 行政法学(行政法各論)と地方自治法                   
第2回 地方自治権(憲法論と重なる)               
第3回 地方自治の要素と地方公共団体の種類(第11回でも扱う)
第4回 地方公共団体の事務
第5回 地方自治権の概観(財政・条例制定権を除く)
第6回 条例制定権@
第7回 条例制定権A  
第8回 条例制定権B
第9回 地方公共団体の機関(議会・執行機関)
第10回 住民の権利と義務(住民監査請求、住民訴訟を中心に)
第11回 地方公共団体間の協力、道州制、特別区制度及び地方公共団体の廃置分合
第12回 国と地方公共団体及び市町村と都道府県の関係(主として関与論)
第13回 地方公共団体の財務と地方財政            
第14回 残されている地方自治法上の検討テーマ
第15回 予備
授業の進め方
 次により、授業を進めます。
(1)第1回授業の参加者に「出席カード」を配布します。出席カードには、受講される方の名前や学生番号などを書いてもらいます。この日の講義に出られなかった人で受講を希望する方は、第2回講義の日のころまでに教員の研究室に来るなどして「出席カード」を受け取って、所要事項を記入し、第2回の講義開始前までに教員に提出してください。
(2)第1回は講義ですが、第2回以降の回では、体系的な内容に関しては皆さんが予習してきているものとし、最初に、その回の範囲に係る事項の質問等を指摘してもらったり、教科書の記述内容に対する疑問等を挙げてもらったりします。手あげがないときは、指名します。また、事前に配布したレジュメ(進行予定表)に記載の質問事項に対して、答えとその結論に至る理由を準備しておいてください。質問内容には、司法試験の問題を加工したものなどが含まれます。
(3)第2回授業以降は、出席カードを提出した方の名簿を作成して、その名簿の中から指名して、授業回の範囲に関する質問・疑問を発表してもらったり、レジュメ中の質問に対する答えと理由について発言してもらったり、重要な論点について意見を述べてもらったりします。名簿は、法学部3年生の学生番号の若い順からとしますので、だいたい自分が指名される場所を把握しておいてください。他学部生、大学院生、聴講生が受講者としているときは、法学部生のあとに質問します。質問事項や討論のテーマによっては、複数の方の回答・意見をきくことがあります。
(4)授業では、教員が重要事項について講義を行いつつ、内容がレジュメの質問の箇所になったときに、参加者の中から指名をして、質問に答えてもらいます。
(5)基本的には、受講者一人が、毎回1度は指名されるつもりで授業に臨んでいただきたいと思います。
教科書・参考書等
(教科書)
・宇賀克也『地方自治法概説(第9版)』(有斐閣、2021年)予定
 このテキストは2021年3月半ばに第9版の改訂版が出るので、第8版以前の版と間違えないようにしてください。
(参考書―購入しなくても単位取得には影響ありません)
・田中孝男『自治体法務の多元的統制』(第一法規、2015年)
・田中孝男『〈平成29年改正〉住民監査請求制度がよくわかる本』(公人の友社、2017年)
・田中孝男『条例づくりのきほん ケースで学ぶ立法事実』(第一法規、2018年)
 その他参考文献などについては、第1回授業までに持参していただく資料にして提供します。「その他」のところのホームページにアクセスしてダウンロードしてください。
成績評価の方法・基準
(1)出席者が多くない場合(おおむね20人以下)は、次の基準で、授業でのやり取りなどを総合的に判断して、評価をする。
   A(質問・課題に対して、先行研究を渉猟し、その欠落事項を指摘し、これに対する独創的な私見を提示できる程度にまで、詳細な論理展開を図ることができる)
   B(質問・課題に対して、通説・多数説に対抗する反対説や関連学説等を相当程度まとめ、合理的に自説もまとめることができる)
   C(質問・課題に対して、その当否や水準は別として、一定の合理的説明をすることができる=おおむね、通説・多数説の内容をまとめることができる)
   D(教科書を読んでくるなどして不明事項を抽出して質問できる。教科書の疑問点を指摘する。ただし、インターネット等で容易に分かる事項について疑問点について解消しようとする努力がほとんどなされていない程度の浅い検討にとどまる)
   F(授業を5回以上無断欠席。授業回に指名しても事前予習の形跡がなく、例えば事前課題の答を準備していない)
(2)受講者が多い場合、無断欠席5回以上のFの人を除いて、全員で定期テストをし、相対評価により評価をする。ただし、テスト結果によると、(1)のみであれば得られる自分の評価より下になるときは、(1)の評価にとどめる(予定)。
(3)テストの有無については受講者が確定した後、令和3年5月26日までに授業の中で告知する。
その他(質問・相談方法等)
(1)自己紹介は、第1回レジュメ記載のURLにて動画を用意するので、それをもって代えます(4月20日ころまで)。
(2)オリエンテーションは、レジュメについて質問を受ける形で進めます。
(3)全講義回のレジュメ(進行要領)その他必要な資料は、ムードルに掲載します。ご自身で文書をインターネットからダウンロードするよう、レジュメ上で指示することがあります。
(4)そのほか、適宜、教員のホームページに資料などをアップし、事務連絡などをホームページ上で行います。ホームページhttp://jititaihoumupark.web.fc2.com/tanaka/tanakatop.html


事前/事後学修 教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習。各回4時間相当