法政基礎演習

最終更新日:2021年3月7日

授業科目名
法政基礎演習
標準年次
2
講義題目
日米安保体制の歴史
開講学期
前 期
担当教員
浜砂 孝弘(Hamasuna T.)
単位数
2単位
教  室
演習室5
科目区分
入門科目
使用言語
Japanese
科目コード
Course Title
Introductory Seminar on Legal and Political Studies
Course Overview
This class focuses on history of the Japan-U.S. Security Arrangements, namely from the point of view of interaction between Japan-U.S. relationship and ideal of postwar democracy of Japan.
履修条件
特にありません。戦後の日米関係や日本政治に関心のある方は奮ってご参加ください。
授業の目的
【法政基礎演習の共通目標】
 この授業科目は、少人数のゼミ形式により、2年次から本格的に始まるより高度な学習に向けての橋渡しの教育を行うことを目的としています。具体的には以下の三点を身につけることが目的です。
 @ リサーチ・分析能力
 A ディスカッション・プレゼンテーション能力
 B レポート・論文作成能力
 これらの、将来いかなる進路に進んだとしても必ず要求される能力の習得を目指します。

【本演習の到達目標】
 上記の共通目標を踏まえたうえで、本演習では以下のことを目標としています。
 @ 戦後日本政治、特に日米安保体制の歴史に関する理解を深め、基本的な知識を身につける(知識・理解、専門的技能)。
 A 文献の適切な引用方法や要約能力、論理的な文章の書き方を身につける(態度・志向性、汎用的技能)。
授業の概要・計画
【授業の概要】 
 今年1月、アメリカではトランプ氏に代わり、バイデン大統領が誕生しました。安倍首相・トランプ大統領のもとで築かれた近年の日米関係は、いま大きな転換点を迎えています。
 この日米関係の中核にあるのが日米安保体制です。日米安保体制は、戦後から現在に至るまで、国際環境や日米関係、そして日本政治の様々な転換点に適応し、変容しながら、70年以上も持続しています。そして、この日米安保体制こそ、戦後日本政治の中心的な争点であり続けてきました。
 そこで本演習では、日米安保体制の歴史を振り返りながら、戦後の日米関係と日本政治について学びます。このことを通じて、歴史的観点から日米安保体制、ひいては日米関係の今後についても考えます。
 授業では、後述する文献を教科書として輪読し、レジュメ報告と議論を行います。授業の際、教員のほうで関連文献や史資料を適宜紹介し、議論の材料にすることがあります。
 その上で参加者には、最終的に本演習の内容や議論に基づくテーマを自由に設定し、2000字以内のレポートを提出してもらいます。

【授業の計画】
 第1回 オリエンテーション、レジュメ作成のレクチャー
 第2回〜第6回 『日米安保体制史』輪読
 第7回 レポートの書き方、資料の探し方に関するレクチャー 
 第8回〜第12回 『戦後民主主義』輪読
 第13回 「『九条=安保体制』の終焉」輪読 
 第14回〜第15回 レポートの構想発表、総括討論

※授業計画は実際の進行に合わせて適宜変更する可能性があります。また、レポートの書き方、資料の探し方については、授業中にも随時レクチャーを行います。  
授業の進め方
【授業の進め方】
 本演習は原則として対面形式で行います。演習を進めるにあたり、初回のオリエンテーションで各回のレジュメ報告者とコメンテーターを決めます。
 報告者とは、授業の際に前もってレジュメを作成し、報告する人です。具体的には、輪読する文献の担当箇所について、A4用紙1枚で、簡潔に内容要約とコメント(疑問点・論点の提起)を作成し、報告します。また、コメンテーターとは、報告者が挙げる疑問点・論点に対し、代表して意見を述べる人のことです。
 報告者とコメンテーターは、参加者全員がそれぞれ最低一回は担当することになります。また、参加者は全員必ず、その日の授業で扱う文献を予習しておいてください。

【授業の流れ】
 @ レジュメ報告(15分程度)
 A 内容理解のための、文献に関する質疑応答(20分程度)
 B 疑問点・論点の解説とコメンテーターによるコメント(10分程度)
 C 疑問点・論点に関する参加者全員でのディスカッション(30分程度)
 D 報告者による総括。参加者は各自、授業内容に関する感想を書く(10分〜15分程度)
教科書・参考書等
【教科書】
 ・吉次公介『日米安保体制史』(岩波書店、2018年)
 ・山本昭宏『戦後民主主義ー現代日本を創った思想と文化』(中央公論新社、2021年)
 ・酒井哲哉「『九条=安保体制』の終焉―戦後日本外交と政党政治」(日本国際問題研究所『国際問題』第372号、1991年、32−45頁)
 
【参考図書】
 ・五百旗頭真編『戦後日本外交史〔第3版補訂版〕』(有斐閣、2014年)

※教科書のうち、酒井論文は教員のほうで用意します。参加者は、その他2冊の著書を各自で入手しておいてください。また、その他の重要な参考文献について、授業中に適宜紹介することがあります。
成績評価の方法・基準
 試験は実施しませんが、その代わり、期末にレポート提出(2000字以内)を実施します。また成績評価は、「授業の目的」における到達目標に基づき、以下の基準によって行います。
 @ 出席状況(30%)
 A 授業への参加態度…レジュメ報告の内容、予習を含む議論への積極性(40%)
 B レポート(30%)

※単位認定にはレポート提出が必須です。レポートは提出期限を厳守すること。未提出、または期限から提出が遅れた場合、レポートは受理されず、単位認定は行われません。
※授業への無断の遅刻や欠席は厳禁です。必ず事前に教員へ連絡すること。無断欠席を3回以上行なった場合、除籍となり単位認定は行われません。
その他(質問・相談方法等)
 演習内容に関する質問や相談は、授業中、授業後に関係なくいつでも受け付けます。また、それ以外の機会でも、電子メールでの質問、相談を随時受け付けます。お気軽にご連絡ください。
 教員の連絡先は初回のオリエンテーションでお伝えします。
事前/事後学修 各回4時間相当、予習としての教科書の該当箇所の読み込みと授業後の復習を行うこと。